東北四端紀行[38]
投稿日:2017年4月9日
西端編 6 山形の最西端、鼠ヶ関
国道7号の新潟・山形の県境を越えて山形県に入ると、念珠関跡でスズキDR−Z400Sを止めた。国道7号のわきには「念珠関址」の石碑が建っている。ここは慶長年間(1596年〜1615年)から明治5年までの近世の関所跡で、「奥州三関」の鼠ヶ関はここから南に1キロほどの地点、今の新潟・山形県境あたりにあった。鼠ヶ関は平安時代中期から鎌倉時代初期にかけての関所で、軍事施設と生産施設を合わせ持っていたという。
「奥州三関」というのは「南端編」でふれた勿来関、白河関と、この鼠ヶ関になる。勿来関、白河関は奥州だが、鼠ヶ関は羽州になるので、正確にいえば「奥羽三関」なのだが、昔から「奥州三関」といわれている。
「念珠関址」のある鼠ヶ関の交差点から地つづきの弁天島へ。右手に鼠ヶ関の漁港、左手に「マリンパーク鼠ヶ関」を見ながら走り、弁天島の入口でDRを停める。漁港の岸壁では獲れたばかりのイカを干している。弁天島入口の土産物店の名物は「イカの一夜干し」だ。
弁天島は天然の防波堤。そのおかげで鼠ヶ関漁港があるようなものだ。弁天島入口の厳島神社に参拝し、島一周の遊歩道を歩く。一周500メートルほど。島の西端の岩場には灯台。金比羅さんをまつる小さな祠もある。突端の岩場に立つと、何隻もの漁をしている小舟を見る。岩ガキ漁をしているのだ。