カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

環日本海ツーリング[34]

投稿日:2012年4月4日

雄大な北海道の風景が車掌に広がる

 宗谷本線の旭川行き1両編成のワンマンカー(ディーゼル)は6時24分、稚内駅を定刻通りに出発。乗客はぼく1人。次の南稚内駅で2、3人乗ったが、車内はガラガラだ。
 南稚内駅を過ぎると日本海が見えてくる。列車は海岸段丘上を走るので長く延びる海岸線を見下ろせた。日本海の向こうには利尻島。利尻富士(1719m)のつんと尖った山頂が目に残る。丘陵の斜面はクマザサで覆いつくされている。クマザサの風に哭く音が聞こえてくるよう。「稚内→函館」間で日本海を見たのはこの時だけだ。
 列車は抜海、勇知、兜沼…と各駅に停まっていく。車窓には道北の広大な牧草地が広がっている。
 7時09分、豊富温泉のある豊富に到着。豊富を過ぎると車窓の風景は日本離れした雄大なものとなり、地平線が見える。このあたりはサロベツ原野の東端になる。線路沿いの樹木は南東に向かっておじぎをするように傾いている。日本海から吹きつける北西の季節風のせいなのだろう。

稚内駅を出発
抜海駅


車窓には広大な牧草地が広がる
勇知駅


幌延駅
列車は道北の荒野を疾走!


 7時25分、幌延に到着。幌延を過ぎると列車は道北の大河、天塩川に沿って走る。川の両岸には牧場がつづく。広々とした牧場には乳牛が見られる。羊の姿も見える。
 南幌延、問寒別、天塩中川…と天塩川沿いの駅に停まっていく。
 天塩中川駅はなつかしの駅。「鈍行乗り継ぎ日本一周・温泉めぐり」で駅近くのぽんぴら温泉に入った。
 8時40分、音威子府に到着。ここでは1時間以上、停車時間があるので列車を降りる。駅構内には真っ黒な色をした「音威子府そば」の立ち食い店があるが、残念ながらまだ閉まっていた。駅舎を出て国道40号沿いの町並みを歩き、悠々と流れる天塩川を眺めた。

道北の大河、天塩川が見えてくる
問寒別駅


ぽんぴら温泉のある天塩中川駅
音威子府に到着


音威子府の駅前旅館
音威子府の町並みを貫く国道40号


国道40号と国道275号の分岐点
音威子府を流れる天塩川


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