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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 west[87]

投稿日:2013年2月24日

浦島太郎伝説の地

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 鰻湖畔の鰻温泉につづいて、開聞岳を間近に眺める川尻温泉「かいもん荘」(入浴料450円)の湯に入った。塩分の濃い黄土色の湯。内風呂と露天風呂。露天風呂からは目の前の東シナ海と右手の開聞岳を眺める。
 川尻温泉の湯から上がると、近くのJR枕崎指宿線の西大山駅へ。ここが日本最南端駅になる。無人駅のホームには「日本最南端の駅」の木標。線路越しに見る夕日を浴びた開聞岳がすばらしい。さすが「薩摩富士」。どこから見ても絵になる山だ。
 日本最南端駅の西大山駅から薩摩半島最南端の長崎鼻へ。駐車場にアドレスを停めると、売店で「さつまいもアイス」(250円)を買った。「山川紫芋」の風味を出したアイスなのだという。
 この日は10月16日。10月も中旬になったというのに、
「オーシンツクツク オーシンツクツク」
 と蝉の声。ここでは秋というより、まだ夏の終わりだ。
 長崎鼻の龍宮神社を参拝。龍宮神社は海神の娘の豊玉姫をまつっている。豊玉姫といえば乙姫様で、長崎鼻は浦島太郎伝説の地。誰もが知っている浦島太郎伝説の地は丹後半島や香川、横浜、さらには内陸の木曽…と日本各地にあるが、長崎鼻が発祥の地だという。
 長崎鼻周辺の海岸には海亀が産卵のためにやってくる。昔からこの地の漁師たちは海の守り神として海亀を大切にした。海亀が網にかかったときは手厚くもてなし、酒を振舞って海に返してあげたという。豊玉姫とからめたそのあたりの話が、浦島太郎伝説の元になっているのかもしれない。
 岬突端の岩場まで歩き、東シナ海に落ちていく夕日を見た。真っ赤な夕日。目を反対側に向けると、紫色に染まった大隅半島が長々と横たわっている。岩の上の灯台に明かりが灯る。感動的な長崎鼻の夕暮れのシーンだ。

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川尻温泉「かいもん荘」の湯
日本最南端駅の西大山駅


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「日本最南端の駅」の木標
西大山駅から見る開聞岳


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長崎鼻の龍宮神社
長崎鼻から見る開聞岳


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長崎鼻突端の灯台
長崎鼻突端の岩礁


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東シナ海に落ちる夕日
暮れなずむ大隅半島


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