温泉めぐり日本一周[53日目]
投稿日:2017年10月3日
冬に来てこそわかる
前橋駅前の「東横イン」の「おにぎり&味噌汁」の朝食を食べ、8時30分に出発。ここで「オバラッチ」との別れ。オバラッチは前橋から盛岡に帰っていく。
前橋から国道17号で高崎へ。高崎からは国道18号で信州へ。
天気は快晴で、雲ひとつない。横川では「おぎのや」で「峠の釜めし」を食べた。これはもう碓氷峠を越えるときの約束事のようなもの。
横川からは碓氷バイパスで群馬・長野県境の入山峠へ。峠でスズキDJEBEL250XCを止めたが、はく息は真っ白…。
天気はガラリと変わった。青空は消え、雪がチラチラ降っている。さあ、「甲信編」につづいての、「信州編」第2弾目の開始。長野県に入ると、「さー、行くぞ!」とジェベルにひと声かけて峠道を下っていく。きれいに除雪されているので路面に雪はない。
ところでこの関東と信州を分ける入山峠は歴史の古い峠で、中山道以前の東山道はここを通っていた。それが中山道の時代になると、北の旧碓氷峠がメインになり、自動車道の時代になると碓氷峠に移った。そして新道の碓氷バイパスは、一番古い入山峠に戻った。入山峠→旧碓氷峠→碓氷峠→入山峠と時代とともに峠は動いている。峠は時代とともに移るもの。そのあたりが不動の山との大きな違いだ。
第1湯目は塩沢温泉にしようと一軒宿の「高林閣」に行くと休業中。ということで軽井沢の星野温泉の日帰り湯「トンボの湯」が第1湯目になった。ここの入浴料は1200円で、上限の1000円を超えるが、迷った末に入った。第1湯目なので、「まあ(何でも)高い軽井沢だから仕方ないか…」という結論だ。露天風呂の温めの湯につかっていると、伊那で一緒に走った「まさやん」の言葉が思い出された。「信州人は1000円も払って温泉には入りませんよ」。日本でも有数の「温泉大国」の信州には安い入浴料金で入れる温泉がいくらでもあるからだ。ということで1000円を超える入浴料の軽井沢は、信州というよりも関東の世界になる。
「トンボの湯」から上がり、駐車場に止めた我がジェベルを見て、あっと驚いた。何とハンドルには暖かそうなハンドルカバーがついているではないか。「いったいこれはどういうことなの?」と考え込んだそのとき、「K氏」が登場。「K氏」こと昭文社の桑原さんが何くわぬ顔で立っている。そのハンドルカバーは桑原さんがつけてくれたものだ。こうして小原さんと入れ替わるようにして、桑原さんが「関東編」につづいて同行してくれることになった。
第2湯目の塩壷温泉「塩壷温泉ホテル」の湯に入ったあと、千ヶ滝温泉へ。ここは入浴料が1500円なのでパスした。
小諸から第3湯目の高峰温泉へ。標高2000メートルを超える日本でも有数の高地の温泉。バイクで行けるかどうか、わからなかったが、ダメならば引き返せばいい。長野・群馬県境の車坂峠に向かっていくと、登るにつれて雪が多くなる。幸い天気が回復し、青空が見え、気温も上がっているので助かった。雪&氷で転倒することもなく、標高1973メートルの車坂峠に到達。風が冷たくって、ヘルメットを脱ぐと耳がちぎれそうになるほど痛い。峠をわずかに下り、高峰温泉への案内の矢印を曲がろうとしたとき、ツルツルの氷にハンドルをとられ、ステーンと転倒。これが「温泉めぐり日本一周」での初転倒になる。ジェベルを起こし、さらに突き進んだが、道はその先のスキー場の駐車場で途切れた。
そこからは雪道を歩く。稜線までのスロープを登っていく区間は苦しくて、ヒーヒーハーハー、肩で大きく息をする。そのすぐわきをスキーヤーが気持ちよさげにスーッと滑り降りていく。そんな思いをしてたどり着いた高峰温泉。さっそく小さめな檜風呂の湯につかり、下界を見下ろした。はるかかなたの蓼科山、八ヶ岳まで一望する「絶景湯」。高峰温泉からの帰路はラッキーにも、宿の雪上車に乗せてもらえた。乗り物大好きなカソリ、初体験に大喜び。苦戦して登った雪道も、雪上車だとあっというまの距離でしかない。そのわずかな間では、まるでシベリアの雪原を行くかのような胸のときめきをおぼえた。冬に来てこそわかる高峰温泉だ。
車坂峠を下り、第4湯目の菱野温泉に向かっていく途中では「KYYさん」に再会。「KYYさん」の案内で、おすすめの菱野温泉「常盤館」に行く。ここでは「登山電車」に乗って展望露天風呂の「雲の助」まで上がった。標高1050メートルの桶風呂につかりながら千曲川の谷間の風景を見下ろした。
菱野温泉で「KYYさん」と別れ、ナイトランでの温泉めぐりが始まる。
第5湯目のみづほ温泉「湯楽里館」は大混雑。大浴場も露天風呂も人、人、人だった。
第6湯目の千古温泉「千古温泉旅館」の湯はじつにやわらかなツルツル湯。湯のかすかな匂いもいい。
第7湯目は真田温泉「ふれあいさなだ館」の湯。ジャグジーの円形の湯船。温めの湯につかり、露天風呂へ。外に出ると、強烈な寒さ。思わず身震いした。露天風呂に入ると、早々に内風呂の湯に入りなおした。日が暮れてからの信州の寒さは関東とは比較にならない。
真田温泉の湯から上がると、「甲信編」のときにも泊った上田の秋和温泉「秋和鉱泉旅館」へ。宿に到着したのは20時20分という遅い時間だったのにもかかわらず、夕食を用意して待ってくれていた。湯から上がると夕食。刺身の皿には「鯉の洗い」がのっている。味噌汁も濃厚な味わいの「鯉こく」だ。桑原さんと鯉料理に舌鼓を打ちながら、ビンビールを空けていく。部屋に戻ると、今度はコンビニで仕入れたカンビールを次々に空にしていく。オバラッチとも毎夜、宴会だったが、これが桑原さんとの連夜の宴会の始まりだ。
朝食 | 前橋駅前の「東横イン」 おにぎり、味噌汁 |
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8時30分 | 出発 |
「オバラッチ」との別れ… | |
昼食 | 横川の「おぎのや」 「峠の釜めし」(900円) |
入山峠 峠越え | |
長野県に入る | |
塩沢温泉「高林閣」 休業中 | |
449湯目 | 星野温泉「トンボの湯」(1200円)※特例で入る |
「桑原さん」との出会い。このあと5日間、同行してくれる | |
450湯目 | 塩壷温泉「塩壷温泉ホテル」(1000円) |
千ヶ滝温泉 入浴料が1500円なのでパス | |
車坂峠 峠返し | |
451湯目 | 高峰温泉「高峰温泉」(500円) |
「KYYさん」との出会い | |
452湯目 | 菱野温泉「常盤館」(1000円) |
「KYYさん」との別れ | |
453湯目 | みずほ温泉「湯楽里館」(500円) |
454湯目 | 千古温泉「千古温泉旅館」(500円) |
455湯目 | 真田温泉「ふれあいさなだ館」(400円) |
20時20分 | 秋和温泉「秋和鉱泉旅館」(1泊2食7100円) |
夕食 | ご飯、コイの洗い、牛の鍋、天ぷら、青菜のおひたし、コイコク |
本日の走行距離数 153キロ | |
本日の温泉入浴数 7湯 |
前橋駅前の「東横イン」を出発 | 松井田の国道18号から見る妙義山 | 横川の「おぎのや」の「峠の釜めし」 |
国道18号の碓氷バイパスの入山峠 | 信州は雪景色 | 塩沢温泉「高林閣」は休業中 |
星野温泉「トンボの湯」 | 塩壷温泉「塩壷温泉ホテル」に到着 | 「塩壷温泉ホテル」の大浴場 |
「塩壷温泉ホテル」の露天風呂 | 軽井沢の雪道を走る | 千ヶ滝温泉は入浴料が1500円なのでパス |
雪が深くなる | 車坂峠に到達! | 高峰温泉の湯に入る |
高峰温泉の雪上車 | 高峰温泉の雪上車に乗る | 「KYYさん」の案内で菱野温泉「常盤館」に到着 |
菱野温泉「常盤館」の登山電車に乗る | 「常盤館」の桶風呂に入る | 千古温泉「千古温泉旅館」 |
真田温泉「ふれあいさなだ館」 | 秋和温泉「秋和鉱泉旅館」の夕食 | 桑原さんからの差し入れ |