アドレス日本巡礼[052]
投稿日:2014年5月27日
「有難い」という気持ち
四国八十八ヵ所めぐり 2009年4月17日
三坂峠を越えて松山市に入り、旧道で峠を下った。
三坂峠下では第46番の浄瑠璃寺を参拝する。
浄瑠璃寺は和銅元年(708年)に行基が開山。自ら寺の本尊の薬師如来像をつくったと、案内板に書かれている。
つづいて第47番の八坂寺へ。寺の創建は浄瑠璃寺よりも古く、大宝元年(701年)だと伝えられている。
八坂寺の参拝を終えると、浄瑠璃寺に戻り、門前の旅館「長珍屋」で泊まった。
大浴場の湯につかり、湯から上がると、大広間での夕食。50代の男性と一緒になった。その人は末期ガン。バリバリの会社人間だったということだが、末期ガンを宣告されたときは目の前が真っ暗になったという。それを機に四国八十八ヵ所の巡礼旅に出た。
札所巡りをするうちに、ずいぶんと変った自分を感じるようになった。
巡礼旅に出て「有難さ」がしみじみとわかったという。
食事の有難さ、人の親切の有難さ。
そのきわめつけは朝、起きたときだという。
毎朝、目を覚ますと、「あー、自分はまだ生きている!」と心底、有難くなるという。そして思わず手を合わせるという。この「有難い」という気持ちを持ったおかげで、「(寿命が)少し延びているようですよ」といって笑った。
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