アドレス日本一周 east[78]
投稿日:2013年10月10日
サハリンへ
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日本最北駅のJR稚内駅を拠点にしてアドレスを走らせ、「稚内探訪」を開始する。
まずは稚内漁港に行き、稚内副港市場内にある「港のゆ」(入浴料700円)の湯に入る。大浴場と露天風呂。うす茶色の湯につかりながら、目の前の稚内漁港を見下ろした。今は閑散とした稚内漁港だが、館内に飾られているかつての写真はすごい。活気に満ちあふれた稚内漁港の岸壁には何隻もの漁船が接岸し、車が埋めつくし、トラックの荷台には水揚げされた魚が満載されている。稚内にこのような活気が戻る日を願うばかりだ。
「港のゆ」から上がると、稚内港の北防波堤ドームに行く。ここは我がなつかしの地だ。
1991年8月14日、ここから初めてサハリンに旅立った。
10時、稚内港のフェリーターミナルでの出国手続き。パスポートには「WAKKANAI」の文字の入ったスタンプがポンと押された。北防波堤ドーム前の岸壁に行くと、そこにはロシア船「ユーリー・トリフォーノフ号」(4600トン)が停泊していた。クレーン車がやってくると、相棒のスズキの250ccバイク、DR250SHを甲板につり上げる。それを見てすぐさま甲板に駆け登り、持ってきたロープでDRを甲板の手すりにくくりつけた。
10時30分、出港。稚内港が、稚内の町並みがあっというまに遠ざかり、「ユーリー・トリフォーノフ号」は宗谷海峡に出ていく。甲板に立ちつくし、右手に宗谷岬、左手に野寒布岬と稚内を取り囲む2つの岬を眺めつづける。そんな2つの岬も、いつしか水平線のかなたに消えた。
船内のレストランで昼食。スープ、グリーンピースを添えたハム、サラミ、塩ゆでしたエビ、鶏肉つきのライスを食べた。食後、甲板に上がると、サハリンの山々が手に届きそうなところにあった。
「ユーリー・トリフォーノフ号」は日本海を北上。夕暮れの迫るころ、ホルムスク(旧真岡)港に到着。稚内から8時間の船旅だ。ホルムスク港に上陸すると、サハリン州の州都、ユジノサハリンスクを目指して夜道を走った。
稚内港の北防波堤ドームに立つと、そんな1991年の「サハリン・ツーリング」の旅立ちのシーンが、まるで昨日のことのように鮮やかに蘇ってくるのだった。