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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 west[163]

投稿日:2013年5月17日

鯨の位牌や過去帳のある島

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 川尻岬を出発し、油谷半島から国道191号に戻ると、深川湾沿いに走る。波静かな湾越しに青海島を見る。そして長門へ。
 長門に到着すると国道沿いの「さくら」という店で、長州地鶏の「焼き鳥」を食べた。5本で750円。淡泊な味わいの焼き鳥で、いくらでも食べられるという感じ。これを遅い昼食にした。長門は日本一の「焼き鳥」の町。焼き鳥店の数が人口比でいうと日本で一番多いという。
「長門の焼き鳥」に満足したところで、「仙崎かまぼこ」で有名な仙崎へ。長門から仙崎までは町つづき。仙崎瀬戸にかかる青海大橋で青海島に渡る。
 青海島は北長門国定公園の中心的な存在の島だ。すばしい風景が連続する。島の北側は断崖絶壁。洞門や奇岩怪石の連なる変化に富んだ海岸美がつづく。この風景は仙崎港の「仙崎シーサイドスクウエアー」から出る青海島一周の観光船「シータス」で見ることができる。
 青海島には島一周の道路がないので、県道283号で島東端の集落、通(かよい)まで行った。
 その途中では黒瀬峠を越えた。入江に下ったところには栽培漁業センターがあった。
 行き止まり地点の通漁港の「くじら資料館」(入館料200円)を見学。ここにはかつての捕鯨の道具類や捕鯨の方法、鯨の解体などの資料が展示されている。
 資料館に近い向岸寺には、なんと「くじら墓」があった。国指定の史跡になっている鯨墓には、鯨の胎児70数体が埋葬されている。鯨を供養する鯨塚は各地で見たことがあるが、鯨の墓を見るのは初めてだ。寺には墓だけでなく、鯨の位牌や鯨の過去帳もあるという。
 青海島は捕鯨の島。かつては長州捕鯨(沿岸捕鯨)の中心地だったが、この「くじら墓」を見ていると、青海島の漁民たちの鯨に抱いている気持ちがよく見てとれる。通を最後に青海島を離れ、仙崎から国道191号で萩に向かった。

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深川湾越しに見る青海島
長門の焼き鳥


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