カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[253日目]

投稿日:2020年1月7日

「温泉は自然の賜物」を実感!

北海道編 29日目(2007年9月18日)

 かんの温泉の朝湯に入る。大浴場→中浴場→露天風呂と1時間かけてめぐった。これらの湯はそれぞれに泉質が違う。

 大浴場には大風呂の「毘沙門の湯」と小さな湯船の「布袋の湯」、それと湯滝風の「恵比寿の湯」がある。「毘沙門の湯」の泉質は含ぼう硝重曹食塩鉄泉、「布袋の湯」は含炭酸重曹食塩泉、「恵比寿の湯」は重曹食塩泉。中浴場には含硫酸重曹泉の「不動の湯」と含石膏食塩泉の「大黒の湯」がある。イチイの巨木を使った円形の露天風呂は含石膏食塩鉄泉。そのほかに小浴場の「弁天の湯」(含硼酸重曹食塩泉)と岩風呂の「寿老の湯」(重曹硼酸食塩泉)がある。これらの7湯に入れば「七福神の湯めぐり」になる!

 かんの温泉の温泉めぐりを終えると、ご飯、味噌汁、塩ジャケ、サラダ、昆布、山菜、温泉卵、海苔、梅干、漬物の朝食を食べ、9時に出発だ。

 かんの温泉から然別峡の渓流に下っていく。

 第1湯目はそこにある鹿の湯温泉「鹿の湯」。「国設然別峡キャンプ場」の入口にDRを停め、歩いてキャンプ場を通り抜けていく。然別川の渓流に下ったところに無料湯の混浴露天風呂。誰もいない湯にどっぷりつかる。黄緑色っぽい湯の色。然別川が目の前だ。川音が耳にこびりつく。

 鹿の湯温泉を皮切りに然別林道で上流へ。

 第2湯目はテムジンの湯温泉「テムジンの湯」。ここも無料湯の混浴露天風呂。2本の支流が合流する地点にある。川音は一段と大きなものになる。岩で囲った湯船。青味がかった湯の色。底の砂の中から湯がブクブクと湧き出ている。

 第3湯目はペニチカの湯温泉「ペニチカの湯」。然別峡林道支線の行き止まり地点から渓流に下ったところにある。ここも無料湯の混浴露天風呂。一番大きな湯船は熱くて入れないので、小さな湯船(湯溜まり)に入った。岸壁からはタラタラと湯が流れ落ちてくる。北海道の自然そのものといった温泉だ。「温泉は自然の賜物」を実感!

「ペニチカの湯」につかっているときのことだ。何やら動物の気配がする。一瞬、「あ、熊だ!」と身構えた。すると何と「佐々木さん!」だった。「何で、何でここがわかったんですか!?」と何度も聞いてしまった。信じられないような場所での佐々木さんとの出会いだ。

「カソリの捕獲」に執念を燃やす佐々木さんは、夜明け前に名寄を出発した。士別の友人の西尾さんを引っ張りこんでやってきた。西尾さんはかんの温泉の入口で待っているという。「カソリ捕獲」に成功した佐々木さんは満面の笑みを浮かべているが、それにしてもすごい読みではないか。

 然別峡には今回の「鹿の湯」、「テムジンの湯」、「ペニチカの湯」のほかにも「シリコトルの湯」、「キヌプの湯」、「ピラの湯」、「メノコの湯」などがあるが、また別の機会に入ってみたい。とはいっても、どこをとっても探し出すのが大変な温泉なのである。

「佐々木さん」&「西尾さん」と一緒に白樺峠を越え、然別湖へと下っていく。湖畔に立ち、対岸の山を眺めた。ここが「カブタン指令第6号」のポイント。見ればみるほどいい眺めだ。カブタンのカキコミによると、対岸の山は「唇山」というそうだ。なるほど山影が湖面に映ると、ちょうど唇のように見える。

 第4湯目は山田温泉「山田温泉」の湯。まだ9月だというのにストーブがついている。ここは大浴場の内風呂のみ。無色透明の湯。飲泉可でクセのない味。コップに1杯、ゴクンと飲んだ。

 第5湯目は然別峡温泉「ホテル風水」の湯。大浴場と露天風呂。無色透明の湯にどっぷりつかる。浴室からの眺めがすごくいい。

 然別湖畔の2湯に入り、幌鹿峠を越えて糠平に出た。糠平から国道273号で上士幌へ。上士幌温泉「ふれあいプラザ」は14時30分からの営業なのでパスした。

 上士幌から国道241号で足寄に向かう。その途中の「プチレスト鷹の巣」で昼食にする。ここは佐々木さんおすすめの店。やはり佐々木さんのおすすめメニューの「もみじ丼」を食べた。鹿肉丼だ。丼飯の上に味付けした鹿肉がゴッソリのっている。食べ終わったところで、士別へと帰っていく西尾さんと別れた。

 さらに佐々木さんとの温泉めぐりがつづく。

 第6湯目は芽登温泉「芽登温泉」の湯。大浴場と露天風呂。大浴場には熱めの湯と温めの湯の2つの湯船。無色透明の湯につかりながら佐々木さんとの温泉談義で盛り上がる。湯から上がると、ナタデココで乾杯!

 第7湯目は足寄温泉「町民健康増進センター」の湯。プレハブ風の建物だが湯はすごくいい。大浴場の内風呂のみだが、広い湯船の無色透明の湯にまったりつかった。

 第8湯目は本別温泉「本別温泉グランドホテル」の湯。大浴場と露天風呂。大浴場には熱めの湯と温めの湯の2つの湯船。露天風呂には壺湯もある。ここも無色透明の湯だ。

 18時30分、第9湯目はしほろ温泉「プラザ緑風」に到着。ここが今晩の宿。湯から上がったところで佐々木さんと別れた。

「またな!」

 佐々木さんは三国峠、塩狩峠を越えて、ナイトランで名寄へと帰っていく。

 佐々木さんと別れたあとはカンビールで自分一人で乾杯。そのあと夕食の「味噌ラーメンライス」を食べた。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 かんの温泉「かんの温泉」
朝食 かんの温泉「かんの温泉」 ご飯、味噌汁、塩ジャケ、サラダ、昆布、山菜、温泉卵、海苔、梅干、漬物
9時 かんの温泉「かんの温泉」を出発
2637湯目 鹿の湯温泉「鹿の湯」(無料)
2638湯目 テムジンの湯温泉「テムジンの湯」(無料)
2639湯目 ペニチカの湯温泉「ペニチカの湯」(無料)
出会い 佐々木さん、西尾さん
白樺峠(峠越え)
2640湯目 山田温泉「山田温泉」(550円)
2641湯目 然別湖畔温泉「ホテル風水」(1000円)
上士幌温泉(入れず)
昼食 国道241号沿いの「プチレスト鷹の巣」もみじ丼(500円)
2642湯目 芽登温泉「芽登温泉」(500円)
2643湯目 足寄温泉「町民健康増進センター」(300円)
2644湯目 本別温泉「本別温泉グランドホテル」(450円)
18時30分 しほろ温泉「プラザ緑風」(1泊朝食6740円)
2645湯目 しほろ温泉「プラザ緑風」
夕食 しほろ温泉「プラザ緑風」味噌ラーメンライス(700円)
本日の走行距離数 199キロ
本日の温泉入浴数 9湯

かんの温泉「かんの温泉」の朝湯に入る「かんの温泉」の露天風呂「かんの温泉」の朝食

かんの温泉「かんの温泉」の朝湯に入る 「かんの温泉」の露天風呂 「かんの温泉」の朝食

鹿の湯温泉「鹿の湯」テムジンの湯温泉「テムジンの湯」然別峡を行く

鹿の湯温泉「鹿の湯」 テムジンの湯温泉「テムジンの湯」 然別峡を行く

ペニチカの湯温泉「ペニチカの湯」佐々木さん(右)、西尾さんとの出会い然別湖

ペニチカの湯温泉「ペニチカの湯」 佐々木さん(右)、西尾さんとの出会い 然別湖

山田温泉「山田温泉」「山田温泉」の湯然別湖畔温泉「ホテル風水」の湯

山田温泉「山田温泉」 「山田温泉」の湯 然別湖畔温泉「ホテル風水」の湯

「プチレスト鷹の巣」の「もみじ丼」芽登温泉「芽登温泉」足寄温泉「町民健康増進センター」

「プチレスト鷹の巣」の「もみじ丼」 芽登温泉「芽登温泉」 足寄温泉「町民健康増進センター」

本別温泉「本別温泉グランドホテル」しほろ温泉「プラザ緑風」の「味噌ラーメンライス」

本別温泉「本別温泉グランドホテル」 しほろ温泉「プラザ緑風」の「味噌ラーメンライス」  

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