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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 east[160]

投稿日:2014年1月21日

「ENEOS」誕生の地

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2008年12月19日

 寺泊から海沿いの国道402号で出雲崎へ。ここは北国街道の宿場町。良寛和尚誕生の地としても知られているが、良寛堂に立つと、日本海の水平線上にはうっすらと佐渡が見えている。
 町並みの中央には芭蕉にちなんでの「芭蕉園」。そこには「荒海や 佐渡に横たふ 天の河」の句碑と芭蕉塚がある。芭蕉は出雲崎では商人宿の「大崎屋」に泊まったとのことだが、その家が「芭蕉園」の前に今でも残っているのがすごい。
 出雲崎は北国街道(北陸街道)の重要な宿場だけあって、芭蕉園のかたすみには「北陸街道人物往来史」が掲げられている。
 8世紀の養老年間にはじまり、明治期まで書き記されている。それには芭蕉はもちろんのこと、日蓮や上杉謙信、伊能忠敬、吉田松陰らが登場する。
 明治以降では油脈調査とか油田視察といった石油がらみの項目が目を引く。出雲崎は日本の石油産業発祥の地でもあるのだ。
「石油記念館」(入館料500円)を見学する。明治21年(1888年)に機械掘りによる石油採掘が成功し、明治24年(1891年)頃に最盛期を迎えた尼瀬油田が紹介されている。石油採掘用のヤグラが林立している海岸の風景は圧巻だ。
 現在の出雲崎の町並みをアドレスで走り抜けても、かつての石油に生きた町を偲ばせるものは何もないが、この町こそ我らツーリングライダーがいつも世話になる「ENEOS」誕生の地なのだ。

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出雲崎の町並みを見下ろす
出雲崎の中心街


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出雲崎の「芭蕉園」


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