カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 west[158]

投稿日:2013年5月12日

日本一のフグ市場

山口←福岡←大分←宮崎←鹿児島←沖縄←鹿児島←熊本←長崎
←佐賀←福岡←山口←広島←岡山←兵庫←大阪←和歌山←徳島←香川←愛媛
←高知←徳島←和歌山←奈良←和歌山←三重←愛知←静岡←神奈川←東京

 彦島の荒田港を出発し、彦島北端の南風泊漁港へ。日本のフグの大半がこの漁港に水揚げされる。魚市場に隣合って航空貨物の会社が軒を並べているところが、いかにも南風泊漁港らしい。魚市場で競り落とされたフグは、すぐさま航空貨物で福岡空港から東京や大阪などの大消費地に送られていく。
 この南風泊漁港でのフグの競りを見るために下関に来たことがある。午前2時を過ぎると、もう市場は動き出し、午前3時には市場内に競りの開始のベルが鳴り響いた。南風泊漁港独特の競りの仕方で、布袋の中での競り人と仲買人の指のからみ合いで、トラフグ1ケースの値段が決まっていく。なお下関では「フグ」とは濁らずに「フク」といっている。フクは福を呼ぶ魚だという。
 南風泊漁港からは短い竹ノ子橋で竹ノ子島に渡った。小さな島の先端まで行くと、その先に浮かぶ六連島が見える。この島には下関港から連絡船が出ている。
 南風泊漁港に戻ると、次に彦島南端の田ノ首へ。そこからは関門海峡の対岸に北九州の小倉から戸畑にかけての町並みと工場群が見える。関門海峡を渡る関門海峡フェリーも見えた。
 彦島東端の三菱の造船所が尽きるところまで行くと、そこからは無人島の船島が見える。関門海峡に浮かぶ平坦な小島だ。関釜フェリーに乗って下関港を出港すると、この島のすぐわきを通っていく。関門海峡の対岸には門司の町並みが1本の線になって延びている。その背後には九州の山々が連なっている。船島は別名、厳流島。宮本武蔵と佐々木小次郎の対決でよく知られている。船島には佐々木小次郎の墓があるという。
 そして幅の狭い水路をまたぐ関彦橋を渡って下関へ。注意していないと、気がつかないままに下関に入ってしまう。関彦橋の北側には水門があって、時間帯によってはその上を通れる。彦島と下関はひとつづきの町のようなものだ。
 本州最西端駅の下関駅前から、関釜フェリーの出る下関港国際ターミナルへ。
 1971年を皮切りに、いままでに何度となく関釜フェリーに乗って韓国の釜山に渡った。2000年には釜山を出発点にして「韓国一周3000キロ」を走ったこともある。そんなシーンがなつかしく思い出されてくる。本州最西端の下関は、大陸への夢を限りなくかきたてられるところだ。

IMG_5509IMG_5510

彦島の荒田港を出発
彦島の南風泊漁港


IMG_5511IMG_5512

彦島と竹ノ子島を結ぶ竹ノ子橋
彦島と竹ノ子島の間の水路を漁船が通っていく


IMG_5513IMG_5516

彦島と下関を分ける水路。水門が見える
関釜フェリーのターミナル


Comments

Comments are closed.