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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 east[73]

投稿日:2013年10月4日

北緯45度線を越える

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2008年12月3日

 オホーツク海の日の出岬を出発し、国道238号を行く。
 雄武の町中を走り抜け、雄武町から枝幸町に入る。
 枝幸は道南の江差と区別するため「北見枝幸」といわれることもある。
 枝幸町に入ると、「風烈布」という集落を通る。道北の厳しい自然を感じさせるような地名で、オホーツクから吹き付ける烈風を連想させる。
 国道238号から1本、脇の道に入ると、どこもブ厚いツルンツルンの氷道。アドレスで恐る恐る走ったが、枝幸のアイスバーンにはまったく歯が立たなかった。
 尻尾を巻いて、逃げるようにして国道238号に戻ったが、国道にはアイスバーンの区間はない。
 海側の枝幸の町をひとまわりしたあと、山側のバイパスを行く。
 高台にある枝幸温泉「ニュー幸林」(入浴料500円)の湯に入る。若干、黄色味がかった透明の湯。ガラス張りの浴室からは枝幸の町並みとその向こうに広がるオホーツクの大海原を眺めた。
 温泉で体をあたためると、「さー、また寒風を切り裂いて走っていこう!」という気になるから不思議だ。走り出すと、すぐに体の芯まで冷え切ってしまうのに…。
 枝幸のガソリンスタンドで給油する。
 GSの店主は寒さに震えるぼくを慰める(励ます?)かのように、コーヒーを入れてくれた。
「枝幸はそれほど寒くないよ。20度(氷点下)を超える日はほとんどない。これもオホーツクのおかげだな。歌登(枝幸に近い内陸の町)なんか、20度どころか30度(氷点下)にもなるよ」という。
 枝幸の町並みを過ぎると、北緯45度線を越える。そこには北緯45度線のモニュメントが建っている。いよいよ日本の極北の地に入っていくといった緊張感というか、高揚感を感じる。日本本土で北緯45度以北というのは、きわめて限られたエリアでしかない。
 一方、南の北緯30度線というのは日本本土最南端の佐多岬よりもさらに南で、屋久島とトカラ列島の間のトカラ海峡を通っている。

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国道238号で雄武の町に入っていく
枝幸のアイスバーンを走る


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枝幸温泉「ニュー幸林」
国道238号の北緯45度線を通過!


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