カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[66日目]

投稿日:2017年12月1日

ためになる湯の中談義

本州西部編 17日目(2007年1月26日)

 法林寺温泉の一軒宿「法林寺温泉」の朝湯に入る。内風呂とかわいらしい露天風呂。湯から上がると、ご飯、味噌汁、塩ジャケ、半熟卵、がんもどき、煮物、のり、漬物の朝食を食べ、9時に出発。

 法林寺温泉からは富山・石川の名無し峠に向かう。その手前で第1湯目の福光医王山温泉「ぬく森の郷」の一番湯に入った。大露天風呂の湯につかりながら医王山から北に延びる加越(加賀・越中)国境の山並みを眺める。青空が広がり、春のような陽光が差し込めている。ここでは一番湯に入りにきた地元の人、2人の話を聞いている。「雪が降らんちゃ」といっている。話題はもっぱら「暖冬」。雪が降らないので、何もすることがないという。雪が降れば、屋根の雪おろしだ、それ雪かきだ、で忙しくなる。ところが雪が降らないので暇をもてあまし、パチンコ屋に行く回数がどうしても増えてしまい、雪が降らないと余計な散財をしてしまうのだという。

 富山・石川県境の名無し峠でスズキDJEBEL250XCを止める。そこからは医王山(939m)を中心とする加越国境の山々を眺めた。いつもの年ならば真っ白に雪化粧しているとのことだが、「暖冬」なので雪化粧もまばら…。そこから「峠返し」で折り返し、福光に戻った。

 第2湯目のアローザ温泉「ホテルIOXクルム」へ。大浴場と露天風呂。露天風呂からは砺波平野を一望し、その向こうに日本海が霞んで見える。雪の立山連峰も見える。

 第3湯目は福光温泉「湯宴遊」の湯。ここでは湯につかりながら80代の人と90代の人、2人の「健康談義」を聞いていた。90代の人は血色もよく、足腰もしっかりしている。

「一番の基本はくよくよ考えないことだ」
「温泉にはよく入って」
「温泉に入るとよく眠れる」
「それと何でもおいしい、おいしいといってよく食べることだ」

 そんな2人の話をさりげなく聞いていたが、いや〜、我が人生の参考にしますよ。

 再度、福光に戻ると、次に国道304号で富山・石川県境の高窪峠に向かい、その途中の温泉をめぐっていく。

 第4湯目は華山温泉の旅館「華山温泉」。ここの源泉は44度。加水なし、加温なし、循環なし、消毒なしの「ナシナシ湯」。源泉そのまんまの湯。黄色がかったにごり湯の内風呂と露天風呂に入る。高台にある宿なので、露天風呂からの眺めはすばらしい。福光や城端、井波などの南砺市の町並みを一望。その向こうにはまるで衝立を立てたかのような山並み。平野と山地の境目がはっきりと見える。

 第5湯目は川合田温泉の一軒宿「川合田温泉」の湯。湯から上がると昼食。「カレーライス」を食べた。次の湯谷温泉の一軒宿「栄楽荘」はまだ風呂が沸いていないということで入れなかった。ところで湯谷温泉の読みだが「ゆたに」になる。谷のつく地名は日本に無数あるが、西日本は「たに」、東日本は「や」が多い。たとえば「熊谷」だと、西日本だと「くまだに」で、東日本だと「くまがや」になる。もちろん例外も数多くある。

 第6湯目は高窪温泉の一軒宿「高窪温泉」の湯。小さな湯船。浴室の窓越しに田園風景を眺める。高窪温泉から富山・石川県境の高窪峠まで行き、「峠返し」で福光に戻った。

 富山県の温泉めぐりもいよいよ最後のステージ。福光から福野を通り、小矢部市の石動へ。そこでは第7湯目のおやべ温泉「タワーの湯」に入った。タワーが目印の日帰り湯。「健康福祉センター」の2階にある。大浴場と露天風呂の湯につかったが、何か役所の中にある温泉に入ったような気分。湯から上がると、JR石動駅前に立った。

 JR石動駅前を出発すると、国道8号で富山・石川県境の倶利伽羅峠まで行き、峠のトンネルの入口で折り返した。

 小矢部市の法楽寺温泉と高岡市の西明寺温泉は廃業湯で入れず。

 第8湯目はこぶしヶ丘温泉「ロッジ山ぼうし」の湯。総ガラス張りの明るい浴室。屋根付きの露天風呂もある。次のポカポカ温泉は天然温泉ではないとのことパスした。

 小矢部川河口の伏木からは、氷見経由で能登半島へと向かっていく。

 第9湯目は越乃庭温泉「越乃庭」。大浴場と露天風呂。目の前をJR氷見線の列車が通り過ぎていく。次の雨晴温泉「磯はなび」は入浴のみは不可。太田温泉「太田の湯」は本日休業で入れず。

 第10湯目は竹原温泉の温泉旅館&温泉銭湯の「竹原鉱泉」。湯から上がると天気は急変し、土砂降りの雨になる。まるで逃げ込むかのように、近くの和風レストラン「白藤」に飛び込み夕食にした。「うどんすき」を食べたが、腰のある太麺の「氷見うどん」にタイやサワラ、ホタテ、ボタンエビなどの海鮮の具がどっさりと入ったうどん鍋だった。

「うどんすき」で元気が出たところで、土砂降りの雨の中を走り、能登半島の付け根の山中にある鍋床温泉の温泉宿「鍋床鉱泉」に到着。さんざん探しまわり、宿に到着したのは22時。大雨に痛めつけられたあとだけに、第11湯目の「宿湯」は体にしみた。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 法林寺温泉「法林寺温泉」
朝食 法林寺温泉「法林寺温泉」 ご飯、味噌汁、塩ジャケ、半熟卵、がんもどき、煮物、のり、漬物
9時 法林寺温泉「法林寺温泉」を出発
578湯目 福光医王山温泉「ぬく森の郷」(500円)
富山・石川県境の峠(県道27号) 峠返し
579湯目 アローザ温泉「ホテルIOXクルム」(500円)
580湯目 福光温泉「湯宴遊」(500円)
581湯目 華山温泉「華山温泉」(500円)
582湯目 川合田温泉「川合田温泉」(400円)
昼食 川合田温泉「川合田温泉」 「カレーライス」(600円)
湯谷温泉 入れず
583湯目 高窪温泉「高窪温泉」(400円)
高窪峠 峠返し
584湯目 おやべ温泉「タワーの湯」(600円)
倶利伽羅峠 峠返し
法楽寺温泉 廃業湯
西明寺温泉 廃業湯
585湯目 こぶしヶ丘温泉「ロッジ山ぼうし」(500円)
「ポカポカ温泉」 天然温泉ではないのでパス
586湯目 越乃庭温泉「越乃庭」(600円)
雨晴温泉「磯はなび」 入浴のみは不可
太田温泉「太田の湯」 休業中で入れず
587湯目 竹原温泉「竹原鉱泉」(370円)
夕食 「白藤」 「うどんすき」(1680円)
22時 床鍋温泉「床鍋鉱泉」(1泊2食6000円)
588湯目 床鍋温泉「床鍋鉱泉」
本日の走行距離数 185キロ
本日の温泉入浴数 11湯

法林寺温泉の朝食法林寺温泉を出発福光医王山温泉「ぬく森の郷」

法林寺温泉の朝食 法林寺温泉を出発 福光医王山温泉「ぬく森の郷」

「ぬく森の郷」の露天風呂「ぬく森の郷」の露天風呂に入る富山・石川県境

「ぬく森の郷」の露天風呂 「ぬく森の郷」の露天風呂に入る 富山・石川県境

富山・石川県境の山並みアローザ温泉「ホテルIOXクルム」のスキー場「ホテルIOXクルム」の湯

富山・石川県境の山並み アローザ温泉「ホテルIOXクルム」のスキー場 「ホテルIOXクルム」の湯

福光温泉華山温泉華山温泉からの眺め

福光温泉 華山温泉 華山温泉からの眺め

華山温泉の獅子華山温泉の露天風呂川合田温泉

華山温泉の獅子 華山温泉の露天風呂 川合田温泉

川合田温泉の湯川合田温泉の「カレーライス」湯谷温泉

川合田温泉の湯 川合田温泉の「カレーライス」 湯谷温泉

高窪温泉高窪温泉の湯富山・石川県境の高窪峠

高窪温泉 高窪温泉の湯 富山・石川県境の高窪峠

おやべ温泉「タワーの湯」「タワーの湯」の露天風呂に入る富山・石川県境の倶利伽羅峠

おやべ温泉「タワーの湯」 「タワーの湯」の露天風呂に入る 富山・石川県境の倶利伽羅峠

こぶしヶ丘温泉「ロッジ山ぼうし」「ロッジ山ぼうし」の大浴場越乃庭温泉「越乃庭」

こぶしヶ丘温泉「ロッジ山ぼうし」 「ロッジ山ぼうし」の大浴場 越乃庭温泉「越乃庭」

夕食の「うどんすき」の海鮮具床鍋温泉「床鍋鉱泉」に到着!

夕食の「うどんすき」の海鮮具 床鍋温泉「床鍋鉱泉」に到着!  

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