第68回 雪彦峰山林道
投稿日:2011年3月17日
2010年 林道日本一周・西日本編
関西圏では林道の舗装化が急速に進んでいる
八鹿(養父市)から国道9号を行き、とがやま温泉「天女の湯」、関宮温泉「万灯の湯」の2湯に入り、関宮から県道714号で加保坂峠に登っていく。峠に到達するとスズキDR-Z400Sを停め、
「さー、行くぞ!」
と声をかける。
いよいよここからは何本もの林道を走りつないでいくのだ。加保坂峠はその入口だ。
まずは相地轟林道。加保坂峠から稜線上を行く林道だが、残念…、全線が舗装化されていた。T字でぶつかる天谷尾ノ谷林道を南側に下っていったが、この林道も全線が舗装路になっていた。
「おー、これが関西…」
と思わず声が出る。
関西圏では紀伊半島も北近畿も、林道の舗装化が急速に進んでいる。
県道48号に出ると、播但(播磨・但馬)国境の中央分水嶺の峠、若杉峠を越え、養父市から宍粟市に入る。
峠を下ってすぐに左折し、志倉道谷林道に入っていく。舗装路がつづき、
「またか…」
という思いにとらわれたが、県道から1・9キロ地点でダートに突入し、ほっとした気分になる。荒れ気味のダートを飛ばし、峠を越えて7・4キロのダート区間を走り、国道429号に出た。志倉道谷林道はこのエリアで唯一のダートらしいダートだ。
国道429号のすぐ近くにある一宮温泉「まほろばの湯」(入浴料600円)に入る。大浴場と露天風呂の湯は塩分を含んだ湯。かなりきつい消毒剤の臭いがするが我慢、我慢。湯から上がると国道429号経由で山間の千町の集落へ。そこから千町段ヶ峰林道に入っていく。ここもまさかの全線舗装化…。
ススキの大草原が広がる砥峰(とのみね)高原に出ると峰山林道に入っていく。峰山林道も舗装化が進んでいるが、3・4キロと1・1キロの2区間のダートが残っていた。全線の舗装化が間近な峰山林道だ。
ダート4・4キロの峰山林道を走りきると、県道8号の坂の辻峠に出る。そこからは雪彦峰山林道に入っていく。かつては20キロ超のロングダートの雪彦峰山林道だが、ここも全線舗装…。
「あー」
と、出るのはため息ばかり…。
「こういうときは温泉だ!」
とばかりに雪彦温泉(入浴料700円)と香寺温泉「香寺荘」(入浴料700円)の湯に入った。
雪彦温泉は「日本三彦山」のひとつ、雪彦山(せっぴこさん・915m)山麓の温泉。大浴場と露天風呂の湯には気持ちよく入れた。なお「日本三彦山」というのは「九州編」でまわった福岡の英彦山(ひこさん)と新潟の弥彦山(やひこさん)になる。3山ともに日本の修験道の霊山だ。
香寺温泉の「香寺荘」は「300日3000湯」のときにひと晩泊まった温泉宿で、大浴場と露天風呂の湯につかりながら、何ともいえないなつかしさを感じた。
香寺温泉の湯から上がると、但馬街道の国道312号に出、福崎の町並みを走り抜けて北へと走る。朝来市に入るとまもなく生野(いくの)。この生野の町並みを抜け出たところが中央分水嶺の名無し峠だ。どこが峠なのか、わからないままに通り過ぎてしまうような峠だが、ここは重要なポイントだ。
生野の名無し峠を越え、ゆるやかな峠道を下り、円山川沿いに走り和田山(朝来市)に出た。
ここでは和田山温泉「奥香の湯」(入浴料600円)に入る。高級感の漂う各種湯船。無色透明の湯は温め。湯から上がると「鍋焼御膳セット」(1100円)を食べた。
和田山からは国道9号のナイトラン。夜久野峠を越えて兵庫県から京都府に入る。
福知山、亀岡と通り、老ノ坂峠を越え、22時30分、京都に到着。四条大宮の「東横イン」に泊まった。
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