アドレス日本一周 west[161]
投稿日:2013年5月15日
海上をバイクで駆ける
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本州最西端の毘沙ノ鼻を出発。国道191号に戻ると、ゆるやかな梅ヶ峠を越える。国道沿いにはJR山陰本線の梅ヶ峠駅がある。「梅ヶ峠」で「うめがとう」と読む。
「峠」のことを西日本では「たわ」とか「たお」、「とう」という所が多い。
字も「峠」のほかに「垰」とか「乢」を使うことがある。
四国や九州になると峠を「と」という所がある。四国の「与作国道」で知られる国道439号の大峠は「おおと」だし、九州の五木村と泉村の境の子別峠は「こべっと」になる。「とうげ」は「手向(たむけ)」からきているという説がある。峠は神々が宿る「手向け」の地だからだ。出羽三山の拠点になっている羽黒山下の集落「手向」は、これで「とうげ」と読む。
峠は山の撓(たわ)からきているという説もある。撓とは山の尾根の低く窪んだ所で、いわゆる鞍部。ほとんどの峠道がそこを越えている。
峠の語源を考えるのはじつに興味深いことだ。それは無数の峠のある「峠の国・日本」ならではの楽しみともいえる。
国道191号を走り、特牛漁港でアドレスを止めた。
「特牛」は日本の難解地名。これで「こっとい」と読む。ほんとうに日本の地名は難しいとバイクを走らせながらいつも思う。
特牛から角島に向かった。
以前は特牛港から角島の尾山港に船が出ていたが、今は橋を渡っていける。
角島大橋で、角島に渡った。
「えー、これが無料!?」
と、思わず声が出そうになるほどの角島大橋だ。
何か、すごく得した気分。海士ヶ瀬戸をまたぐ角島大橋を走っていると、まるで海上をバイクで飛んでいるような気分になる。
角島は漁業の盛んな島。島の周辺にはブリやサバ、イカなどの好漁場がある。
角島は東西に細長い平べったい島。東の元山港、西の尾山港と2つの漁港に立ち寄り、島の北西端、夢ヶ崎の角島灯台まで行った。明治9年(1876)に建造された石造りの灯台。周辺は公園になっていてキャンプ場もある。この島は観光の島でもある。
ふたたび国道191号に戻ると、波静かな油谷湾に沿って走り、下関市から長門市に入った。