カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

V-Strom1000で行く日本[1]

投稿日:2015年10月25日

 スズキの1000ccバイク、V−STROM1000では、台湾から帰ると、今度は日本を走った。それをお伝えしよう。まずは9月10日に出発した「福島一周」だ。

変わりゆく小名浜

2015年9月10日(福島一周)

 三郷料金所から常磐道を走る。利根川を渡って茨城県に入り、土浦を過ぎた頃から交通量が少なくなったので、まさに快適走行。V−STROM1000の高速性能は抜群。常磐道の3車線区間を快走する。ところが覆面を発見…。バックミラーで覆面とおぼしき車をみつけると、急ブレーキをかけて速度を落とし、左側の走行車線に逃げた。ところが覆面は赤色灯をつけ、ぼくの前に出ると、「パトカーにつづけ」の指示を出し、路肩で止まった。ぼくには絶対の自信があった。速度違反ではやられていないという自信だ。何しろ覆面が赤色灯を回す前にその姿をとらえていたからだ。ところが降りてきた警官には、「あなたはずっと追い越し車線を走ってましたね」といわれ、走行区分違反で切符を切られた。点数は1点なので、まあ、いいか。警官は速度違反で切符を切れなかったのが残念でならないというような顔をした。

 水戸を過ぎると常磐道は2車線(片側)になり、東海PAで小休止。ここでは「水戸納豆かき揚げうどん」(680円)を食べた。茨城県から福島県に入り、いわき勿来ICで常磐道を降りた。

 いわき勿来ICを出発。国道289号とのT字の交差点を右折し、国道6号に出ると南へ。JR常磐線の勿来駅前を通り過ぎ、左手に勿来海岸の青い海を見ながら走る。茨城県との県境の手前の信号を左折し、勿来漁港の岸壁でV−STROM1000を止めた。

 勿来漁港は東北太平洋岸最南端の鵜ノ子岬北側の漁港。白っぽい岩山が海に落ちる鵜ノ子岬の南側は茨城県の平潟漁港になる。平潟漁港といえばアンコウ漁でよく知られているが、鵜ノ子岬の岩山に開いた海食洞越しに関東が見える。

 鵜ノ子岬から国道6号を北へ。国道沿いの災害公営住宅が完成している。勿来から小名浜へ。国道6号を右折し、小名浜の臨海工業地帯を走り抜けていったが、すでに大津波の痕跡はまったく見られない。震災直後の大きく波打った路面や陥没箇所、信号が消えて日本各地から応援にやってきた警官たちが交通整理する光景はまるで幻のようだった。

 東北最大級の水族館「アクアマリンふくしま」の前を通り、人気スポットの「いわき・ら・ら・ミュウ」でV−STROM1000を止めた。ここには何軒かのレストランが入っているが、そのうちの「やまろく」で「海鮮丼」(1800円)を食べた。

 昼食の「海鮮丼」を食べ終わると、「いわき・ら・ら・ミュウ」から出る観光船「ふぇにっくす」に乗って小名浜港をぐるりとまわる。海から見る小名浜港はまったく別な顔をしている。小名浜港には1号埠頭から7号埠頭まであるが、それらの埠頭がよく見える。そのうち6号埠頭と7号埠頭は石炭専用の埠頭で、3万トン、4万トンという石炭専用船が接岸している。沖合には50ヘクタールの人工島が建設中で、人工島への橋も建設中。島が完成すると、12万トンから13万トンという大型の石炭専用船が接岸できるようになるという。陸上では世界でも最大級だという3基の風力発電用の風車が建設中。東京電力福島第一発電所の爆発事故の影響で、今だに大きな風評被害を受けている小名浜だが、それを乗り越えて変わろうとしている。観光船からはそんな変わりゆく小名浜を見ることができた。

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▲常磐道・三郷料金所

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▲常磐道・東海PAの「水戸納豆かき揚げうどん」

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▲常磐道・いわき勿来IC

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▲鵜ノ子岬の勿来漁港

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▲「いわき・ら・ら・ミュウ」の「やまろく」

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▲「やまろく」の「海鮮丼」

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▲観光船「ふぇにっくす」に乗船

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▲「いわき・ら・ら・ミュウ」を出発

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▲建設中の人工島への橋

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▲海上保安庁の巡視船

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▲「いわき・ら・ら・ミュウ」に戻ってきた

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