カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

森林鉄道蒸気機関車『雨宮21号』

投稿日:2010年4月16日

 北見からは国道39号→国道242号で遠軽へ。
 北海道遺産の森林鉄道蒸気機関車『雨宮21号』が走る丸瀬布の森林公園「いこいの森」に行く前に、スズキDR?Z400Sを走らせて、国道沿いに延びる遠軽の町を端から端まで走ってみる。
 ぼくは遠軽がものすごく好きだ。北海道のほかの町と比べて、とくにどうということもないのだが、その名前の「エンガル」に心ひかれるのだ。地名に酔うとでもいうのだろうか。遠軽に来ると、
「あー、今、自分は北海道にいる!」
 という気分になれる。
「エンガル」はアイヌ語の「エンガルシュベ」(眺望するところ)に由来するとのことだが、その名の通り、町を一望する「ガンボウ岩」の展望台がある。

北海道初の国産蒸気機関車

 さて、北海道遺産だ。

乗場に停車中の「雨宮21号」


森林公園「いこいの森」のある上武利の紅葉
家族連れなどを乗せて「雨宮21号」、発車!


 遠軽からは国道242号→国道333号で丸瀬布へ。
 丸瀬布の町中から道道1070号を10キロほど行くと、上武利の森林公園「いこいの森」に到着。道のすぐ脇が「雨宮21号」の乗場になっている。親子連れなどの乗客を乗せると、汽笛を鳴らし、煙をたなびかせてゆっくりと走り出した。2キロのコースを15分ほどかけて一周する。その間には橋梁もある。
「雨宮21号」は4月下旬から10月下旬までの土、日、祝日に運転されているが、すごくラッキーだったのはその日は10月18日の日曜日で、動いている姿を見ることができた。
「雨宮21号」は東京の雨宮製作所で製造された森林鉄道用の11トンの蒸気機関車で、北海道では初の国産蒸気機関車ということになる。昭和3年に「丸瀬布⇔武利意」間の武利意森林鉄道を走り、国有林から伐りだされた丸太や生活物資の運搬をしてきたが、昭和36年に廃止。それ以降、動態保存され、「森林公園いこいの森」内の運転をつづけている。
 家族連れに喜ばれるだけではなく、鉄道ファンにとってはまさに憧れの存在で、遠方からの多くの人たちがやってくるという。
 そんな「雨宮21号」を見たあとは、乗場前にあるやまびこ温泉「やまびこ」とさらに奥にある丸瀬布温泉「マウレ山荘」の2湯に入った。
「やまびこ」には大浴場と露天風呂があるが、ともに無色透明の湯。大浴場には泡湯や寝湯、打たせ湯がある。「マウレ山荘」にも大浴場と露天風呂。こちらもともに無色透明の湯で、PH8.7のアルカリ性の湯だ。
「雨宮21号」の勇姿を見届けたあとの温泉はいいものだ。

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