カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[88日目]

投稿日:2018年3月15日

トラブルは旅の蜜

本州西部編 39日目(2007年2月17日)

「グリーンピア三木」の朝湯に入り、バイキングの朝食を食べ、9時30分に出発。ところがスズキDJEBEL250XCのエンジンをかけ、走り出そうとしたとき、リアのタイヤがパンクしていることに気づいた。

 東京・日本橋を出発して以来、もうすでに1万5000キロ以上を走っているので、リアタイヤは限界を超えている。タイヤを交換しないことにはどうしようもない。リアに積んだバッグを下ろし、それを「グリーンピア三木」であずかってもらい、三木のバイク屋さんに行ってみることにした。何ともありがたかったのは「グリーンピア三木」のフロントだ。荷物をあずかってくれただけでなく、すぐさま電話で三木市内のバイク屋さんを調べてくれた。そのおかげで「岩本輪業」で見てもらえることになった。

「グリーンピア三木」から神戸電鉄の「緑が丘駅」に近い「岩本輪業」までは10キロほど。その間は緊張した。コーナーでは極力、体が垂直になるような走り方で曲がり、転倒しないようしないように最大限の注意を払った。

 やっとの思いで「岩本輪業」に到着。するとうれしいことに、すぐにタイヤとチューブを取り寄せてくれるとのこと。夕方の6時までにはタイヤとチューブの交換をしておいてくれるという。さらにその間はスズキのスクーター、アドレス100を貸してもらえることになった。困ったときこそ、旅の醍醐味。「トラブルは旅の蜜」なのだ。

 アドレス100で「岩本輪業」前を出発。雨が降っている。スクーターでの雨中の温泉めぐり。

 第1湯目は金の湯温泉「湯庵」。大浴場と露天風呂。露天風呂は有色の湯。

 第2湯目は加古川温泉「みとろ荘」。内風呂と露天風呂。若干の色つき湯。露天風呂からは加古川流域の広々とした水田を見渡す。

 第3湯目は白雲谷温泉「ゆぴか」。男湯の「水辺の湯」に入ったが、男湯と女湯は1週間ごとに入れ替わるという。大浴場と露天風呂。露天風呂の湯につかりながら白雲谷池を眺める。内風呂は檜風呂。ここのレストランのメニューは豊富。「ぶっかけうどん」を食べたが、エビフライやゆで卵、カマボコなどがのっている。その上に好みの量の汁をぶっかける。

 第4湯目は鍬渓谷温泉「鍬渓温泉」。丘陵の裾にある共同浴場風の日帰り湯に入る。超ディープな温泉だ。木の湯船。にごり湯で塩分が濃い。湯から上がると休憩室で休んだが、みなさん食事をしながらすでにできあがっている状態で宴会モード。ここは1週間のうち火曜、木曜、土曜、日曜の4日しか営業しないという。

 小野から国道175号を北へ。本降りの雨。それも雪になりそうな冷たい雨だ。やっとの思いで西脇まで行き、西脇温泉「へその湯」に入った。大浴場と露天風呂。雨に痛めつけられたあとだけに、なかなか湯から上がれなかった。湯から上がってからわかったことだが、ここは「天然温泉」ではなかった…。がっくり。

 今回の「温泉めぐり日本一周」では「天然温泉」だけをカウントしているので、残念ながら西脇温泉「へその湯」は第5湯目にはならなかった。

 17時30分、三木の「岩本輪業」に到着。予定よりも30分早く着いたが、もうすでにジェベルのタイヤ交換は終わっていた。アドレス100を返却し、その分のレンタル料を払おうとすると、「いいんですよ」といって受け取らない。「岩本輪業さん」、ありがとう!

 生き返ったジェベルに乗って走り出す。「グリーンピア三木」には連泊することにしたので、そのまま戻れば18時前には着ける。湯に入り、レストランで灘の酒やワインを飲みながらゆったり気分で夕食も食べられる。だが、そんな気持ちを振り払って、さらに温泉をめぐる。今度はジェベルでの温泉めぐりだ。

 淡河から国道428号で岩谷峠を越える。

 雨の岩谷峠はきつかった。濃い霧に巻かれ、視界がほとんどなくなってしまう。峠を越え、六甲の山肌の家々の明かりが見えるあたりまで下ると、やっと霧は消えた。前日の「銀河の湯」の前を通り、箕谷からは六甲山地を登っていく。急に交通量が増える。

 小部峠を越えたところが第5湯目の有馬街道温泉の日帰り湯「すずらんの湯」。ここは神戸の市街地に近いということもあっておおにぎわい。大浴場と露天風呂に入った。「庭園風呂」の露天風呂には気分よく入れた。

 つづいてしあわせの村温泉に向かったが、残念…。道がわからず雨の中であっちをウロウロ、こっちをウロウロ。ついに諦め、来た道を引き返し、「グリーンピア三木」に戻った。

「グリーンピア三木」の到着は20時。ギリギリ「セーフ!」という感じで、レストランで夕食を食べられた。

 まずは食前のワインだ。アルゼンチン産。ということはアンデス山麓のメンドサ産であろう。「南米一周」で見たメンドサ周辺のブドウ園の風景が目に浮かんでくるのだった。そのあとでバイキングの夕食を食べ、温泉に入った。一日中、冷たい雨に降られっぱなしだったので、温泉がありがたい。大浴場、露天風呂と1時間以上の長湯をした。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 みき槙山温泉「グリーンピア三木」
朝食 みき槙山温泉「グリーンピア三木」 バイキング
9時30分 みき槙山温泉「グリーンピア三木」を出発
パンク
「岩本輪業」でタイヤの取り寄せ&交換
スズキのアドレス100でまわる
796湯目 金の湯温泉「湯庵」(890円)
797湯目 加古川温泉「みとろ荘」(600円)
798湯目 白雲谷温泉「ゆぴか」(600円)
昼食 「ゆぴか」 「ぶっかけうどん」(680円)
799湯目 鍬渓谷温泉「鍬渓温泉」(500円)
西脇「へその湯」(700円)※天然温泉ではないのでカウントせず
「岩本輪業」でジェベル、引き取り
800湯目 有馬街道温泉「すずらんの湯」(900円)
20時 みき槙山温泉「グリーンピア三木」(1泊朝食7950円)
本日の走行距離数 64キロ
本日の温泉入浴数 5湯

みき槙山温泉「グリーンピア三木」の朝湯に入る広々としたみき槙山温泉「グリーンピア三木」みき槙山温泉「グリーンピア三木」の朝食

みき槙山温泉「グリーンピア三木」の朝湯に入る 広々としたみき槙山温泉「グリーンピア三木」 みき槙山温泉「グリーンピア三木」の朝食

三木市内の「岩本輪業」さん。お世話になりました!金の湯温泉「湯庵」加古川温泉「みとろ荘」

三木市内の「岩本輪業」さん。お世話になりました! 金の湯温泉「湯庵」 加古川温泉「みとろ荘」

白雲谷温泉「ゆぴか」白雲谷温泉「ゆぴか」の「ぶっかけうどん」鍬渓谷温泉「鍬渓温泉」

白雲谷温泉「ゆぴか」 白雲谷温泉「ゆぴか」の「ぶっかけうどん」 鍬渓谷温泉「鍬渓温泉」

西脇「へその湯」の露天風呂アドレス100での温泉めぐり。加古川の河畔で国道175号を南下。三木へ

西脇「へその湯」の露天風呂 アドレス100での温泉めぐり。加古川の河畔で 国道175号を南下。三木へ

国道175号からの眺め有馬街道温泉「すずらんの湯」の庭園露天風呂の湯口みき槙山温泉「グリーンピア三木」の夕食

国道175号からの眺め 有馬街道温泉「すずらんの湯」の庭園露天風呂の湯口 みき槙山温泉「グリーンピア三木」の夕食

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