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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 west[187]

投稿日:2013年6月15日

蓮如によって開かれた町

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 芦原温泉からは国道305号で北潟湖の湖畔を走り、福井・石川県境の吉崎へ。
 吉崎の集落は福井・石川の両県にまたがっている。
 ここには蓮如によって開かれた吉崎御坊跡がある。吉崎は吉崎御坊の寺内町だ。
 福井・石川・富山の北陸3県は日本一の真宗(浄土真宗)地帯になっている。
 通り過ぎていく集落でひときわ大きな建物が目につくと、それはまず間違いなく真宗の寺だ。
 浄土真宗の開祖は親鸞だが、これを日本最大の教団につくり上げていったのは蓮如(1415〜1499年)といっていい。蓮如は吉崎御坊を拠点にして北陸一帯を教化した。
 まるで燎原の野火のように、「真宗」という燃え盛る炎はあっというまに北陸一帯に広まった。というよりも焼き尽くしたといった方がぴったりの激しさだった。
 そんな歴史の表舞台に立った吉崎だが、今ではひっそりと静まりかえっている。
 吉崎でアドレスを止めると、「吉崎御坊跡」を歩いた。
 吉崎御坊の本堂跡や蓮如の「腰掛石」、蓮如の銅像などを見てまわる。ここは国の史跡になっている。
 芭蕉も「奥の細道」の旅で吉崎を通っている。ここで見たいものがあったからだ。
 それは西行が詠った名木の「汐越の松」である。

 越前の境、吉崎の入江を舟に棹して、汐越の松を尋ぬ。
  よもすがら嵐に波を運ばせて
      月を垂れたる汐越の松   西行
 この一首にて数景尽きたり。もし一弁を加ふるものは、無用の指を立つるがごとし。

『おくのほそ道』

 芭蕉は遊行僧の西行(1118〜1190年)をまるで師のように仰いでいた。この「汐越の松」にしても、西行が詠った木ということで見に行ったのだ。
 しかし残念ながら、アドレスで海岸一帯をまわったが、「汐越しの松」は見つけられなかった。
 芭蕉にとって西行は400年以上も昔の人物。そのような歴史上の人物に大きな影響を受けたということにぼくは感動してしまう。
 吉崎を出発。
 福井県から石川県に入る。
 大聖寺で国道8号に合流すると金沢へ。野々市温泉「美人の湯」(入浴料420円)ではスズキの400ccスクーター、スカイウエイブ400に乗った「よねさん」に会った。いやー、なつかしい。「300日3000湯」のときは、何度となく出会った人だ。
 一緒に「美人の湯」に入り、湯から上がると金沢の「江戸沢」というちゃんこ鍋店で「キムチちゃんこ」(1480円)を食べた。
 よねさんとは金沢駅前で別れたが、ゴッソリと差し入れをもらった。よねさん、ありがとう。その夜は金沢駅前の「東横イン」に泊まった。部屋に入るなり、よねさんの差し入れで宴会を始めた。ますずしはぼくの大好物。カニのちらしずしもうまかった。「黒霧島」を飲みつくしたところで一人宴会は終わった。

第38日目:敦賀→金沢
2008年11月7日
走行距離:342キロ(合計8,708キロ)
費用:
ガソリン 611円
ふなずし 1,500円
長浜城 400円
旧長浜駅 300円
近江大橋 20円
ソースかつ丼 890円
ガソリン 613円
カニうどん 700円
芦原温泉 500円
野々市温泉 420円
夕食 1,480円
宿泊 5,565円
合計 12,999円
総計 461,746円


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吉崎御坊跡
蓮如の銅像


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吉崎御坊の本堂跡
蓮如の腰掛石


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吉崎御坊跡から見る北潟湖と日本海
野々市温泉「美人の湯」


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「江戸沢」の「キムチちゃんこ」
金沢駅前に到着


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よねさんのからの差し入れ


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