第213回 願念寺
投稿日:2012年2月3日
2010年 林道日本一周 日帰り林道走破行
林道経由福井日帰り1082km走破で幕を下ろす
ビッグボーイでの「日帰り・林道走破行」第3弾目。ダート11・5キロの妙高小谷林道を走り、信州の名湯、小谷温泉から国道148号に下った。
国道148号に出ると北へ、姫川沿いに走る。
国界橋を渡って新潟県に入り、糸魚川へ。糸魚川に到着すると姫川の河口で日本海を見た。
糸魚川からは富山、金沢、福井と北陸を行く。
糸魚川ICで北陸道に入り、親不知トンネルを抜け、富山県に入った越中境PAで昼食。ここでは越中宮崎名物の「たら汁」(500円)を食べた。
たら汁はタラの頭をとり、内臓を取り出し、タラコと肝を別にしたタラをぶつ切りにし、コンブでダシをとった汁に味噌で煮込み、ネギをいれただけの素朴な汁だ。ところが、これがじつにうまい。脂ののった富山湾産のタラの白身と越中味噌が混じり合い、絶妙の味をつくり出している。
富山県内は北陸道で走り抜け、倶利伽羅峠を越えて石川県に入る。
金沢森本ICで高速を降りると金沢の町に入っていく。中心街の香林坊から片町の交差点を通り、犀川にかかる犀川大橋を渡った先でビッグボーイを停めた。
金沢では1ヵ所、どうしても行きたいところがあった。寺町にある願念寺。そこにあるという芭蕉の「奥の細道」の句碑を見たかったのだ。
芭蕉は倶利伽羅峠を越えて加賀に入ると津幡に下り、そこから浅野川にかかる浅野川大橋を渡って金沢城下に入った。
「京や吉兵衛ニ宿かり、竹雀・一笑へ通ズ。即刻、竹雀・牧童同道シテ来テ談。一笑、去十二月六日死去ノ由」
と、曽良の「随行日記」にあるように、尾張町の旅籠京屋吉兵衛に泊った。
宿に着くとすぐに俳人の竹雀と一笑に連絡すると、竹雀と牧童がやってきて、一笑は前の年に若くして死んだと聞かされた。
一笑の死を知らなかった芭蕉の驚きと悲しみは大きく、「塚も動けわが泣く声は秋の風」の句を詠んだ。この句は金沢滞在中、一笑の兄が願念寺で主催した追善の句会で詠んだもの。その句碑が願念寺に建っているというのだ。
国道157号から左手に一歩入ったところにある願念寺に到着すると、探すまでもなく、芭蕉の句碑は目に入った。山門の脇に建っていたからだ。そのような歴史を秘めた願念寺は今ひっそりと静まりかえり、境内に人影はなかった。
金沢から国道8号を行く。小松では古い町並みを通り抜け、大聖寺(加賀市)から牛ノ谷峠を越えて福井県に入った。
福井県では丸岡城の日本最古の天守閣を見、県都、福井では福井城址を歩いた。
夕暮れの福井を出発。敦賀市に入ったところで国道沿いの食堂「のんきや」で夕食。サンマの塩焼きとしめ鯖を食べ、夜の敦賀の町に入っていった。
「終った!」
敦賀ICで高速道に入り、北陸道→名神→東名と走り、秦野中井ICで降りた。伊勢原の我が家に戻ってきたのは24時。19時間で1082キロを走った「日帰り・林道走破行」の第3弾目。これを最後に「林道日本一周2010」を終えた。
(了)
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