温泉めぐり日本一周[170日目]
投稿日:2019年2月13日
「別府八湯」をめぐる
大分市内温泉「明野アサヒ温泉」の朝湯に入り、8時に出発。隣の「ローソン」で朝食の「ミックス野菜サンド」を食べた。
大分からは国道10号で別府へ。海沿いの3車線区間の快適走行。高崎山の2車線区間に変わるところでは、女性ライダーが手を振っている。てっきりバイクのトラブルで、「ちょっと手を貸してください」の合図だと思い、バンディットを路肩に停めた。それがハーレーのスポーツスター883に乗る「はるさん」との出会いだった。
「カソリさんはきっとこの地点を通るはず」と、はるさんはそう推測して、ずっと国道10号のこの地点でぼくを待ってくれていた。
バイクで「日本一周」したこともあるはるさんは千葉の人。この地がすっかり気に入り、移り住んだ。3日後には結婚式を控えて幸せいっぱいのはるさん。そんなはるさんとは同じ関東人同士ということで話がはずんだ。
「はるさん、どうぞお幸せに!」
いつまでも手を振ってくれているはるさんの見送りを受け、別府の市街地に入っていく。
別府では「別府八湯」といわれる8湯の温泉地をめぐる。
第1湯目は浜脇温泉。国道10号沿いの共同浴場「日の出温泉」の湯に入った。内風呂のみ。真ん中で仕切られた2つの湯船。ひとつは超熱め。もうひとつは熱めの湯。ゆでダコ状態で湯から上がると、はるさんの差し入れの「グロンファイター1000」を飲み、はるさんの差し入れの豊後名物「臼杵煎餅」を食べた。
第2湯目は別府温泉。ここではJR別府駅前の共同浴場「駅前温泉」に入る。「高等湯」と「並湯」があるが、入浴料100円の「並湯」の方に入った。半円形の湯船。水を流し込んでいるので適温の湯に入れた。
第3湯目は堀田温泉。「堀田温泉」は新しい市営の共同浴場に生まれ変わっていた。大浴場と露天風呂。以前の共同浴場は堀田地区の人だけが入れるものだった。どうしても入りたくて入口で待ち、地元の人がやってくると、「あのー、すいません。入らせてもらえませんか…」と頼み込んで入らせてもらった。新しい「堀田温泉」の湯につかっていると、そんな思い出が蘇ってくる。
第4湯目は観海寺温泉「観海荘」。大浴場の湯に入る。石造りの湯船。湯船の底に敷詰められた石は赤石なので、ほぼ無色透明の湯も赤湯のように見える。湯から上がると、昼食。観海寺温泉近くのラーメン店「十五万石」で「ソーキラーメン」を食べた。「ソーキそば」ならぬ「ソーキラーメン」で、豚骨スープのラーメンの上に骨つき肉がのっている。
ここまでの浜脇、別府、堀田、観海寺の4湯が「別府八湯」めぐりの前半戦といったところだ。
ところで別府温泉だが、ここはとんでもない温泉地。市内にはそれこそ無数といっていいほどの共同浴場がある。300日間、毎日ひとつづつ入っても、全部入りきれるかどうか…。共同浴場の数の多さは大温泉地の証明。日本一の温泉地の別府だが、世界的にみても、別府以上の温泉都市はない。
「別府八湯」めぐりの後半戦、開始する。
別府の中心街から国道10号を北へ。
第5湯目は亀川温泉。ここでは共同浴場「浜田温泉」に入った。趣のある新しい建物。道をはさんで反対側にある古い建物はそのまま残し、「浜田温泉」の資料館になっている。さすが。世界に冠たる温泉都市、別府だけのことはある。別府の温泉にかける意気込みは違う。ガンバレ、別府!
第6湯目は柴石温泉。共同浴場「柴石温泉」の湯に入る。大浴場と露天風呂。大浴場には「あつ湯」と「普通湯」、2つの湯船。「あつ湯」は熱い。「普通湯」も十分に熱い。露天風呂は温めの湯だった。
第7湯目は鉄輪温泉。高台から見下ろす鉄輪温泉の温泉街はまさに「泉都別府」を象徴するもの。いたるところから湯煙がたちのぼっている。ここでは共同浴場「熱の湯温泉」(無料湯)に入った。内風呂のみ。浴室のすみにある湯槽の高温湯はさわれないほどの熱さ。その高温湯には水を流し込んでいる。湯から上がってもしばらくは汗ダク状態。ここはまさしく「熱の湯」だ。
第8湯目は明礬温泉。ここでは温泉旅館「岡本屋」の湯に入った。というよりも、運よく入れた。ここの外来入浴は13時から15時までと限られている。すでに15時を過ぎていたが、たまたま外に出ていた「岡本屋」のご主人と立ち話をしたので入れた。これも何かの縁。「岡本屋」の湯に入りたい温泉ファンは大勢いるのだ。内風呂と露天風呂。露天風呂の青味を帯びた白濁の湯は目に残る。温泉は湯につかってどうのこうのだが、見た目も大事。ここの湯の見た目のきれいさはもう、「すばらしい!」のひと言につきる。
「岡本屋」の湯から上がると、「福嶋さん」がホンダの旧車、XLR BAJAに乗って来てくれた。福嶋さんは大の温泉好き。地元、大分の温泉はとくに詳しい。「別府八湯」のあとは国東半島の温泉をめぐるつもりにしていたので、ここぞとばかりに案内してもらった。
第9湯目は国東半島の入口にある日出(ひじ)の日出温泉。「ウェルサンピア日出」の湯に入った。大浴場と露天風呂。円形の湯船の露天風呂は「絶景湯」で、湯につかりながら海を見た。
第10湯目はしおはま温泉「いこいのゆ」。この湯は福嶋さんの「リハビリの湯」。大きな事故を起こし、膝をグシャグシャにした福嶋さんは、医者には「もう歩くのは無理」といわれた。それを強い意志でもって、バイクに乗れるまでに回復させたのだ。そんないきさつを湯につかりながら聞いた。
第11湯目は山香温泉。国道10号沿いの「山香温泉センター」の湯に入る。にごり湯。濃い塩味。飲湯可。海水の10倍もの塩分濃度だとのことだが、湯にはまろやかさがあって、竹のコップ1杯の湯はそれほどの苦もなく飲めた。
山香温泉からは国東半島中央部の山岳地帯に突入。地蔵峠を越えて第12湯目の赤根温泉へ。「あかねの郷」の湯に入る。内風呂と露天風呂。絶景湯の露天風呂からは国東半島中央部の山々を間近に眺めることができる。
第13湯目の夷谷温泉へ。国東半島を知りつくしている福嶋さんは山中の道を自由自在に走り抜け、夷谷温泉まで案内してくれた。ここの湯はにごり湯。山香温泉と似たような湯だが無味無臭。
第14湯目は真玉温泉「スパランド真玉」の湯。大浴場と露天風呂。湯船の底に敷き詰められた小石がちょうどいい刺激になっている。
第15湯目はくにさき六郷温泉「花いろ」の湯。大浴場と露天風呂。露天風呂はじつにいい雰囲気を醸し出している。
21時45分、国道10号に面した宇佐温泉「みずほ荘」に到着。ここが今晩の宿。最後まで付き合ってくれた福嶋さんとは、「みずほ荘」の玄関前で別れた。
朝湯 | 大分市内温泉「明野アサヒ温泉」 |
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8時 | 大分市内温泉「明野アサヒ温泉」を出発 |
朝食 | 大分市内温泉「明野アサヒ温泉」隣の「ローソン」の「ミックス野菜サンド」 |
出会い はるさん | |
1710湯目 | 浜脇温泉「日の出温泉」(100円) |
1711湯目 | 別府温泉「駅前温泉」(100円・並湯) |
1712湯目 | 堀田温泉「堀田温泉」(210円) |
1713湯目 | 観海寺温泉「観海荘」(500円) |
昼食 | 観海寺温泉近くのラーメン店「十五万石」の「ソーキラーメン」(750円) |
1714湯目 | 亀川温泉「浜田温泉」(100円) |
1715湯目 | 柴石温泉「柴石温泉」(210円) |
1716湯目 | 鉄輪温泉「熱の湯温泉」(無料) |
1717湯目 | 明礬温泉「岡本屋」(800円) |
出会い 福嶋さん | |
1718湯目 | 日出温泉「ウェルサンピア日出」(630円) |
1719湯目 | しおはま温泉「いこいのゆ」(400円) |
1720湯目 | 山香温泉「山香温泉センター」(320円) |
1721湯目 | 赤根温泉「あかねの郷」(300円) |
1722湯目 | 夷谷温泉「夷谷温泉」(300円) |
1723湯目 | 真玉温泉「スパランド真玉」(300円) |
1724湯目 | くにさき六郷温泉「花いろ」(300円) |
21時45分 | 宇佐温泉「みずほ荘」(1泊朝食6000円) |
1725湯目 | 宇佐温泉「みずほ荘」 |
本日の走行距離数 180キロ | |
本日の温泉入浴数 16湯 |
大分市内温泉「明野アサヒ温泉」を出発 | 朝食は「ローソン」の「ミックス野菜サンド」 | 「はるさん」との出会い |
「はるさん」からの差し入れ | 浜脇温泉の共同浴場「日の出温泉」 | 「日の出温泉」の湯 |
別府温泉の共同浴場「駅前温泉」 | 「駅前温泉」の湯 | 堀田温泉の共同浴場「堀田温泉」 |
「堀田温泉」の露天風呂 | 観海寺温泉から別府を一望する | 観海寺温泉「松葉屋」の湯には入れず |
観海寺温泉「観海荘」 | 「観海荘」の大浴場 | ラーメン店「十五万石」の「ソーキラーメン」 |
亀川温泉の共同浴場「浜田温泉」 | 柴石温泉の共同浴場「柴石温泉」 | 鉄輪温泉の共同浴場「熱の湯温泉」 |
鉄輪温泉の湯けむり | 明礬温泉「岡本屋」の露天風呂 | 日出温泉「ウェルサンピア日出」 |
「ウェルサンピア日出」の露天風呂 | 赤根温泉「あかねの郷」の露天風呂 | 今晩の宿、宇佐温泉「みずほ荘」に到着 |