東北四端紀行[28]
投稿日:2017年3月20日
北端編 8 奥州街道の終点に着く
平舘を過ぎるとじきに海は広がり、津軽海峡になる。ここでは3岬をめぐった。まずは弁天崎。岬の突端には赤い祠。弁天がまつられている。弁天崎には顔料として使われたという赤岩がある。
次が高野崎。ここは「絶景岬」だ。津軽海峡の対岸には北海道最南端の白神岬が見える。右手には本州最北端の大間崎、左手には津軽半島最北端の龍飛崎。これらの3岬を同時に見られるのは高野崎だけだ。岬の突端には赤白2色に塗り分けられた灯台が立っている。そこからは岩礁地帯に下り、潮騒橋、渚橋の赤い太鼓橋を渡って岩礁の先端まで行ける。岬全体は広々としたキャンプ場(テント1張500円)になっている。
3番目は鋳釜崎。ここは立ち寄る人も少なく、東屋風休憩所でゆったりとした時間を過ごせるし、津軽海峡の潮の香をかぎながら園地の草地で寝ころぶのは最高の気持ちよさ。ここもキャンプ場になっている。
3岬をめぐると、県道14号との交差点に出る。交差点には2軒のガソリンスタンド。この一帯が今別だ。県道14号は蟹田、青森方面への近道になっている。
今別から三厩までの国道280号は2車線の快走路。その途中には「津軽半島一周」のたびに入っていた「つがる浜名温泉」があるが、残念ながら閉鎖…。「下北半島一周」でも下北温泉と城ヶ沢温泉が廃業湯になっていたが、温泉が消え去っていくのは何とも寂しいものだ。
三厩に到着。まずはJR津軽線の終着駅、三厩駅に行く。終着駅というのは、もうそれだけで旅心を刺激される。次に三厩港へ。ここが松前街道の終点。つまり奥州街道の終点になる。陸路はここで尽き、海路で蝦夷へ。
三厩港を見下ろす高台には義経をまつる義経寺がある。三厩は「義経・弁慶」の北行伝説の地。義経・弁慶の主従は奥州・平泉の地で死んだのではなく、そのまま北へ、三厩からさらに北海道へ逃げ落ちたというのが義経・弁慶の北行伝説だ。
三厩からは日本海側の小泊に抜ける津軽半島最長林道の増泊林道がある。ダート17・5キロの増泊林道を往復して三厩に戻ったが、これも「林道最強マシン」のスズキDR−Z400Sの成せる技。ダート距離は35・0キロ!