カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

ツーリングマップル2015年版発売

投稿日:2015年4月1日

 大勢のツーリングライダーのみなさんにご愛用いただいている『ツーリングマップル』2015年版の発売が開始された。『北海道』、『東北』、『関東』、『中部』、『関西』、『中国・四国』、『九州・沖縄』の全7巻から成る『ツーリングマップル』だが、まずは書店に並んだ『ツーリングマップル』2015年版の全7巻を手に取って見てもらいたい。ぼくはそのうち、『ツーリングマップル東北』を担当している。その巻頭言では次のように書いている。

2014年の東北実走取材はスズキのV−ストロームとビッグボーイで走った。その皮切りは3月の「鵜ノ子岬〜尻屋崎」の往復。鵜ノ子岬は東北太平洋岸最南の地、下北半島突端の尻屋崎は東北太平洋岸最北の地になる。2011年3月11日の「東日本大震災」以降、大津波の被害を受けた東北太平洋岸の全域を見ようと始めた「鵜ノ子岬〜尻屋崎」は我がライフワークのようなもので、6月と8月にも走り、その回数は全部で10回を数えている。3月下旬には雪の奥会津を走った。奥会津はこの季節だとまだ冬同然。猛吹雪に見舞われて立ち往生したときは通りがかったパトカーのおまわりさんに助けられ、宿のご主人に車で迎えに来てもらった。東北のみなさんの心の温かさにふれた。4月には浜通りから阿武隈高地を走ったが、三春の滝桜が満開で大勢の人たちが花見に来ていた。5月には奥会津を再訪。山々の新緑の美しさといったらなく目にしみるようだった。6、7月には東北日本海側の全域を走り、そのあと羽州街道を走った。起点は福島の桑折宿、終点は青森の油川宿だ。8月には「林道走破行(東北南部編)」で福島県内の林道52本と、隣接する茨城県、栃木県、宮城県、山形県、新潟県と福島県を結ぶ峠越え林道12本を走った。9月には「東京〜青森」を往復し、さらに9月と10月の2度にわたって「福島一周」。「福島一周」では2度とも磐梯吾妻スカイライン、レークライン、磐梯山ゴールドラインの「福島三大ライン」を走破した。このように半年以上にわたって東北を駆けまわったが、走行距離は2万キロを超えた。この実走取材2万余キロで得た情報を『ツーリングマップル東北2015年版』に最大限に反映させている。7月の東北日本海側の全域走破では巣山カメラマンが同行してくれた。巣山カメラマン撮影の表紙や小冊子の素晴らしい写真の数々もぜひともじっくりと見てほしい。東北は北部も中部も南部も、太平洋側も日本海側も奥羽山脈も、どこをとっても魅力満載。我らツーリングライダーを夢中にさせるほどの魅力といっていい。さー、みなさん、『ツーリングマップル東北2015年版』を持って、東北を目指しましょう〜!

 一年間の実走取材の結果、完成した2015年版の『ツーリングマプル東北』だが、2014年の東北実走取材ではどのようにして東北をまわったのか、またぼく自身の東北への想い、ユーザーのみなさんへの想いがそれにはこめられている。

 昨年の実走取材では東北を2万キロ以上を走った。今年も3月11日には第11回目の「鵜ノ子岬〜尻屋崎」に旅立ち、往復3000キロ余りを走って帰ってきた。南では花粉症にやられ、北では凍傷にやられと惨々だが、無事に走り終えてほっとしている。

 4月には第12回目の「鵜ノ子岬〜尻屋崎」に旅立つ予定だ。

 東日本大震災の大津波で壊滅的な被害を受けた東北の太平洋岸だが、復興工事は各地で急ピッチでおこなわれている。3月1日に全線が開通した常磐道や開通区間がどんどんと延びている三陸道のように、新しい道も完成している。日々、大きく変わっているのが東北の太平洋岸で、その最新情報を次の2016年版に反映させるつもりだ。今年の実走取材でも東北を2万キロ以上は走りたいと思っている。

『ツーリングマップル東北』の膨大なコメントは、ぼく自身が実際にバイクを走らせて現地まで行き、そこで感じたことを書き込んだもの。2015年版ではさらに増えているが、それと同時に書き直したり、削除したものも数多くある。昨年の実走取材では「東北南部編」の林道64本を走ったが、2015年版の『ツーリングマップル』には、その最新情報を反映させている。今年は「東北中部」、来年は「東北北部」の「林道走破行」を予定している。「林道のカソリ」としては、より新しい、より正確な林道情報をみなさんにお伝えしたいと強く願っている。

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