カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 east[34]

投稿日:2013年8月23日

海のアルプス

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2008年11月26日

 宮古からは国道45号を北上。巨大な防潮堤で町を囲まれた田老を通り、小本川河口の小本に到着。ここでは一軒宿の小本温泉(入浴料500円)に入った。三陸海岸では数少ない本格派の温泉なので、国道45号を通るたびに入っている。食事ができるのもすごくいいし、宿泊したこともある。
 小本温泉の湯から上がると、しばし寒さを忘れてアドレスを走らせ、田野畑村に入る。ここから陸中海岸国立公園の海岸美を見ていく。
 岩手県の三陸海岸は日本一の海岸美を誇っている。そのうちの陸前高田市から久慈市までの海岸線が陸中海岸国立公園に指定されている。
 陸中海岸国立公園のシンボルといっていいのが田野畑村の鵜ノ巣断崖だ。
 鵜ノ巣断崖の展望台に立つたびに、ぼくは感動に襲われてしまう。
 切り立った断崖がそのままストンと海に落ち、はてしなく北につづいている。その風景はまさに「海のアルプス」だ。
 太平洋の荒波が断崖にぶつかり白い波しぶきを上げている。
「おー、これぞ三陸海岸!」
 とカソリ、まったく人影のない鵜ノ巣断崖で一人感動し、胸を震わせてしまうのだ。
 三陸海岸は宮古を境にして大きく地形が変わる。
 宮古以南は沈降海岸でリアス式の海岸線がつづく。それに対して宮古以北は隆起海岸で海岸段丘がつづく。鵜ノ巣断崖は宮古以北の隆起海岸に位置している。

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小本温泉の湯
鵜ノ巣断崖からの眺め


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