カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

環日本海ツーリング[3]

投稿日:2012年2月15日

濃厚な味わいの岩ガキが忘れられない

 勝木ゆり花温泉「ゆり花会館」の湯から上がると、勝木から国道7号を北上。スズキDR-Z400Sを走らせ、府屋を通り、県境を越えて新潟県から山形県に入る。
 国道7号の旧道で鼠ヶ関の町に入っていく。「奥羽三関」のひとつで知られている「鼠ヶ関」だが、国道7号沿いには「念珠関跡」の碑が建っている。ここには慶長年間(1596年?1615年)から明治5年まで、念珠関が置かれた。それ以前の「奥羽三関」の鼠ヶ関は今の山形・新潟の県境あたりだったという。

国道7号を北上
新潟県から山形県に入る


旧道で鼠ヶ関へ
鼠ヶ関の町並み


 鼠ヶ関の町から漁港へ。何年か前に食べた「岩がき」が思い出される。
 その時、鼠ヶ関漁港の岩場では岩ガキ漁をしていた。素潜りの漁師さんが海に飛び込んでは海底の岩ガキを鉄製の鉤でとり、船にくくりつけた浮輪に入れていく。ここでの岩ガキ漁は「海士(あま)漁」だ。岩ガキをとるのは男性のみで、女性はやらない。
 その取れたての岩ガキを国道7号沿いの「番屋」という店で食べたのだ。
 大きな岩ガキにはレモンが添えられている。ひと口、口に入れたときの濃厚な味わいは忘れられない。日本海の海の香りが口の中、いっぱいに広がる。レモンを絞ってかけるまでもなく、生の、そのままがいい。潮味が最高の調味料になっている。フライにしたり、焼いたりすることもあるが、岩ガキはやはり生で食べるのが一番だ。

鼠ヶ関漁港
鼠ヶ関の「番屋」で食べた岩ガキ(2008年撮影)


 今回もそんな思い出の「番屋」で日本海の魚介料理を食べようとしたのだが、残念、店は閉まっていた…。
 温海温泉のある温海を通り、日本海のシンボル的存在の立岩の脇を走り、波渡崎まで来ると鳥海山が見えてくる。JR羽越本線の三瀬駅前でDRを停め、三瀬海岸へ。そこには注連縄の張られた夫婦岩がある。国道7号に戻ると、「サンクス」の「幕の内弁当」を食べた。

鼠ヶ関から見る日本海
日本海のシンボル、立岩が見える


鳥海山が見えてくる
JR羽越本線の三瀬駅


三瀬の海岸
三瀬の「サンクス」で夕食


 三瀬から由良へ。国道脇の展望ポイントからは由良の町並みを一望。そこから海岸に下り、由良温泉の「サンリゾート庄内」に飛び込みで行くと、うまい具合に泊まれた。ラッキー!
 さっそく大浴場の湯につかる。湯につかりながら暮れゆく日本海を眺めた。海の見える温泉は最高だ。

由良の町並みを見下ろす
由良温泉「サンリゾート庄内」に泊まる


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