カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[238日目]

投稿日:2019年11月4日

「じっと入っていろよ!」

北海道編 14日目(2007年9月3日)

 赤井川温泉「グリーンピア大沼」の朝湯に入る。大浴場と露天風呂の湯にどっぷりつかる。朝湯は最高!

 朝湯から上がるとバイキングの朝食を食べ、9時30分に出発。音をたてて雨が降っている。

 国道5号で八雲へ。

 第1湯目は濁川温泉。ミニカルデラの小盆地に何軒かの温泉宿。その入口にある「にこりの湯」に入る。内風呂と露天風呂はともににごり湯。加温ナシ、加水ナシ、循環ナシ、ろ過ナシ、消毒ナシのいい湯だ。

 第2湯目は上の湯温泉。ここには「清龍園」と「銀婚湯」、2軒の温泉宿がある。そのうち、手前の「清龍園」の湯に入った。大浴場と露天風呂。ともに熱めの湯。源泉は98.0度という超高温湯。ここは登別温泉と並ぶ北海道でも一、二の高温湯なのだ。

 第3湯目は桜野温泉。ここは道南屈指の秘湯。山中の一軒宿「熊嶺荘」の湯に入る。内風呂と露天風呂。ともに若干のにごり湯。ミネラル分の濃い味がする。露天風呂のすぐ下を野田追川の渓流が流れている。

 国道5号沿いの野田追で昼食。「東天巧」で「ラーメンおむすびセット」を食べた。

 第4湯目は浜松温泉「遊楽亭」。大浴場と露天風呂。浴室からは国道5号を見下ろし、内浦湾(噴火湾)を眺める。ここはなつかしの温泉。以前は「ホテル光州」という温泉宿だった。何しろ国道5号のすぐわきで、宿泊費も高くなかったので、何度か泊まったことがある。泊まった温泉というのはいつまでも忘れないものだ。

 第5湯目は八雲温泉「おぼこ荘」。大浴場と露天風呂。ともににごり湯で黄緑っぽい湯の色。渓流沿いの大露天風呂は自然度満点だ。

 第6湯目は和の湯温泉「和の湯」。農場の中にポツンとある一軒宿の温泉。「えー、こんなところに…」と思わせるような温泉なのだが、何台も車が停まり、何人もの入浴客が来ていた。湯の良さにひかれて常連客がやってくるようだ。内風呂と露天風呂。ともににごり湯でかなり濃い味がする。

 八雲から長万部へ。長万部に到着すると、JR長万部駅前でDRを停めた。

 第7湯目は二股温泉。一軒宿「二股らぢうむ温泉旅館」はすっかり装いを新たにして、きれいな建物になっていた。入浴料もぐっと高くなり1000円。浴室もきれいになり、かつてのあのおどろおどろしさはない。ただ、内風呂も露天風呂も混浴のままなのが以前とかわらない。ここには女性の入浴客も多くやってくるが、湯の中でタオルは使えない。

 まずは内風呂の湯につかる。色の濃いにごり湯。その効き目には定評のある湯。かなり濃い味がする。つづいて露天風呂に入る。2人の男性と若いカップルが入っていた。女性の方はまわりの目を気にすることなく、堂々と入っているのがじつに好ましい。ところで2人の男性入浴客だが、1人は平然と湯船によりかかってまわりの風景を見ている。ところがもう1人の男性入浴客はそわそわと落ち着きがなく、やたらとポジションを変え、若い女性がすこしでもよく見えるようなところに場所を移す。露骨だ。

「おい、おい、もうすこし、じっと入っていろよ!」といいたくなるような仕草。ほんとうに見苦しい。救いなのは若い女性がそんな男の目をまったく無視して湯につかりつづけていたことだ。男のこんな目が女性客を混浴の湯から遠ざけてしまう。

 第8湯目は長万部温泉。「長万部温泉ホテル」の「大衆浴場」に入る。おもしろい形をした円形(変形)の湯船。2つに仕切られ、ひとつは熱め、もうひとつは若干、温め。この長万部温泉もなつかしの温泉。ここは国道5号と国道37号の分岐点で交通至便の地。温泉街には何軒かの宿があり、おまけにけっこう遅い時間でも泊めてくれるので、やはり何度か泊まったことがある。

 長万部温泉「長万部温泉ホテル」の「大衆浴場」の湯から上がると、長万部ICから道央道に入り、次の豊浦ICへ。その間はけっこう長い距離。天気は大荒れ。雨はそれほどでもなかったが、猛烈な風が吹きまくっている。この間の道央道は片側1車線で対面通行。交通量は極少。まるで無人の荒野を行くかのようだ。DRのアクセル全開で嵐の中を突っ走る。辛いのは海から吹きつけてくる突風だ。真横から吹かれるので、フワーッとバイクが浮き上がるかのようだ。それでもアクセルをゆるめないカソリ。

「嵐なんかに、負けていられるか〜!」
 という気分だ。

 第9湯目は豊浦温泉「しおさい」。大浴場と露天風呂。無味無臭の湯はかなり濃い茶色をしている。湯から上がると食堂で夕食にする。豊浦産のホタテを使った「ホタテフライ定食」を食べた。

 夕食を食べ終わると、ドドドドドッと疲れが噴き出し、もう動きたくなくなってしまった。さきほどの嵐との無用な勝負が裏目に出てしまったようだ。ほんとうはこのまま洞爺湖畔まで行き、もう2、3湯の温泉に入るつもりでいた。だが、急きょ、予定を変更。フロントに行くと、「大丈夫ですよ。泊まれますよ」といわれ、「しおさい」に泊まることになった。18畳の広い部屋。そこに自分一人で泊まる。布団に横になると「瞬間寝」で、3、4秒で深い眠りに落ちていった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 赤井川温泉「グリーンピア大沼」
朝食 赤井川温泉「グリーンピア大沼」 バイキング
9時30分 赤井川温泉「グリーンピア大沼」を出発
2516湯目 濁川温泉「にこりの湯」(500円)
2517湯目 上の湯温泉「清龍園」(500円)
2518湯目 桜野温泉「熊嶺荘」(500円)
昼食 野田追の「東天巧」 ラーメンおむすびセット(650円)
2519湯目 浜松温泉「遊楽亭」(450円)
2520湯目 八雲温泉「おぼこ荘」(380円)
2521湯目 和の湯温泉「和の湯」(390円)
2522湯目 二股温泉「二股らぢうむ温泉旅館」(1000円)
2523湯目 長万部温泉「長万部温泉ホテル」(390円)
19時 豊浦温泉「しおさい」(1泊朝食5650円)
2524湯目 豊浦温泉「しおさい」
夕食 豊浦温泉「しおさい」ホタテフライ定食(800円)
本日の走行距離数 256キロ
本日の温泉入浴数 9湯

赤井川温泉「グリーンピア大沼」からの眺め「グリーンピア大沼」の朝湯に入る「グリーンピア大沼」の朝食

赤井川温泉「グリーンピア大沼」からの眺め 「グリーンピア大沼」の朝湯に入る 「グリーンピア大沼」の朝食

濁川温泉「にこりの湯」「にこりの湯」に入る上の湯温泉「清龍園」

濁川温泉「にこりの湯」 「にこりの湯」に入る 上の湯温泉「清龍園」

「清龍園」の湯桜野温泉「熊嶺荘」「熊嶺荘」の内風呂

「清龍園」の湯 桜野温泉「熊嶺荘」 「熊嶺荘」の内風呂

「熊嶺荘」の露天風呂「熊嶺荘」の露天風呂に入る野田追の「東天巧」で昼食。「 ラーメンおむすびセット」を食べる

「熊嶺荘」の露天風呂 「熊嶺荘」の露天風呂に入る 野田追の「東天巧」で昼食。「 ラーメンおむすびセット」を食べる

八雲温泉「おぼこ荘」「おぼこ荘」の露天風呂和の湯温泉「和の湯」

八雲温泉「おぼこ荘」 「おぼこ荘」の露天風呂 和の湯温泉「和の湯」

二股温泉「二股らぢうむ温泉旅館」長万部温泉「長万部温泉ホテル」豊浦温泉「しおさい」の「ホタテフライ定食」

二股温泉「二股らぢうむ温泉旅館」 長万部温泉「長万部温泉ホテル」 豊浦温泉「しおさい」の「ホタテフライ定食」

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