東北を走ろう! 中央分水嶺編
投稿日:2011年4月30日
大人のバイク旅2010『旅人のまほろば・みちのくへ』八重洲出版より
[]はツーリングマップル東北の索引符号。カソリング編集部にて加筆
東北の中央分水嶺とは?
2009年の晩秋、東北の中央分水嶺の峠を越えながら、東京から青森まで走った。
中央分水嶺というのは北海道の宗谷岬から九州の佐多岬まで、途切れることなくつづく1本の線。この線を境にして日本列島は太平洋側と日本海側に二分される。日本列島の一番大きな境目といっていい。
そのうち東北の中央分水嶺というのは、北からいうと津軽半島北端の龍飛崎から八甲田山へとつづき、そこからは東北地方を南北に縦断して走る奥羽山脈がそれになる。
東北の背骨の奥羽山脈は、東の太平洋側と西の日本海側の、2つの世界にきれいに分けている。「奥羽」の名前にしても、太平洋側の奥州(陸奥)と日本海側の羽州(出羽)を合わせた合成語で、まさに東北そのものだ。
奥羽山脈は八甲田山から南へ。
岩手・秋田の県境を成し、栗駒山から南は宮城・山形の県境を成し、吾妻山から南は福島県を太平洋側の中通りと日本海側の会津に分けている。
那須岳からは帝釈山脈となり、東北と関東を分けている。
これら奥羽山脈の節目、節目となる八甲田山や栗駒山、吾妻山、那須岳はすべて那須火山帯の火山。蔵王や八幡平も火山だ。奥羽山脈というのは、那須火山帯とぴったりと重なり合っている。
そのためうれしいことに、奥羽山脈のいたるところで温泉が湧き出ている。東北の名湯の大半は奥羽山脈の周辺に集中している。
帝釈山脈の峠越え
さて、東北の中央分水嶺の峠越えだが、東京を出発すると首都高→東北道→日光宇都宮道路で今市へ。今市から国道121号を北上していく。鬼怒川温泉、川治温泉と過ぎると、前方には関東と東北を分ける帝釈山脈の山々が立ちふさがるように連なっている。
まずは帝釈山脈の峠を越えていくのだ。
栃木・福島県境の山王峠[2B-7]を越える。峠のトンネルを抜けるとそこは奥会津。
「東北に入った!」
という実感がする。冬だと栃木県側に雪がなくても、福島県側は吹雪いているということがよくある。福島県側のアイスバーンでステーンと転倒し、痛い目にもあっている
この中央分水嶺の峠、山王峠を境にして世界は大きく変わる。
中央分水嶺というのは繰り返していうが、日本列島を太平洋側と日本海側に二分している。山王峠を境にして南は太平洋側世界。川は男鹿川→鬼怒川→利根川となって銚子で太平洋に流れ出ていく。山王峠を境にして北は日本海側世界。山王川→阿賀川→阿賀野川となって新潟で日本海に流れ出ていく。
関東から奥会津に入ると自然が変るだけではない。
時間がゆったりと流れるようになり、うまいそばや山菜料理を食べられるようになる。出会う人たちの心のあたたかさに触れて感動することも多くなる。
山王峠を下り、国道352号との分岐点まで行ったところで、折り返した。
ふたたび山王峠を越え、川治温泉まで戻ると、次に湯西川温泉へ。帝釈山脈の林道の峠越を開始する。
共同浴場の湯につかり、さっぱりしたところで、安ヶ森林道に入っていく。かつての栃木県側のスリッピーなダートも今では舗装。安ヶ森峠[2G-1]を越えて福島県側に入るとダートになった。15・3キロのダートを走りきり、国道352号に出た。
つづいて旧舘岩村(現南会津町)の湯ノ花温泉でも共同浴場の湯に入り、田代山林道に入っていく。一気にダートを上りつめ、福島・栃木県境の田代山峠[2D-2]に到着。峠からは帝釈山脈の山々、さらには那須連峰の山々を望む。絶景峠だ。ここで見た雲海の風景は忘れられない。
田代山林道の栃木県側は崩落が相次ぎ、しばしば通行止めになっていた。それが見違えるほど道がよくなり、舗装区間が何ヵ所もできていた。近い将来、全線が舗装路になってしまうのか…。2009年の時点では24・5キロのダートだった。
最後は川俣檜枝岐林道。奥鬼怒の川俣湖にかかる川俣大橋のわきから入っていく。オフロードファンにはたまらないロングダート。川俣湖畔を離れ、帝釈山脈の馬坂峠[2B-3]に向かっていく。峠近くでは熊に遭遇。一瞬、ヒヤッとしたが、驚いたのは熊の方であわてふためいて藪の中に飛び込んでいった。
川俣大橋から26・5キロのダートを走り、栃木・福島県境の馬坂峠に到達。ここは帝釈山脈の主峰、帝釈山のすぐ近くで、頂上までは1キロもない。峠は絶好の帝釈山の登山口になっている。馬坂峠からさらに11・0キロのダートを走り、桧枝岐の国道352号に出た。
これら3本の林道での帝釈山脈越えはじつに心に残るもの。
関東から東北へ、東北から関東へ、そしてまた関東から東北へ。
それぞれのエリアの境目がよくわかる。
「東京→青森」の第1日目は檜枝岐に近い木賊温泉に泊まった。
奥羽山脈を北へ
木賊温泉からは国道352号→国道121号で南会津の中心、田島を通り下郷へ。そこからは国道289号で全長4345メートルの甲子トンネルで甲子峠[8F-3]を越えていく。一昨年に完成した甲子トンネルのおかげで、「下郷?白河」間は、一年中通行できるようになった。東北の新たなルートの誕生!
白河まで行くと、もう一度、甲子トンネルを走り抜けて下郷に戻った。
今度は旧道で甲子峠を越えるのだ。草木のおい茂る旧道を上り、甲子峠に到達。会津側の眺めがいい。このあたりが奥羽山脈の南端になる。甲子峠の下りはもう地獄…。道幅は狭く、大石がゴロゴロしている。きつい、きつい…。途中、2度も転倒し、からくも国道289号に出た。
白河からは奥羽山脈の峠を越えながらジグザグと北上していく。
県道37号で真名子峠[8I-2]を越えて羽鳥湖に出、国道118号で鳳坂峠[8J-1]を越える。
国道294号で勢至堂峠(トンネル)[13J-6]を越え、県道6号で三森峠(トンネル)[13L-4]を越え、郡山で出る。
これら中央分水嶺の奥羽山脈の峠を越えるたびに、
「今、太平洋側!」、
「今、日本海側!」
と嬉しさを込めて、自分自身にいい聞かせるように声を出す。
峠を境にして天気はガラリと変わる。
太平洋側は晴天で抜けるような青空。ところが日本海側は時雨模様で、何度となく黒雲が押し寄せ、その下に入るとザーッと雨が降った。
郡山からは国道49号で中山峠(トンネル)[13L-1]を越えて猪苗代湖畔に出る。
国道49号といえば、真冬に「いわき→新潟」の全線を走ったことがある。「いわき→郡山」間は寒さは厳しかったがまったく雪はなかった。中山峠に近づくと雪景色になり、峠を越えると、福島・新潟の県境を越えるまで吹雪だった。そんなシーンが思い出されてくる。
猪苗代からは国道115号で土湯峠(旧道)[19B-2]を越える。峠近くには何湯もの温泉があるが、そのうちの1湯、赤湯温泉に泊まった。「赤湯」の名前どおりに、内湯の湯の色は赤い。それに対して露天風呂の湯はミルク色をしている。内湯は炭酸泉、露天風呂は硫黄泉と、泉質が違うのだ。
福島・山形県境の峠おもしろ地帯
土湯峠から福島に下ると、国道13号で米沢に向かう。栗子峠[24C-4]に向かっての長い登り坂がつづく。
東栗子トンネルを抜け、板谷大橋を渡ったところで山形県に入る。ここでは県境は峠ではなく川。峠はまだその先で、栗子峠を越えたところで西栗子トンネルに入り、米沢へと下っていく。
国道13号の福島・山形の県境だが、県境を越えてすぐに左折する道が滑川温泉から姥湯温泉へとつづく道。このエリアは中央分水嶺の峠を見るのにはじつにおもしろい。
JR奥羽本線の板谷駅前を通り過ぎ、そのまま県道232号を行けば、中央分水嶺の板谷峠[24B-4]を越えて米沢へと下っていく。
板谷峠の手前で左折する道が滑川温泉、姥湯温泉への道。まずは名無し峠を越えるが、この峠は中央分水嶺の峠になっている。峠を下り、T字の交差点を右に行くと、JR奥羽本線の峠駅に出る。つまり板谷駅は太平洋側、峠駅は日本海側ということになる。
峠駅前の茶屋で「峠の力餅」を食べ、滑川温泉へ。
その途中でもうひとつの中央分水嶺の峠、萱峠[24B-4]を越える。
萱峠を下ったところが滑川温泉。つまり滑川温泉、姥湯温泉は太平洋側なのだ。
山形県はほぼ全域が日本海側世界だが、この一帯のみは太平洋側世界になる。本来ならば福島県になるところが、山形県になっている。きっと廃藩置県のころに何かあったのだろう。
ところでバイクを走らせながら、これらの中央分水嶺の峠をきちんと確認できるようになれば、もう立派な峠専門家。このエリアは中央分水嶺の峠の教科書のようなもので、峠を知るのには絶好のエリアといえる。
滑川温泉、姥湯温泉の2湯に入り、国道13号に戻り、栗子峠を越えて米沢盆地の中心、米沢に下った。
最古の峠が最新の峠
米沢からは国道13号→国道113号で山形・宮城県境のニ井宿峠[29C-5]を越える。比較的越えやすい峠なので、奥羽を結ぶ峠の中では国道286号の笹谷峠[33I-6]と並び、最も古い歴史を持っている。ここでのおすすめは旧道沿いにある「峠の茶屋」。ここの「峠の力餅」はボリューム満点だ。
ニ井宿峠を越えるとすぐに県道13号との分岐点に出るが、左折するこの道が奥州街道と並ぶ東北の二大街道のひとつの羽州街道になる。
宮城・山形県境の金山峠[29C-4]のすぐ近くには「鏡清水」が湧き出ている。江戸時代、参勤交代の大名行列がこの峠を越えた。そのとき、お姫さまが清水の水面を鏡がわりにして髪の乱れを直したのでこの名があるという。
峠を越えた山形県側の楢下宿には脇本陣の「滝沢屋」が残っていて、今は羽州街道の資料館になっている。ここではバイクを停めよう。一見の価値あり!
金山峠を下った上山では上山温泉の共同浴場に入り、県道12号で蔵王に向かっていく。山形・宮城県境の刈田峠[29H-2]の駐車場にバイクを停め、リフトで刈田岳の山頂へ。
「これぞ東北!」
の大絶景で、最高峰の熊野岳をはじめとする蔵王の山々を一望し、神秘的なエメラルドグリーンの水をたたえる御釜を見下ろす。
刈田峠を下った遠刈田温泉からは国道457号→国道286号で宮城・山形県境の笹谷峠[33I-6]へ。旧道に入り、笹谷峠の頂上に立った。
その名の通り、峠を覆いつくすクマザサが風に揺れてカサカサ鳴っている。山形県側の眺めはすばらしいもので、飯豊連峰から朝日連峰へとつづく山並みが幾重にも重なっている。
笹谷峠は奥羽を結ぶ峠の中でも最古の歴史を持っている。有耶無耶の関跡も近くにある。そんな最古の峠の真下を山形自動車道の笹谷トンネルが貫いている。
このあたりが峠のおもしろさ。一番古い峠の真下を、一番新しい峠道が通っている…。
これは東名の日本坂トンネルや中央道の小仏トンネル、恵那山トンネル…などでもあてはまること。日本坂は日本武尊伝説の峠だし、小仏峠は甲州街道の旧峠、恵那山トンネルの真上は中山道以前の東山道の神坂峠になる。
古代日本人、恐るべし。彼らはきわめて優れた方向感覚を持ち、最短ルートを歩き、最短ルートの峠を越えていた。
笹谷峠の九十九折の峠道を下って山形へ。
山形からは国道13号→国道48号で山形・宮城県境の関山峠(トンネル)[33L-1]を越え、仙台へと下った。仙台からは国道4号→国道47号で鳴子温泉郷へ。「東京→青森」の第3日目は東鳴子温泉に泊まった。
奥羽山脈を境にしての奥羽の違い
東鳴子温泉からは国道47号で宮城・山形県境の中山峠[46A-4]を越える。
ここは「奥の細道」の舞台。宮城県側の峠下には「尿前関の跡」があるし、峠上には「封人の家」がある。
つづいて県道63号で山形・宮城県境の花立峠[45L-2]を越える。峠からは鬼首を一望。その中央には荒雄岳がそびえている。鬼首温泉郷は火山、荒雄岳の賜物だ。
国道108号に出ると、旧道(長らく通行止めがつづいたが2009年は通行可だった)で宮城・秋田県境の鬼首峠[50L-6]を越え、南東北から北東北に入っていく。
国道108号→国道13号で湯沢へ。
湯沢からは国道398号で秋田・岩手県境の花山峠[51D-4]、国道342号で秋田・岩手県境の栗駒峠[51F-3]、国道397号で秋田・岩手県境の大森峠(トンネル)[56E-5]と、奥羽山脈の3峠に立った。これら3峠はすべて「峠返し」。県境で折り返した。
というのは2008年の岩手・宮城内陸地震の影響で、太平洋側は通行止めがつづいていたからだ。
岩手・宮城内陸地震の2ヵ月後に宮城・岩手・秋田の3県を走ったことがある。
興味深かったのは宮城・岩手の太平洋側はいたるところで通行止めだったが、宮城・岩手同様、激しく揺れた秋田県側には通行止め区間はほとんどなかったことだ。これも奥羽山脈をはさんでの奥羽の違いのひとつといえるだろう。
そのときは太平洋側にしばしば冷害をもたらす「ヤマセ」に見舞われた。
太平洋からは冷たい海霧がどっと押し寄せ、奥羽山脈まで、奥州の山野を一面に覆いつくしていた。夏だというのに、バイクに乗っているとブルブルッと震えてしまうほど寒かった。
それが奥羽山脈の峠を越えて秋田県側に入ると、天気は劇的に変った。
まるで何事もなかったかのように、カーッと真夏の太陽が照りつけていた。ヤマセに痛めつけられる奥州と、ヤマセとは無縁の羽州。その境が奥羽山脈の峠であることがよくわかる光景。
ヤマセが峠を越えていくことはない。奥羽山脈を境にしての、奥州と羽州のあまりにも大きな違いに驚かされたのだった。
分断峠から奥羽を結びつける峠へ
大森峠からは国道397号→国道342号で十文字に下り、国道13号で横手へ。
横手からは国道107号で秋田・岩手県境の巣郷峠[56D-1]を越える。平坦な峠で峠上には巣郷温泉があり、温泉宿が点在している。日帰り湯の「峠の湯」もある。峠上の温泉というのは、「峠のカソリ」にとっては何とも心ひかれるものがある。
巣郷峠は奥羽山脈の峠の中でも、トンネルなしで通年通行できる数少ない峠のひとつ。その理由は標高296メートルという高度の低さにある。雪にはそれほど影響されない。
巣郷峠を下った湯田からは県道1号→県道46号で岩手・秋田県境の仙岩峠[67G-1]へ。
全長2544メートルの仙岩トンネルを抜けて秋田県に入る。
仙岩峠の標高は836メートル。その571メートル地点がトンネルの入口。峠の頂上よりもはるか下の地点で峠を貫くトンネルのおかげで、国道46号は一年中、通れるようになっている。
仙岩トンネルの完成は1976年。
それ以前の国道46号は仙岩峠の北の国見峠[67F-1]を越えていた。積雪が3、4メートルにも達する豪雪の峠で、そのため冬期間、国道は閉鎖されていた。
このように奥羽山脈の峠の大半は冬期間の通行は不能で、長い間、奥州と羽州は分断されていた。それがトンネルの完成によって通年通行可能になり、奥羽を分断する峠は次々に奥羽を結びつける峠に変わっていった。
仙岩峠を越えると、国道46号→国道341号→県道23号(アスピーテライン)で八幡平へ。秋田・岩手県境の見返峠[73H-1]の駐車場にバイクを停め、岩手山を眺めたあと、八幡平の山頂まで遊歩道を歩いた。
アオモリトドマツの原生林。遊歩道沿いには八幡沼やガマ沼、めがね沼、鏡沼などの火山湖があり、目を楽しませてくれる。30分ほど歩くと山頂。展望台からは八幡平とその周辺を一望する。
八幡平とその周辺はまさに火山の宝庫で、様々な火山を見られる。八幡平は盾状火山のアスピーテ型、岩手山は成層火山のコニーデ型、焼山は釣鐘状火山のトロイデ型、モッコ岳はアスピーテとトロイデの組み合わさったアスピトロイデ型と、この狭いエリアにひととおりのタイプの火山がそろっている。
そのため秋田県側には蒸ノ湯温泉、大深温泉、後生掛温泉、岩手県側には藤七温泉、松川温泉など数多くの温泉がある。
青森に到着。さらに北へ!
八幡平を下り、国道282号(津軽街道)に出ると、北へ。
青森へと向かっていく。
東北道に沿って走り、安代の町並みを走り抜けると、中央分水嶺の貝梨峠[79M-2]を越える。
峠を越えたところには分水嶺公園があり、モニュメントが建っている。この貝梨峠は岩手県内で、秋田県境まではまだかなり遠い。本来ならばこの峠が県境になってもおかしくないのだが、おそらく藩政時代の盛岡・南部藩と秋田・佐竹藩の力関係で、峠を越えたその先までが岩手県になっているのではないか…と推測した。
貝梨峠を下って秋田県に入る。
東北道の十和田ICを過ぎたところで国道103号に入り、中央分水嶺の発荷峠[84H-1]へ。発荷峠は十和田カルデラ外輪山の峠。そのほか十和田カルデラ外輪山の中央分水嶺の峠というと御鼻部山の峠[89I-4]、滝ノ沢峠[89G-5]、鉛山峠[89G-6]、見返峠[89K-7]がある。
十和田湖をめぐっては長年、県境が確定していなかったが、一昨年、137年ぶりに県境が確定した。境を決めるというのは、それほどまでに大変なこと。明治、大正、昭和を経て、平成になってやっと定まった。
発荷峠の展望台から十和田湖を見下ろしたあと、十和田湖畔に下り、国道454号でもうひとつの中央分水嶺の峠、滝ノ沢峠へ。ここでも展望台から十和田湖を見下ろしたが、発荷峠からの眺めの方がはるかに上だ。発荷峠は秋田県だが滝ノ沢峠は秋田・青森の県境になる。
滝ノ沢峠を下り黒石へ。そして国道7号で青森に向かった。その途中で奥羽山脈最後の中央分水嶺の峠となる大釈迦峠[93L-3]を越えた。ここより北は津軽半島の津軽山地になる。
東京を出発してから4日目、青森に到着。
夜の青森駅前でバイクを停めたが、胸にジーンとくるものがあった。
青森駅前のビジネスホテルに泊まり、翌日はさらに北へ、津軽半島に入っていく。
県道26号の峠、県道2号の峠を越え、国道280号で蟹田へ。
陸奥湾の蟹田から県道12号で中山峠[96I-2]を越え、国道339号で十三湖を見ながら走り、日本海に出る。いよいよゴールの龍飛崎が近い。
小泊からは龍泊ラインと呼ばれる絶景路を走る。日本海の海岸線を離れ、展望台のある跳瞰台まで登っていく。そこが東北の中央分水嶺の峠の最後になる。跳瞰台からは稜線上を走り、龍飛崎へと下った。
龍飛崎の展望台に立つと、津軽海峡対岸の北海道が大きく見える。北海道最南端の白神岬もはっきりと見えている。東北を南北に縦断する中央分水嶺の1本の線は、白神岬からさらに北へ、北海道最北端の宗谷岬へとつづいている…。
東北の中央分水嶺マップ
1 | 龍泊ラインの峠 | 青森県 |
---|---|---|
2 | 増泊林道の峠 | 青森県 |
3 | やまなみラインの峠 | 青森県 |
4 | 県道2号の峠 | 青森県 |
5 | 県道26号の峠 | 青森県 |
6 | 大釈迦峠 | 青森県 |
7 | 県道27号の峠 | 青森県 |
8 | 入内峠 | 青森県 |
9 | 国道394号の峠 | 青森県 |
10 | 御花部山の峠 | 青森県 |
11 | 滝ノ沢峠 | 青森県・秋田県 |
12 | 鉛山峠 | 秋田県 |
13 | 発荷峠 | 秋田県 |
14 | 見返峠 | 青森県・秋田県 |
15 | 国道454号の峠 | 青森県・秋田県 |
16 | 県道21号の峠 | 青森県 |
17 | 国道104号の峠 | 青森県 |
18 | 道前田山林道の峠 | 青森県・岩手県 |
19 | 貝梨峠 | 岩手県 |
20 | 鍋越峠 | 岩手県 |
21 | 見返峠 | 岩手県・秋田県 |
22 | 国見峠 | 岩手県・秋田県 |
23 | 仙岩峠 | 岩手県・秋田県 |
24 | 真昼岳林道の峠 | 岩手県・秋田県 |
25 | 萱峠 | 岩手県・秋田県 |
26 | 白木峠 | 岩手県・秋田県 |
27 | 三森山林道の峠 | 岩手県・秋田県 |
28 | 南本内林道の峠 | 岩手県・秋田県 |
29 | 大森峠 | 岩手県・秋田県 |
30 | 栗駒峠 | 岩手県・秋田県 |
31 | 花山峠 | 宮城県・秋田県 |
32 | 鬼首峠 | 宮城県・秋田県 |
33 | 花立峠 | 宮城県・山形県 |
34 | 中山峠 | 宮城県・山形県 |
35 | 田代峠 | 宮城県・山形県 |
36 | 鍋越峠 | 宮城県・山形県 |
37 | 関山峠 | 宮城県・山形県 |
38 | 二口峠 | 宮城県・山形県 |
39 | 笹谷峠 | 宮城県・山形県 |
40 | 刈田峠 | 宮城県・山形県 |
41 | 舟引山の峠 | 宮城県・山形県 |
42 | 金山峠 | 宮城県・山形県 |
43 | 二井宿峠 | 宮城県・山形県 |
44 | 鳩峰峠 | 宮城県・山形県 |
45 | 栗子峠 | 山形県 |
46 | 板谷峠 | 山形県 |
47 | 板谷駅?峠駅間の峠 | 山形県 |
48 | 萱峠 | 山形県 |
49 | 湖見峠 | 福島県 |
50 | 土湯峠 | 福島県 |
51 | 母成峠 | 福島県 |
52 | 三河小田川林道の峠 | 福島県 |
53 | 中山峠 | 福島県 |
54 | 御霊櫃峠 | 福島県 |
55 | 三森峠 | 福島県 |
56 | 諏訪峠 | 福島県 |
57 | 勢至堂峠 | 福島県 |
58 | 鳳坂峠 | 福島県 |
59 | 県道58号の峠 | 福島県 |
60 | 真名子峠 | 福島県 |
61 | 西部林道の峠 | 福島県 |
62 | 甲子峠 | 福島県 |
63 | 大峠 | 福島県・栃木県 |
64 | 大川林道の峠 | 福島県・栃木県 |
65 | 山王峠 | 福島県・栃木県 |
66 | 安ヶ森峠 | 福島県・栃木県 |
67 | 田代山峠 | 福島県・栃木県 |
68 | 馬坂峠 | 福島県・栃木県 |