カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[98日目]

投稿日:2018年5月1日

大井川沿いに北上する

本州西部編 49日目(2007年2月27日)

 舘山寺温泉「山長旅館」の朝湯に入り、ご飯、味噌汁、湯豆腐、イカ刺し、タコ、シラス、半熟卵、オクラ、のり、漬物の朝食を食べる。いつもの3杯目はシラス飯、さらに4杯目のたまごご飯を食べた。きっとやどの女将に「あの客はよく食べる客だ」といわれることだろう。デザートは「三ヶ日みかん」だ。

 9時20分、出発。舘山寺温泉から浜松西ICで東名に入り、掛川ICで降りる。

 第1湯目は遠州の名湯、法泉寺温泉。法泉寺の前に2軒の宿があるが、そのうちの「滝本館」の湯に入った。内風呂の「岩風呂」に入ったが、ガラス張りの浴室からの眺めは一幅の絵画のようだった。

 第2湯目はくらみ温泉。ここでは創業が明治27年という老舗旅館「真砂館」の湯に入った。男湯は清掃中だったが、女湯はすでに清掃が終わっているとのことで、女湯に入らせてもらった。花粉症はいよいよ最高潮。目がかゆくてかゆくてどうしようもない。我慢できずにかきむしりながら、「こんなことをしていたら、失明してしまう…」といった不安にかられる。それでも温泉に入りつづける。

 第3湯目は倉真赤石温泉。舗装林道を登っていった山中に、ポツンと一軒宿の「倉真赤石温泉」がある。ここは自然度満点の温泉。小さな湯船の湯につかりながら山また山の風景を眺めた。湯から上がると昼食。「しし鍋定食」を食べた。かみごたえのある猪肉が野生を感じさせた。このあたりにはイノシシが多く生息しているという。

 掛川に戻ると国道1号で金谷へ。そこからは大井川沿いに北上する。

 第4湯目は川根温泉「ふれあいの泉」。湯はにごり湯。大浴場と露天風呂。露天風呂には2つの湯船。ここは人気の温泉で混んでいた。

 第5湯目は千頭温泉「旬」。食堂の中にあるこじんまりとした温泉には、とっても気分よく入れた。店のおばちゃんはあたたかみのある人だった。

 第6湯目は白沢温泉「もりのいずみ」。大浴場と大露天風呂。石造りの大露天風呂の湯につかりながら、真下を流れる大井川の清流を眺めた。

 第7湯目の寸又峡温泉へ。大井川の本流から支流の谷に入っていく。目のくらむような谷の深さ、険しさ。夕暮れの峡谷を走り、トンネルを抜け出ると、突然という感じで寸又峡温泉の温泉街に入っていく。ここには名物湯の「露天風呂」があるが、すでに営業を終えていた。そこで「露天風呂」に隣あった温泉旅館「朝日山荘」の湯に入った。小さな内風呂だけだが、自分一人で入るのには十分な大きさ。湯にはぬめりがあり、肌がツルツルしてくる。湯は石の湯船からあふれ出ている。

 大井川の支流から本流に戻ると、第8湯目の接祖峡温泉へ。大井川をせき止めた長島ダムを通っていくが、ライトアップされた巨大ダムは迫力満点。接祖峡温泉に到着すると、共同浴場「接祖峡温泉会館」の湯に入った。石造りの湯船。なめらかな肌ざわりの湯。地元の人たちが次々にやってくる。入浴客のみなさんは全員が顔見知りだ。

「接祖峡温泉会館」の湯から上がると宿探し。時間はすでに19時30分。できることなら安倍川上流の梅ヶ島温泉に泊りたかったが、この時間では無理。梅ヶ島温泉の温泉宿に次々に電話してみたが、すべて断られた。

 それならばと安倍川上流のコンヤ温泉、わらびの温泉、さらには油山温泉と電話しまくったが、やはり宿はとれなかった。

「もう、これが最後」というつもりで焼津くろしお温泉の「かんぽの宿 焼津」に電話すると、うれしいことに宿泊OK。「山の温泉」が一転して「海の温泉」に変わった。

 千頭に戻ると、そこからは国道362号で峠を越えて静岡へ。静岡からは国道150号で焼津へ。「かんぽの宿 焼津」に到着したのは21時30分。ほっとした気分で8階の展望大浴場の湯につかり、焼津の夜景を眺めた。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 舘山寺温泉「山長旅館」
朝食 舘山寺温泉「山長旅館」 ご飯、味噌汁、湯豆腐、イカ刺し、タコ、シラス、半熟卵、オクラ、のり、漬物
9時20分 舘山寺温泉「山長旅館」を出発
886湯目 法泉寺温泉「滝本館」(1000円)
森の都温泉「ならここの湯」 定休日で入れず
887湯目 くらみ温泉「真砂館」(1000円)
888湯目 倉真赤石温泉「倉真赤石温泉」(1050円)
昼食 倉真赤石温泉「倉真赤石温泉」 「しし鍋定食」(800円)
889湯目 川根温泉「ふれあいの泉」(500円)
890湯目 千頭温泉「旬」(500円)
891湯目 白沢温泉「もりのいずみ」(500円)
892湯目 寸又峡温泉「朝日山荘」(500円)
893湯目 接祖峡温泉「接祖峡温泉会館」(300円)
夕食 接祖峡温泉「接祖峡温泉会館」 「カップラーメン」(150円)、さつま揚げ(200円)
21時30分 焼津くろしお温泉「かんぽの宿 焼津」(1泊朝食6660円)
894湯目 焼津くろしお温泉「かんぽの宿 焼津」
本日の走行距離数 251キロ
本日の温泉入浴数 9湯

舘山寺温泉「山長旅館」の朝湯に入る「山長旅館」の朝食「山長旅館」を出発

舘山寺温泉「山長旅館」の朝湯に入る 「山長旅館」の朝食 「山長旅館」を出発

法泉寺温泉「滝本館」「滝本館」の湯森の都温泉「ならここの湯」は定休日で入れず

法泉寺温泉「滝本館」 「滝本館」の湯 森の都温泉「ならここの湯」は定休日で入れず

くらみ温泉「真砂館」の湯倉真赤石温泉への道「倉真赤石温泉」の湯

くらみ温泉「真砂館」の湯 倉真赤石温泉への道 「倉真赤石温泉」の湯

「倉真赤石温泉」の「しし鍋定食」川根温泉「ふれあいの泉」千頭温泉「旬」

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「旬」の湯「旬」の露天風呂に入る大井川の風景

「旬」の湯 「旬」の露天風呂に入る 大井川の風景

白沢温泉「もりのいずみ」又峡温泉「朝日山荘」の湯接祖峡温泉「接祖峡温泉会館」

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「接祖峡温泉会館」で夕食。カップラーメンとさつま揚げを食べる

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