アドレス日本巡礼[325]
投稿日:2016年3月5日
木曽路に入っていく
落合宿を出発。次の馬籠宿に行く前に、古代東山道の神坂峠へ。ここは古代信州の玄関口になっていた。樹林の中を走り抜け、峠道を登り、やがて美濃・信濃国境地帯の山並みを一望する。パワフルなアドレスV125Gなので、楽々と峠道を登っていく。そして標高1595メートルの神坂峠に到達。しかし残念ながら峠は濃霧にすっぽりと覆われ、ほとんど何も見えなかった。ここは恵那山(2191m)の登山口になっている。
神坂峠は古代信州の玄関口だといったが、峠の真下を中央道の恵那山トンネルが通っている。ここは一番新しい現代信州の玄関口にもなっている。東海道最古の峠の日本坂を東名の日本坂トンネルが通り、東山道の入山峠を国道18号の碓氷バイパスが通り、甲州街道の小仏峠の下を中央道の小仏トンネルが通っているのと同じで、最古の峠が最新の峠になっている例は日本各地に見られる。
落合宿に戻ると十曲峠を登り、美濃と信濃の国境に到達。石畳の道の脇には「是より北 木曽路」の石碑。いよいよ中山道も木曽路に入っていく。木曽路最初の馬籠宿では宿場内の石畳の道を歩いた。「中井筒屋」という店で「ざるそば」(800円)を食べた。信州に入ると、無性にそばが食べたくなるものだ。つづいて馬籠宿の本陣跡の「藤村記念館」(入館料500円)と「脇本陣資料館」(入館料300円)を見学した。
馬籠宿を出発し、標高801メートルの馬籠峠へ。ここが現在の岐阜と長野の県境。往路編の時にも言ったことだが、馬籠峠は元々は長野県内の峠で、北の南木曽町と南の山口村の町村境になっていた。それが2005年2月の合併で山口村は岐阜県の中津川市に編入され、馬籠峠は長野・岐阜の県境になってしまったのだ。長野県といえば一国一県で、信濃の全域が長野県になっていた。それが今では、信濃の一部は岐阜県になっている。
馬籠峠を下ると国道256号に出る。次の妻籠宿に行く前に、国道256号の清内路峠の「峠返し」をする。「あららぎ温泉湯元館」の前を通り、木地師の里で知られる漆畑を通り、清内路峠のトンネルで折り返した。
清内路峠を下って中山道に合流し、妻籠宿に入っていく。ここではアドレスを止め、宿場内を歩いた。妻籠宿は中山道の中では一番、宿場の風情を残している。電線が地下を通っているので、目障りな電柱が1本もない。下町、中町、上町、寺下、尾又とつづく800メートルほどの宿場町には格子戸の家々が並び、復元された本陣や総檜造りに建て替えられた脇本陣がある。宿場内の延命地蔵に手を合わえると、JR中央本線の南木曽駅に行った。