カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

5月12日(7)仙台空港→仙台

投稿日:2011年6月16日

頑張ってるぞ!東北!! ツーリング[鵜ノ子岬→尻屋崎 17]2011年5月12日

 宮城県の太平洋岸の幹線、県道10号を行く。国道6号→国道4号よりも海側のルートで、仙台市内の渋滞にもあまり巻きこまれず、ショートカットで塩竃、松島から三陸海岸方面に行けるので、きわめて便利なルートなのだ。国道45号にぶつかったところでは、仙台港北インターから三陸道に入ることもできる。

県道10号を行く


 その県道10号は今回の大津波で激しくやられ、沿道には延々と被災地がつづく。
 その中にあって、県道10号から海岸地帯に出たところにある神明社は奇跡的にも社が残った。これでもうすこし落ち着いてきたら、きっと「奇跡の神社」として、神明社にはどっと参拝者が押しかけるようになるような気がする。
 今回、鵜ノ子岬から尻屋崎までの東北・太平洋岸の全域をまわってみて、このような神明社のような奇跡の現場をあちこちで見た。神仏の目に見えない力というものを実感した。

社が残った神明社
奇跡の神明社


 県道10号沿いの「KUMA食堂」で昼食。ボリューム満点の「とんかつ定食」(800円)を食べた。おかみさんは「どうぞ遠慮なくご飯のお替りをしてくださいね」という。夫婦でやっている店で、奥さんもご主人もうれしそう。というのは大津波にやられ、1ヵ月以上たってやっと食堂を再開することができたからだ。
 店のご主人は週刊誌の「東日本大震災」のグラビアページを見せてくれた。見開きページはこのあたりを上空からとった写真。まるで一面、海のようで、「KUMA食堂」をはじめとする家々がその海に浮かんでいた。県道10号は完全に水没していた。大津波に襲われたあと、しばらくは水が引かなかったという。

県道10号沿いの「KUMA食堂」
昼食の「とんかつ定食」


 県道10号は県道20号との交差点より先は通行止になっていた。仙台空港を目の前にするその交差点で県道10号を断念。県道20号→国道4号経由で仙台に入っていった。

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