カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 west[43]

投稿日:2013年1月11日

日本の多島海

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 松山からは国道196号で今治へ。北条を過ぎると瀬戸内海を見ながら走る。
 これが「海道ツーリング」の魅力というもので、潮風を浴びながらアドレスV125Gを走らせる気分はたまらない。
 今治の手前で国道196号を左折し、高縄半島に入っていく。広島県の竹原へのフェリーが出る波方港に寄ったあと、半島突端の大角鼻に立つ。展望台からの眺めは絶景。目の前には芸予諸島の島々がズラズラズラッと横たわっている。
 右手には愛媛県の伊予大島、大三島、正面には広島県の大崎上島、大崎下島、左手には広島県の上蒲刈島、下蒲刈島。そのほかにもいくつもの島々が見えている。それら芸予諸島の島々は重なり合い、どれがどの島なのか、島名を特定するのが難しいほど。20以上の島が見えているのは間違いない。
 大角鼻は芸予諸島を見るのには最高の展望台。
 日本の多島海、瀬戸内海を十分に実感できる風景だ。
 大角鼻からの眺めを目に焼き付けたところで波方港に戻り、海沿いの道を走り今治へ。
 目の前の来島海峡には来島が浮かんでいる。その向こうには海峡をまたいで伊予大島へと延びるしまなみ海道の来島海峡大橋が見えている。
 来島は豆粒のような小さな島だが、ここが中世の「来島水軍」の根拠地。島には城砦跡が残っている。来島海峡にはそのほかに小島、馬島、津島、大突間島、武志島、中渡島の島々があり、来島諸島と呼ばれている。
 来島への渡船の出る波止浜へ。時刻表を見ると、波止浜から来島までは所要時間は5分。料金は140円。「来島に渡ってみたい!」と思ったが、「また次の機会にしよう」と自分で自分に言い聞かせて諦めた。渡船はさらに小島に寄って馬島まで行っている。馬島までは20分、260円だ。
 波止浜には燈明台が残されている。それには次のような興味深い説明が書かれている。

奥深い入江が箱のような形をした波止浜湾は筥潟湾と呼ばれ、古くから帆船の重要な風待、潮待ちの良港で、戦国時代は来島水軍の船溜まりとして重要視され、天和3年(1683年)以降の塩田開発による町屋の増加、塩買船、塩田資材を供給する船の出入りが多くなり、港町として発展し、伊予の小長崎といわれるほどに成長した。
 元禄16年(1703年)には港の入口に出入船舶を監督する船番所が置かれ、船舶と他国者の出入りを厳しく取り締まり、船税の徴収にもあたった。今もその附近を御番所前と呼んでいる。この大燈明台は嘉永2年(1849年)に御番所前に建てられたもので、高さ約6メートルあり、海上の安全を祈願したもので、当時の波止浜の人々の意気を示している。明治35年(1902年)に現在地に移された。南面には嘉永己酉十月吉日、海上安全と彫られ、東面には金毘羅大権現と彫られている

 波止浜から造船所の前を通り、今治の中心街に入り、JR予讃線の今治駅前でアドレスを止めた。

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伊予鉄の道後温泉駅
松山は市電の走る町


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北条漁港
大角鼻の展望台


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大角鼻からの眺め
来島海峡に浮かぶ来島


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波止浜の燈明台
今治の造船所


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しまなみ海道の来島海峡大橋
JR今治駅前に到着


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