温泉めぐり日本一周[218日目]
投稿日:2019年8月2日
炎熱地獄の温泉めぐり
山形温泉「蔵王荘」の朝湯に入る。熱めの濁り湯。飲泉可で、コップ1杯の湯をキューッと飲み干した。湯から上がるとご飯、味噌汁、焼魚、納豆、サラダ、ゴボウ、ナス、漬物の朝食を食べ、8時50分に出発。
梅雨が明けたとたん、朝から猛烈な暑さ。気温はすでに30度を超えている。その暑さから逃げるように蔵王の刈田峠を目指す。山形・宮城県境の刈田峠の「峠返し」だ。
第1湯目は蔵王温泉「下湯共同浴場」の湯。木の湯船、木の洗い場。プーンと硫黄の臭いが鼻をつく。強酸性硫黄泉の白濁湯。湯には刺すような強い金属質の味がする。
第2湯目は山形うわの温泉「天神乃湯」。屋根つきの露天風呂に入る。木の湯船と石の湯船はともに濁り湯。蔵王山麓の濃い緑を眺めながら湯につかる。「ミーンミーンミーン」と蝉の声。強い蔵王温泉の湯のあとだけに、ここの無味無臭のやわらかな湯には救われる。絶好の湯直しの湯だ。
国道13号に下った。山形盆地はむせ返るような暑さ。まさに炎熱地獄。その中をDR−Z400Sで走る。
第3湯目は黒沢温泉「ウェルハートピア山形」の湯。5階の展望風呂に入る。湯につかりながら真正面に連なる蔵王の山並みを眺めた。
第4湯目は百目鬼温泉「百目鬼温泉」の湯。大浴場と露天風呂はともに濁り湯で、かなり濃い味がする。高濃度の温泉なので、「長湯しないようにして下さい!」と書かれた貼り紙がしてある。ここからは水田越しに山形の市街地を見る。その向こうには蔵王の山並みが連なっている。
第5湯目は山辺温泉「山辺温泉保養センター」の湯。大浴場と露天風呂。塩分を含んだ茶色っぽい湯の色。湯から上がると、体には若干のべたつき感が残った。
第6湯目は上山温泉の共同浴場「下大湯公衆浴場」の湯。時間帯によってはかなり混みあう下大湯だが、がら〜んとして入浴客はほかには誰もいなかった。みなさん、この暑さにまいって、温泉どころではないようだ。大浴場の大風呂に入る。熱い湯にどっぷりつかる。湯から上がると、もう腰が抜けたかのような状態で、ふらつく足で近くの「清来軒」へ。昼食の「冷やしラーメン」を食べて生き返るのだった。
第7湯目は河崎温泉「ふじや旅館」の湯。ここは大浴場の内風呂のみ。無色透明の湯。浴室からは庭園を見る。
第8湯目は葉山温泉の共同浴場「葉山公衆浴場」の湯。小さな湯船の無色透明の湯につかる。浴室からの蔵王の眺めがすごくいい。
上山から赤湯へ。
第9湯目はハイジア温泉「ハイジアパーク」の湯。ここの大浴場と大露天風呂はともに「あっ!」と驚くような広さ。浴室からは赤湯から米沢へとつづく米沢盆地を一望する。
第10湯目は宮内温泉「宮内温泉本館」の湯。ここは小さめな内風呂のみ。仕事を終えた長期滞在者のみなさんで混みあっていた。女将さんに「泊まっていきなさい。部屋は用意するから」といわれてその気になったが、時間はまだ夜の7時前。「もう少し、夜の温泉をめぐります」といって宮内温泉を出た。
第11湯目の赤湯温泉へ。この時間になると、やっと炎熱地獄もおさまった。ここでは共同浴場の「とわの湯」に入る。ほぼ正方形の湯船が浴室の中央にある。そんな湯船を囲んで入浴客のみなさんはドテーッとしている。聞こえてくる会話は「今日は暑かった!」と、もっぱら猛暑の話題。そんな会話を聞きながら熱めの湯につかった。
赤湯から米沢へ。その途中では高畠の温泉に入っていく。
第12湯目はまほろば湯温泉の日帰り湯「温もりの湯」。到着したのは19時45分。入口の券売機には「本日の受付は終了しました」の貼紙。それを見て、受付の年配の人に「あのー、すぐに出ますので、入らせてもらえませんか…」と聞いた。このような場合、普通は「もう終わりだよ」のひと言で追い返されてしまう。ところがここは違っていた。「8時に終了ですが、8時5分までに上がってくれればいいですよ」とまでいってくれた。さっそく湯につかる。すでに浴室には誰もいない。内風呂の無色透明の湯につかり、ジャスト8時に湯から上がった。
お礼をいって出ようとすると、その方は深々と頭を下げ、「ゆっくりしてもらえなくて、ほんとうに申し訳なかったですね」といって、玄関で見送ってくれたのだ。胸が熱くなる。ぼくは東北人の真髄を見たような気がした。
第13湯目は高畠駅舎温泉「太陽館」の湯。JR高畠駅の改札口のわきが温泉入口。大浴場の内風呂のみ。露天風呂は水風呂だった。高畠駅近くの「セブンイレブン」で夕食のおにぎりを食べ、米沢に向かった。
国道13号で米沢に着くと、今晩の宿、小野川温泉へ。共同浴場「尼湯」前の温泉旅館「亀屋万年閣」に到着したのは21時05分。古風さを今に残すような温泉宿。こうして第14湯目の「宿湯」に入った。湯につかりながら、炎熱地獄の中の温泉めぐりでよくぞ体がもったと感謝した。それにしても辛い1日。真冬の温泉めぐりがしきりと思い出されてならなかった。極寒地獄と炎熱地獄、どちらの方がより大変だったかの判定を下すのは難しい。どっちもどっちだ。
朝湯 | 山形温泉「蔵王荘」 |
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朝食 | 山形温泉「蔵王荘」 ご飯、味噌汁、焼魚、納豆、サラダ、ゴボウ、ナス、漬物 |
8時50分 | 山形温泉「蔵王荘」を出発 |
刈田峠(峠返し) | |
2312湯目 | 蔵王温泉「下湯共同浴場」(200円) |
2313湯目 | 山形うわの温泉「天神乃湯」(300円) |
2314湯目 | 黒沢温泉「ウェルハートピア山形」(400円) |
龍王温泉(休業中) | |
2315湯目 | 百目鬼温泉「百目鬼温泉」(300円) |
2316湯目 | 山辺温泉「山辺温泉保養センター」(300円) |
2317湯目 | 上山温泉「下大湯公衆浴場」(100円) |
昼食 | 上山温泉の「清来軒」 冷やしラーメン(650円) |
2318湯目 | 河崎温泉「ふじや旅館」(300円) |
2319湯目 | 葉山温泉「葉山公衆浴場」(100円) |
高松温泉(入浴のみ不可) | |
中山温泉(休業中) | |
2320湯目 | ハイジア温泉「ハイジアパーク」(700円) |
2321湯目 | 宮内温泉「宮内温泉本館」(300円) |
2322湯目 | 赤湯温泉「とわの湯」(100円) |
2323湯目 | まほろば温泉「温もりの湯」(300円) |
2324湯目 | 高畠駅舎温泉「太陽館」(300円) |
夕食 | 高畠駅近くの「セブンイレブン」 おにぎり |
21時 | 小野川温泉「亀屋万年閣」(1泊朝食6600円) |
2325湯目 | 小野川温泉「亀屋万年閣」 |
本日の走行距離数 195キロ | |
本日の温泉入浴数 14湯 |
山形温泉「蔵王荘」の朝湯に入る | 「蔵王荘」の朝食 | 「蔵王荘」を出発 |
蔵王エコーラインの刈田峠 | 蔵王温泉「下湯共同浴場」 | 「下湯共同浴場」の湯 |
山形うわの温泉「天神乃湯」 | 「天神乃湯」の露天風呂 | 百目鬼温泉「百目鬼温泉」 |
「百目鬼温泉」の湯 | 上山温泉「下大湯公衆浴場」 | 「下大湯公衆浴場」の湯 |
上山温泉の「清来軒」の「冷やしラーメン」 | 河崎温泉「ふじや旅館」の湯 | 葉山温泉「葉山公衆浴場」の湯 |
まほろば温泉「温もりの湯」 | 「セブンイレブン」の「おにぎり」 |