カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[185日目]

投稿日:2019年4月20日

宮城県に入った

本州東部編 11日目(2007年6月30日)

 福島駅西口の「東横イン」の朝食(おにぎり)を食べ、8時に出発。

 第1湯目は飯坂温泉。福島交通の終点、飯坂温泉駅前の芭蕉像にあいさつし、共同浴場「鯖湖湯」に入った。石造りの湯船、石の洗い場。高温湯なので湯から上がるころにはフラフラ状態だ。

 第2湯目は穴原温泉。ここでも共同浴場の「天王寺穴原湯」に入った。地元のみなさんでけっこう混みあっていた。ここの源泉は60度。湯船の湯は猛烈に熱い。だが誰も水を入れようとはしない。平然とした顔つきで超高温の湯につかっている。「水なんか入れたら恥」といった空気が浴室内を流れている。ぼくも「よーし!」と気合を入れて高温湯につかった。ちょっとでも動くと「熱さ」が「痛み」に変わるので、微動だにしないで湯につかった。「動かないこと」、これが高温湯に入る唯一の方法。「今日は50度になっていないから楽だ」といった声も聞かれるが、「天王寺穴原湯」は究極のヤセ我慢の世界!?

 穴原温泉からは摺上川沿いに走る。

 第3湯目は広瀬温泉。摺上川ダムのすぐ下にある日帰り湯「もにわの湯」に入った。大浴場と露天風呂。無色透明の湯はジャスト適温。2湯連続の高温湯のあとだけに、普通に入れる「もにわの湯」がありがたかった。

 湯から上がると、隣の「霧華亭」で昼食にする。ここは手打ちの十割そばの店。「そばランチ」を食べた。ざるそばに舞茸の混ぜご飯のおにぎりがついている。手打ちの「茂庭そば」には「あ!」と驚いた。腰の強さと麺の弾力性に驚かされたのだ。十割そばというと、そば粉だけなのでプッツン、プッツンと切れることが多い。だがここの十割そばにはそれがなかった。粉の良さもあるのだろうが、それ以上にそば打ちの技術の高さを感じるのだった。

「もにわの湯」を出ようとしたところで、仙台からヤマハのFZ750を走らせてきた「ホリゴメさん」に出会った。「カソリさん、捕まえましたよ〜!」とホリゴメさんのうれしそうな声。このあとホリゴメさんとは信夫温泉、高湯温泉の2湯をめぐった。

 第4湯目の信夫温泉では山間の一軒宿「のんびり館」の湯に入る。屋根つきの露天風呂。目の前は新緑から深緑に移り変わっていく山の風景。石造りの湯船につかりながら「ホリゴメさん」との「湯の中談義」。ホリゴメさんは何とカソリ本を20冊以上も読んでくれている。「300日30000湯」が始まると、1日もか欠かさずにサイトを見てくれている。それだけではない。温泉大好きのホリゴメさんはそれ以降、入った温泉をカウントし、ナンバーをふっているという。ちなみに信夫温泉は52湯目。湯から上がると、大広間で差し入れの「野菜生活」で乾杯!

 第5湯目の高湯温泉では日帰り湯の「あったか湯」に入った。土曜日ということで混みあっていた。きれいな白濁の湯。湯から上がると、休憩室でホリゴメさんとしばし語り合う。その最中、近くにいた赤ちゃん連れの女性に声をかけられた。「きよさん」だ。「きよさん」は「カソリさんに会えてうれしい!」といって喜んでくれた。赤ちゃんの「なつきちゃん」は1才。「子供を育てながらバイクに乗っています」。「きよさん」はゼファー750とXR100に乗っている。そこへご主人の「真一郎さん」がやってきた。「真一郎さん」は「きよさん」に輪をかけてバイク大好き。スポーツスター、Beta250、バイアレス、モンキーを所有している。「きよさん」&「真一郎さん」、それと「ホリゴメさん」とでもう大盛り上がり。そんなみなさんの見送りを受けて高湯温泉を出発したが、後髪を引かれるような思いだった。

 第6湯目は微温湯温泉。奥羽山脈の山中の一軒宿「二階堂旅館」の湯に入る。「微温湯」どおりの温湯に入る。大きな木の湯船。すぐ隣にはポリ風呂の熱めの湯もある。この温湯は不思議な湯だ。入っているときは寒くなるほどだが、湯から上がると体の芯がジワーッ、ジワーッとあたたかくなってくる。微温湯温泉を最後に福島県の温泉めぐりを終えた。

 福島からは羽州街道で小坂峠を越え、宮城県に入った。

 第7湯目は白石湯沢温泉「やくせん」の湯。内風呂のみ。湯口からは勢いよく湯が湯船に流れ込んでいる。飲泉可でここの湯の飲泉効果は大きいという。

 第8湯目は小原温泉「かつらや旅館」の湯。大浴場と露天風呂。高温湯で源泉の泉温は62・3度。露天風呂からは白石川の渓流を真下に眺める。

 第9湯目は鎌先温泉「木村屋旅館」の湯。5階の展望風呂に入った。大浴場と露天風呂。露天風呂の湯は鉄分を多く含んだ濁り湯だ。鎌先温泉にはツバメが多く飛びかっていた。ツバメが多いということは、温泉街の人たちがツバメを大事にしているからで、鎌先温泉にはきっといいことがあると思うのだった。

 20時、遠刈田温泉に到着すると、まずは和風レストラン「正六」で夕食にする。「牛タンラーメン」を食べた。そのあとで今晩の宿、「あづまや旅館」に行った。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝食 「東横イン」 おにぎり
8時 出発
1862湯目 飯坂温泉「鯖湖湯」(200円)
1863湯目 穴原温泉「天王寺穴原湯」(200円)
1864湯目 広瀬温泉「もにわの湯」(250円)
昼食 広瀬温泉の「霧華亭」 そばランチ(780円)
出会い ホリゴメさん
1865湯目 信夫温泉「のんびり館」(775円)
1866湯目 高湯温泉「あったか湯」(250円)
出会い 友田夫妻
1867湯目 微温湯温泉「二階堂旅館」(500円)
小坂峠(峠越え)
宮城県に入る
1868湯目 白石湯沢温泉「やくせん」(500円)
1869湯目 小原温泉「かつらや旅館」(500円)
1870湯目 鎌先温泉「木村屋旅館」(500円)
夕食 遠刈田温泉の「正六」 牛タンラーメン(950円)
20時 遠刈田温泉「あづまや旅館」(1泊朝食9075円)
1871湯目 遠刈田温泉「あづまや旅館」
本日の走行距離数 163キロ
本日の温泉入浴数 10湯

「東横イン」の朝食飯坂温泉「鯖湖湯」穴原温泉「天王寺穴原湯」

「東横イン」の朝食 飯坂温泉「鯖湖湯」 穴原温泉「天王寺穴原湯」

広瀬温泉「もにわの湯」「霧華亭」の「そばランチ」広瀬温泉でのホリゴメさんとの出会い

広瀬温泉「もにわの湯」 「霧華亭」の「そばランチ」 広瀬温泉でのホリゴメさんとの出会い

信夫温泉「のんびり館」への吊り橋「のんびり館」の湯高湯温泉「あったか湯」で出会った友田夫妻

信夫温泉「のんびり館」への吊り橋 「のんびり館」の湯 高湯温泉「あったか湯」で出会った友田夫妻

微温湯温泉への道最後はダートに突入微温湯温泉「二階堂旅館」

微温湯温泉への道 最後はダートに突入 微温湯温泉「二階堂旅館」

「二階堂旅館」の湯福島・宮城県境の小坂峠を越える白石湯沢温泉「やくせん」

「二階堂旅館」の湯 福島・宮城県境の小坂峠を越える 白石湯沢温泉「やくせん」

小原温泉「かつらや旅館」鎌先温泉「木村屋旅館」「木村屋旅館」の湯

小原温泉「かつらや旅館」 鎌先温泉「木村屋旅館」 「木村屋旅館」の湯

遠刈田温泉「正六」の「牛タンラーメン」

遠刈田温泉「正六」の「牛タンラーメン」    

Comments

Comments are closed.