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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 east[62]

投稿日:2013年9月22日

日本本土の最東端

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2008年12月2日

 12月2日7時。根室駅近くの「あづまや旅館」の朝食。サケ、玉子焼き、サラダ、レンコンの煮物、煮豆、海苔をおかずに、いつものように3杯飯を食べ、7時30分に出発。路面には雪はないし、アイスバーンにもなっていない。天気も快晴だ。
 根室からは道道35号で根室半島を一周し、日本本土最東端の納沙布岬に向かう。
 気分が高揚する。
 納沙布岬への往路では根室半島の太平洋側を、復路では根室湾を走ることにする。
 途中、歯舞漁港に寄り、8時、納沙布岬に到着。根室駅前から24キロだ。
「日本最東端 納沙布岬」の碑の前でアドレスを止めた。日本本土最東端の碑の下には、「北緯43度23分07秒 東経145度49分01秒」と表示されている。
 日本の数ある岬の中でも、東西南北端の岬というのは、ひときわ感慨深いものがある。「日本最東端碑」の前ではガッツポーズ。「とうとう、ここまでやって来た!」という感慨に浸った。ここからは目の前の海(珸瑶瑁海峡)に浮かぶ北方領土の水晶島がよく見える。その手前には貝殻島が見える。
「日本最東端碑」の前から納沙布岬の灯台前へと場所を移す。
 1872年(明治5年)に初点灯という北海道最古の納沙布岬の灯台には霧信号、無線方位信号所が設置されている。納沙布岬の周辺は「ガス」と呼ばれる海霧の多発地帯で、とくに6月から8月にかけては60日を超えるほど。納沙布岬は「海霧の岬」として怖れられている。
 灯台の下は岩礁地帯。その向こうには北方領土の島々が浮かんでいる。納沙布岬の灯台をまわり込んだ裏側は、北方領土の島々を見るのには最適のポイントだ。
「おー、こんなにも島が多いのか!」
 と驚かれるほど。「歯舞・色丹」でひとくくりにされてしまう歯舞諸島は群島だ。
 一番右に秋勇留島が見える。目を左側に移していくと、手前にある萌茂尻島が重なって見え、その左手には勇留島が見えている。その左手に貝殻島と水晶島、志発島がつづく。
 納沙布岬からわずか3・7キロの貝殻島はケシ粒のような小さい島。北海の波風にさらされてコンクリートがはげ落ち、ボロボロになって傾いている灯台が見える。傾いた灯台だけが海に浮かんでいるように見える。
 志発島がかすかに見える。目をこらしてやっと見える距離で、案内板によると25・5キロ、離れている。そして水晶島へとつづく。まっ平な島で、水平線上にべたっと寝そべるようにして横たわっている。
 納沙布岬に立つと、これら歯舞諸島のあまりの近さに驚かされてしまう。
 ところで納沙布岬は日本本土の最東端の岬だが、日本の最東端というと、東経153度58分の南鳥島(旧マーカス島)になる。ミクロネシアに近い太平洋の孤島で、東京都の小笠原村に属している。
 納沙布岬に立つと、あらためて「日本は広いぞ!」を実感する。

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「あづまや旅館」の朝食
納沙布岬に到着


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納沙布岬の緯度・経度
「日本最東端碑」の前から貝殻島と水晶島を見る


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納沙布岬の灯台
納沙布岬の岩礁


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納沙布岬の灯台から秋勇留島、萌茂尻島、勇留島の3島を見る


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