カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 east[118]

投稿日:2013年11月29日

ここは本州の袋小路

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2008年12月12日

 津軽半島の国道280号を北上し、津軽海峡に出る。ここからは岬めぐりの開始だ。
 まずは小さな漁港の脇の弁天崎に立つ。猛烈な風が吹き荒れ、津軽海峡は白く波立っている。
 次に高野崎に立つ。岬の周辺は広々とした園地でキャンプ場になっている。売店や食堂もあるが、この季節は店を閉じ、人っこ一人いない。岬の突端には赤白2色の灯台。下の岩礁まで降りていける。
 高野崎からの展望はすばらしい。
 右手には下北半島がよく見える。下北半島の海岸線を一望。その左端が本州最北端の大間崎になる。下北半島の山々をバックにして青森から函館へと白いフェリーが進んでいる。そんな光景が旅心を刺激する。
 正面の波立つ津軽海峡越しに北海道を見る。津軽海峡口の恵山岬が霞んで見える。
 左手には津軽半島最北端の龍飛崎へとつづく海岸線を一望する。このように高野崎は絶景岬だ。さらにその先の鋳釜崎に立ち、ここでも津軽海峡を眺めた。
 袰月海岸の弁天崎、高野崎、鋳釜崎の3岬に立ったところで三厩へ。ここではJR津軽線の終着駅、三厩駅前でアドレスを止めた。
 三厩から国道339号で津軽半島最北端の龍飛崎に向かう。
 津軽半島最北端の龍飛崎には、岬の台地上に登る階段国道がある。もちろん車は通れない。日本で唯一の人道の階段国道だ。車で岬の台地上に登るときは、龍飛の集落の手前から自動車道で登っていく。
 階段国道を見たあとは、最果ての龍飛漁港を歩く。その行き止まり地点には、北津軽の金木で生まれた小説家太宰治の文学碑が建ち、『津軽』の一節が刻み込まれている。
「ここは本州の袋小路だ。読者も銘記せよ。(中略)そこに於いて諸君の路は全く尽きるのである」
 ぼくが初めて龍飛崎に来たのは1978年。「30代編日本一周」の時で、そのときの龍飛崎はまさに太宰治の言葉通りの袋小路。ここから来た道を戻るしかなかった。その後、国道339号が全線開通し、日本海側の小泊に抜けられるようになった。

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高野崎の灯台
高野崎から下北半島を見る


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高野崎の岩礁
高野崎から龍飛崎を望む


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津軽線の終点の三厩駅
三厩近くの漁村の船屋


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太宰治の文学碑
龍飛崎下の龍飛漁港


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