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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 west[144]

投稿日:2013年4月24日

日本本土最南端

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 大隅半島南端の大泊から佐多岬に向かっていく。道路沿いの家では捕獲されたイノシシを見た。イノシシは檻の中で大暴れしている。佐多岬入口までの間では2度、道を横切るイノシシを見た。イノシシはアドレスのエンジン音に驚き、あわてた様子で逃げていった。豊かな樹林の残る佐多岬の周辺にはイノシシが多く生息しているようだ。
 この道はかつては有料の「佐多岬ロードパーク」で、今は無料になっている。北緯31度線を越えるが、その地点には「カイロ、ニューデリー、上海、ニューオリンズ」と、同緯度の都市名の書かれた木標が立っている。
 大きなガジュマルの木のある駐車場にアドレスを停め、歩行者専用トンネルの入口にある料金所で300円を払い、岬の突端へ。
 遊歩道の途中にある御崎神社を参拝。この御崎神社の祭神はイザナギ、イザナミの国生み伝説の男女神。航海安全、五穀豊穣、商売繁盛の神としてこの地方の人たちの厚い信仰を集めている。春秋の大祭には大勢の人たちがやってくるという。
 御崎神社からさらに歩き、日本本土最南端の佐多岬の展望台に立った。これで日本本土の最西端と最南端に立ったことになる。最果の地は旅人の心をひきつけるものだ。
 目の前の大輪島にある佐多岬灯台を見る。
 佐多岬灯台は慶応2年((1866年)5月、江戸幕府と米、英、仏、蘭の4ヵ国との間で取り決めた条約に基づいて、全国8ヶ所に設けられた灯台のひとつ。完成時は菜種油を使っていたという。
 なお、その8灯台というのは次のようなものだ。
 1、観音埼灯台 [神奈川](1869年初点灯)
 2、野島埼灯台 [千 葉](1870年初点灯)
 3、樫野埼灯台 [和歌山](1870年初点灯)
 4、神子元島灯台[静 岡](1871年初点灯)
 5、剣埼灯台  [神奈川](1871年初点灯)
 6、伊王島灯台 [長 崎](1871年初点灯)
 7、佐多岬灯台 [鹿児島](1871年初点灯)
 8、潮岬灯台  [和歌山](1873年初点灯)
 佐多岬の展望台からは、さらに南の島々が見えている。
 左手には長々と種子島が横たわっている。正面には屋久島がうっすらと霞んで見える。右手には三島村の竹島と硫黄島が見えているが、黒島は見えなかった。
 これらは今回の「日本一周」ではすべて行けなかった島々なので、
「行ってみたい!」
 という強い気持ちにかられた。
 佐多岬に立つと、奄美・沖縄から戻ってきたばかりだというのに、南の島々への夢が無性にかきたてられてくるのだった。

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佐多岬周辺の樹林
捕獲されたイノシシを見る


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佐多岬への道
佐多岬入口のガジュマルの巨木


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佐多岬への遊歩道
佐多岬の御崎神社


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佐多岬の展望台からの眺め
大輪島の佐多岬灯台


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