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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

10月12日

投稿日:2009年10月13日

一関駅前の「東横イン」の朝食を食べ、7時30分、出発。R4で平泉へ。

まずは義経最期の地、高舘義経堂へ。そこで「義経北行伝説」に思いを馳せながら、眼下を流れる北上川を眺めた。次に達谷窟へ。そそりたつ絶壁の岩窟には毘沙門堂がまつられている。断崖には高さ16・5メートルの「岩面大仏」。巨大な磨崖仏の顔だけははっきりとわかる。そのあと毛越寺、中尊寺とまわった。平泉からR4を北上。水沢、北上、花巻と通り、盛岡へ。

盛岡では盛岡城跡の岩手公園を歩き、本丸跡に立った。ここにはほんとうに何もない。城跡の一角にある桜山神社を参拝。本殿の裏手にある大岩の烏帽子岩がすごい。この大岩は盛岡の守り石になっているという。盛岡からさらにR4を北上。石川啄木の故郷、渋民では「石川啄木記念館」を見学。啄木の生涯がよくわかる。敷地内には旧渋民尋常小学校の移築された校舎。ここは啄木の母校であるのと同時に、啄木が代用教員として教壇に立った学校だ。記念館の隣りには宝徳寺。ここは啄木が幼年期を過ごした寺。最後に啄木の歌碑が建つ渋民公園に行った。そこからは岩手のシンボル、岩手山がよく見えた。

R4の十三本木峠(中山峠)下で国道を離れ、旧奥州街道に入っていく。旧道には北上川源流の泉。そこには御堂観音がまつられている。北上川源流を過ぎると、ゆるやかな峠にさしかかり、そこには奥州街道の一里塚があった。R4に戻ると十三本木峠を越える。標高458メートルで、R4の最高地点になっている。一戸、二戸と通り、岩手県から青森県に入っていく。三戸では旧道で町中に入り、城山公園に行った。ここは三戸城跡。城跡の古社、糠部神社を参拝した。日が落ちると、ガクッと気温が下がる。冷たい風を切り裂いて走り、五戸、十和田、七戸と通り、19時、青森駅前に到着。

東京から1168キロの青森到着だった。青森駅から青森港のフェリー埠頭へ。22時15分発の津軽海峡フェリーの「びなす」にスズキDRーZ400Sともども乗船。1時 55分に函館港に到着。すぐさま函館駅前まで行き、「さー、北海道一周だ!」と、新たなる出発の儀式をするのだった。

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