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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 west[131]

投稿日:2013年4月11日

時化を祈願する

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 10月25日。夜明けとともに浜比嘉島・比嘉の民宿「ゆがふの郷」を出発。スズキの125ccスクーター、アドレスV125Gを走らせ、比嘉の海岸へ。そこで太平洋に昇る朝日を見た。
 浜比嘉島では比嘉の「シルミチューの洞穴」と浜の「東(あがり)の御嶽」に行った。「シルミチューの洞穴」は、琉球の開祖、アマミチューとシルミチューの住んだ洞窟だといい伝えられている。毎年の年頭拝では比嘉のノロ(神事をつかさどる神職の女性)が、浜から小石1個を拾ってきて洞窟内の壺に入れて拝むという。洞窟内には女性器を象徴する鍾乳石の陰石があり、子宝を授かる霊石として崇拝されている。
 そんな「シルミチューの洞穴」には、遠方からも大勢の人たちがやってくる。ここは沖縄の聖地のひとつになっている。
「東の御嶽」では旧暦の6月28日と8月28日の年2回、「シヌグ祭り」がおこなわれる。その昔、戦いに破れた南山の平良忠臣の一行、7、8人がこの地に渡って身を隠し、島民に頼んで周囲を警戒させ、難を凌いだことに由来するという。海に生きる島で、その生業の妨げにもなる時化を祈願するという何とも不思議な祭りなのだ。
 こうして朝飯前にアドレスで走った浜比嘉島は、何とも心に残る島となった。

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浜比嘉島の夜明け
太平洋に昇る朝日


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比嘉の集落を見下ろす
「シルミチューの洞穴」の入口


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浜比嘉島側から浜比嘉大橋を見る
「東の御嶽」を参拝


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