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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 west[137]

投稿日:2013年4月17日

沖縄最古の城

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 津堅島から与勝半島の平敷屋港に戻ると、アドレスを走らせて勝連城址へ。
 丘陵地帯の山城の勝連城跡からは与勝半島を一望。平安座島や宮城島、伊計島、浜比嘉島、藪地島の島々がよく見える。海中道路も浜比嘉大橋もはっきり見える。
 目の向きを南に変えると、中城湾の埋立地が眼下に見え、その向こうには沖縄南部のゆるやかな丘陵が見えている。勝連城跡からの眺めは絶景だ。
 勝連城といえば「阿麻和利」の城。沖縄では最古の城になる。
 勝連城は13世紀から14世紀にかけて築城されたという。この城の最後の城主が阿麻和利だ。阿麻和利はクーデターを起こしてこの地方の按司(王)になり、琉球の統一を目指したが、1458年に琉球王府によって滅ぼされた。
 勝連城跡に立っていると、「ちへいせん・あしびなー」で見た平田大一さん演出の「肝高(きむたか)の阿麻和利」の舞台が鮮やかに目に浮かんでくる。「肝高」は「高貴」の意味で、「英雄阿麻和利」といったところだ。
 勝連城跡は首里城跡などとともに、「琉球王国のグスク(城)及び関連遺産群」として世界遺産(文化遺産)に登録されている。登録されたグスクの中で最も古いのがこの勝連城だ。
 感動の「勝連城址歩き」終えると、近くの「ピッコロ食堂」で昼食にする。「味噌汁」(500円)と「ソーキそば」(500円)を食べた。味噌汁には豚肉がごっそり入っている。ソーキそばには豚のあばら肉のソーキがのっている。
 沖縄の「食」で興味深いのは「汁」だ。
 食堂のメニューには、いろいろな汁がある。味噌汁もそのひとつ。といっても内地のような、小さな椀に入ったものではない。それだけで、おかずになるような汁なのである。豚肉や豆腐、青菜などの具がどっさり入って、大きな器に入って出てくる。飯と汁で十分なほど。まさに「一飯一汁」の食事で、日本の古い食事の形態を見るような思いがする。
 さらに汁でいえば、中味汁には豚の腸を輪切りにしたものが入っている。ソーキ汁には、豚のあばら肉が入っている。テビチ汁には、豚の骨つきのモモ肉が入っている。
「ピッコロ食堂」で食べた「みそ汁」も「ソーキそば」も豚肉料理だが、沖縄では豚はあますところなく食べつくされる。肉といえば豚を指すほどで、豚の角煮のラフティーや豚の耳皮のミミガー、顔皮のチラガーなど、豚肉料理は見事なほどに発達している。
 沖縄の豚は現在でこそ白豚だが、戦前までは黒豚(島豚)が一般的だった。その当時の養豚は、サツマイモ栽培と密接に結びついていた。ひと昔前まで沖縄の主食といえばサツマイモだったが、その皮が豚の格好の飼料になっていた。

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勝連城跡を歩く
勝連城跡からの眺め。正面に海中道路が見える


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勝連城跡からの眺め。中城湾が広がっている
「味噌汁」


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「ソーキそば」


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