カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

環日本海ツーリング[15]

投稿日:2012年2月27日

日本海の水平線に奥尻島が浮かんでいる

 八雲町の熊石を出発。国道229号を北上。左手の日本海を見ながらスズキDR-Z400Sを走らせる。水平線上には長々と奥尻島が横たわっている。

熊石を出発
日本海沿いの国道229号を行く


熊石の日本海。水平線上に奥尻島が見える


 せたな町の大成まで行くと国道229号は日本海の海岸を離れ、太櫓越峠を越える山道になる。そのまま海岸を行く道は道道740号で、太田漁港で行き止り。その先は北海道本土最西端の尾花岬になる。
 大成から太櫓越峠に向かっていく途中で国道を右折し、秘湯の臼別温泉へ。3キロほどのフラットダートを走ると無人の入浴施設「湯とぴあ臼別」に到着。料金箱に100円を入れ、男女別の露天風呂に入った。にごり湯で飲泉可。体の芯からあたたまる湯。ほかに入浴客もいないので、体を思い切り伸ばして湯につかり、山の空気を存分に吸った。

臼別温泉「湯とぴあ臼別」
臼別温泉「湯とぴあ臼別」の湯に入る


 湯上がりのいい気分で国道229号に戻ると太櫓越峠のトンネルを抜け、北檜山を通り瀬棚へ。瀬棚では瀬棚港の岸壁まで行ってみる。ここから奥尻島へのハートランドフェリーが出ている。
 瀬棚からさらに国道229号を北上。狩場山地が大断崖となって日本海に落ちる茂津多岬へ。岬のトンネルの手前で左に入っていく道は断崖上の茂津多岬灯台への道。この灯台は海面からの高さが290メートルで日本一。

瀬棚の日本海


瀬棚海岸の三本杉岩
瀬棚海岸の岩場で漁をする船


 全長1947メートルの茂津多トンネルを抜け出たといころには「茂津多岬」の石碑が建っている。
 茂津多岬は神威岬、雄冬岬とともに「蝦夷三険岬」といわれた。岬の近海は波が荒く、まさに日本海の難所で船乗りたちに恐れられた。帆船時代、この岬沖を通過するときは帆を降ろし、藁人形とお神酒を神に捧げ、安全を祈願したという。

「蝦夷三険岬」の茂津多岬に到着!
茂津多岬の突端


島牧の日本海
波ひとつない日本海


 茂津多岬からはさらに狩場トンネル(1648m)、兜岩トンネル(1371m)、白糸トンネル(1806m)と1000メートル級の連続するトンネルを抜け、茂津多海岸に出た。

茂津多海岸温泉の湯に入る

 茂津多海岸では茂津多海岸温泉の一軒宿、「モツタ海岸温泉旅館」(入浴料500円)の湯に入る。大浴場と露天風呂の湯につかりながら日本海を見る。ここの湯はにごり湯で源泉100パーセント、循環ナシ、消毒剤ナシのすごくいい湯だ。それだけではなく、高濃度の放射能泉で万病に効くという。「日本三大ラジウム泉」の三朝温泉(鳥取)、増富温泉(山梨)、栃尾又温泉(新潟)をはるかに上回る放射能濃度だという。

Comments

Comments are closed.