カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

第65回 若桜

投稿日:2011年3月6日

2010年 林道日本一周・西日本編

山陰のロングダートは壊滅状態か?

 早朝の鳥取駅前を出発。若桜街道(播州街道)の国道29号で若桜(わかさ)へと向かう。
 国道沿いの「吉野家」で朝食。ご飯大盛の「納豆定食」を食べる。これはカソリの定番メニューだ。
 千代(せんだい)川支流の八東(はっとう)川沿いに走り、若桜に到着。若桜鉄道の終点、若桜駅前でスズキDR-Z400Sを停め、『ツーリングマップル中国・四国』を見ながらのプランニング。
「さー、行くぞ!」
 と、DRにひと声かけて若桜駅前を走り出す。
 若桜から県道103号に入り、第1本目の林道、扇ノ山(おおぎのせん)林道を目指す。中国山地の扇ノ山(1309m)に向かっていく林道。中国山地は最高峰の大山(だいせん)のように、「山」を「せん」読みする山が何山かある。扇ノ山はそのひとつだ。
 来見野川沿いに走り、来見野の集落を過ぎると山中に入っていく。だが道幅がガクンと狭くなったところで通行止め…。このルートでは扇ノ山林道に入れなかった。
 だが、そのくらいのことでは諦めないカソリ、若桜に戻ると、別なルートでのアプローチを考えた。それは国道29号で鳥取方向に戻った八東から、細見川沿いに遡っていくルートだ。
 国道29号から県道37号に入る。しばらく走ったところで県道37号から細見川沿いの道に入っていく。最奥の妻鹿野の集落を過ぎ、森林公園の「ふる里の森」を過ぎると扇ノ山林道のダートに突入。だが1・1キロ走った地点で舗装工事で通行止め。ガックリ。「よし、次の林道だ!」
 と気分を切り替え、再度、若桜駅前に戻った。
 若桜から国道482号で鳥取・兵庫県境の峠に向かっていく。そこからはロングダートの東因幡林道が分岐している。
 東因幡林道は「日本一周・中国山陰編」のハイライトといっていい林道だ。
 国道482号の鳥取・兵庫県境の峠に到着。国道は峠で通行止め。兵庫県側には入っていけなかった。その名無し峠で左方向に分岐するのが東因幡林道。だがこの東因幡林道もすぐに通行止め。またしてもガックリ…だ。
 東因幡林道を最後に走ったのは2003年の秋のことで、そのときは15・2キロのダート距離。『ツーリングマップル』を見ると、今でも全線がダートのようなので、15・2キロのダート距離は変らないと思う。
 東因幡林道を走れずに、国道482号で若桜に戻っていく。
 その途中にある若桜ゆはら温泉「ふれあいの湯」(入浴料400円)に入る。山間の素朴さの漂う温泉。小さな湯船の湯につかっていると、連続して林道を走れなかったいやな思いは吹っ飛び、「さー、行こうか」という気分になった。
 これが温泉効果というものだ。
 若桜に戻ると、国道29号で鳥取・兵庫県境の戸倉峠に向かっていく。
 さきほどの国道482号との分岐点を過ぎた糸白見の集落から、最後の望みを託して糸白見林道に入っていく。この林道は通り抜けできない行き止まりの林道だが、ダート距離は10キロを超える。その糸白見林道もダートに突入し、6・2キロ地点まで行った地点にゲート。これで万事休す。
「中国山陰編」では結局、1本も、ロングダートを走れなかった。残念無念…。
 落ち込んだ気分で国道29号の鳥取・兵庫県境の戸倉峠を越え、中国から関西に入っていった。

フォトアルバム

鳥取駅前を出発
「吉野家」の納豆定食


国道29号を行く
若桜を流れる八東川


若桜の町並み
若桜鉄道の終点の若桜駅


県道103号は通行止め
扇ノ山林道のダートに突入


扇ノ山林道は通行止め
若桜から戸倉峠の方向を眺める


国道482号を行く
国道482号は通行止め


国道482号の鳥取・兵庫県境からの眺め
東因幡林道のダートに突入!


東因幡林道は通行止め
若桜ゆはら温泉「ふれあいの湯」




国道29号の鳥取・兵庫県境の戸倉峠

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