カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

第144回 鶴岡

投稿日:2011年11月2日

2010年 林道日本一周・東北編

多層民家「旧渋谷家住宅」が興味深い

 酒田から国道7号で鶴岡へ。
 鶴岡の町に入り、中心街の鶴岡公園でビッグボーイを停める。
 鶴岡は酒井氏13万8000石の城下町。鶴岡公園はその城跡だ。鶴岡公園に隣接する致道博物館を見学。博物館の敷地内に移築された旧鶴岡警察署庁舎や旧西田川郡役所、田麦俣の旧渋谷家住宅などを見てまわる。
 とくに興味深かいのは田麦俣の多層民家。その案内板には次のように書かれている。

「田麦俣は湯殿山麓の村落で、全国でも有数の豪雪地帯である。江戸時代には出羽三山参詣のための道者宿をしたり、強力や馬子をして生活していたが、明治維新後、宗教集落的な性格を失い、わずかな田畑を耕し、養蚕・炭焼を生業とするようになった。
 この地方の代表的な当建築はそのため創建当初の寄棟造りの破風窓のある妻の部分を切り取り、養蚕場として十分な採光通風の窓としたので、現在のような美しい輪郭と反りを持った『かぶと造り』という独特な外観の民家ができ上がった(後略)」

 鶴岡からは国道345号を南下。国道7号の1本山側を通る国道345号は連続する峠越えルート。まずは鬼坂峠(トンネル)を越え、つづいて楠峠(トンネル)、一本木峠、関川峠(トンネル)を越える。
 関川峠を越えた関川は日本の古代織の「しな織」の伝わる集落。「しな織」というのはしなの木の樹皮を使った織物。そんな「しな織」を織っている「しな織の里ぬくもり館」を見学した。
 関川からは超狭路の国道345号で日本海側の鼠ヶ関(ねずがせき)に出る。ここは「奥羽三関」のひとつ。国道7号の脇には「念珠関址」の碑が建っている。
 ここ鼠ヶ関には関所跡が2ヶ所ある。古代の関所跡と近世の関所跡。碑が建っているのは近世の方で、慶長年間(1596年〜1614年)から明治5年(1872年)まで設置されていた。ということで古代の関所を「鼠ヶ関」、近世の関所を「念珠関」と書き分けて区別している。
 鼠ヶ関の鮮魚料理店「番屋」で昼食。まずはお目当ての岩ガキを食べる。特大が850円。
「クワー、たまらん!」
 と思わず声が出る。
 そのあとメバルの「焼き魚定食」(1800円)を食べた。
 鼠ヶ関の海の幸に大満足し、国道7号で県境を越え、新潟県に入った。

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今回のエリア:昭文社ツーリングマップル東北 49→44→43→37

酒田→鶴岡→関川→鼠ヶ関

鶴岡の致道博物館を見学
移築された田麦俣の多層民家


鶴岡からは国道345号を南下
鬼坂峠


楠峠
一本木峠


関川峠
「しな織の里ぬくもり館」


しな織の機織
しな織の製品の数々


しな織の工程
鼠ヶ関の「念珠関跡」碑


鼠ヶ関の「番屋」で昼食
岩ガキを喰らう!


メバルの「焼き魚定食」
国道7号の山形・新潟県境


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