カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 west[159]

投稿日:2013年5月13日

大陸への玄関口

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「下関探訪」はつづく。関釜フェリーのターミナルでしばし大陸への思いを馳せると、次に唐戸へ。大陸への玄関口を連想させる「唐戸」の地名がいいではないか。ここではアドレスを停めてプラプラ歩いた。
 唐戸一帯は鉄道の開通する以前は、下関一の繁華街だった。魚市場や百貨店、商店街があり、買い物客で賑わった。ここには文明開化の香りが漂う旧イギリス領事館の赤レンガの建物も残っている。かつてはイギリスのみならず、アメリカやノルウェーも下関に領事館を置いた。下関はそれほどまでに重要な関門海峡の港町だった。
 日清戦争の講和会議が開かれた下関の料亭「春帆楼」も唐戸の近くにある。
 明治28年(1895年)3月20日、ここで日本側全権の伊藤博文、陸奥宗光と清国側全権の李鴻章との間で講和会議が開かれた。その結果、3月27日には休戦協定が成立し、4月27日には講和条約が締結された。いわゆる「下関条約」だ。この条約の締結によって日本の朝鮮半島支配の基礎が固まり、大陸への進出に拍車がかかった。そして日本はまるで坂道を転がり落ちるかのように、帝国主義への道を突き進んだ。
 唐戸の桟橋からは門司港への連絡船が出ている。関門海峡に浮かぶ宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘の地、巌流島(船島)への船も出ている。
 下関の人気スポット「カモンワーフ」を歩き、唐戸市場へ。ここでは唐戸市場名物の好き勝手なネタを選べる「握りずし」を食べた。タイ、ヒラメ、ヒラマサ、カンパチ、サバ、アジ、アナゴ、赤イカ、これで1050円。あわせて下関名物の「ふく汁」(500円)を食べた。「ふく」はフグのこと。淡泊な味わいが心に残った。
 テーブルに座って握りずし&ふく汁を食べていると、
「カソリさん!」
 と声をかけられた。
 広島からやってきたライダーの島津孝宏・由希子さん夫妻。2人はBMWのR1100Rとハーレーのスポーツスター1200Cに乗っている。
 由希子さんは2000年にスズキのDJEBEL250XCで「日本一周」を成しとげた。ぼくも1999年にDJEBEL250GPSバージョンで日本一周4万キロを走っっているので、唐戸市場での話は弾んだ。
 さらに由希子さんには、
「カソリさんには会った事があるんですよ」
 といわれてビックリ。
 青森のねぶたで「ラッセーラー ラッセラー」の掛け声とともに跳ねた(踊った)とき、声をかけてくれたという。その人と今、下関で会っている。このような各地でのいろいろな人たちとの出会いが旅の一番の魅力といっていい。

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唐戸の桟橋
唐戸から巌流島に渡る人たち


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関門海峡の対岸に九州の山々を見る
唐戸の「ふく料理」の店


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「カモンワーフ」を歩く
唐戸市場


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唐戸市場の「握りずし」
唐戸市場の「ふく汁」


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