環日本海ツーリング[103]
投稿日:2012年6月27日
アムール川に別れを告げ、シベリアを南下する
ハバロフスク出発の朝。
夜明けとともに起き、ロシア正教のウズベンスキー教会前の広場から石段を下り、アムール川の河畔を歩いた。アムール川の上空には大きな月が浮かんでいた。
「これが最後だ!」とアムール川の流れをしっかりと目に焼きつけ、「ホテルインツーリスト」に戻り、バイキング形式の朝食を食べた。
8時、出発。
ハバロフスク市内のガソリンスタンドで給油し、ウラジオストクに通じるM60(国道60号)を南下。2車線の舗装路で交通量はけっこう多い。
ビッグバイクに乗ったツーリングライダーも見かける。荷物満載の「シベリア横断中」を思わせるバイクともすれ違った。
ビッグバイクでのツーリングライダーを見ると、ロシアでのこの10年あまりでの経済的な発展を強く感じた。2002年の「ユーラシア横断」ではツーリングライダーを見ることはほとんどなかった。
ところでM60は「ハバロフスク→ウラジオストク」間の幹線国道だが、ウラル山脈以東のシベリア横断ルートは東麓のチェラビンスクから日本海のウラジオストクまではM51→M53→M55→M58→M60と5本の国道でつながっている。
M51は「チェラビンスク→ノボシビルスク」、M53は「ノボシビルスク→イルクーツク」、M55は「イルクーツク→チタ」、M58は「チタ→ハバロフスク」、そしてM60が「ハバロフスク→ウラジオストク」になる。
シベリアにはもう1本、M56がある。
M56はスコボロディーノでM58と分岐し、ヤクーツクを通り、オホーツク海のマガダンに至るルート。いつの日か走破したいルートだ。
それにしてもロシアという国がいかにシベリアをおろそかにしてきたかが、これらM51からM60を見ればよくわかる。ウラル山脈以東の広大なシベリアには幹線国道はこれだけしかないのだ。そのシベリア横断国道にしても、全線が開通したのはつい最近のことでしかない。
同じロシアでもウラル山脈以西のヨーロッパ側になると、首都モスクワを基点にして放射状の幹線国道が四方八方に伸び、国土の10分の1にも満たないエリアに幹線国道が網の目状に張りめぐらされている。
2002年の「ユーラシア横断」では、ウラル山脈を境にしてのアジア側ロシアとヨーロッパ側ロシアのあまりの違いを見せつけられた旅でもあった。