アドレス日本巡礼[187]
投稿日:2014年11月20日
国境をまたいだ宿場
関ヶ原宿から美濃路最後の今須宿へ。ここは中山道第59番目の宿場。「美濃16宿」とよくいわれるが、落合宿から鵜沼宿までの「東濃9宿」と、加納宿から今須宿までの「西濃7宿」を合わせて「美濃16宿」になる。
美濃と近江の国境(岐阜・滋賀の県境)に到着。そこには「近江美濃両国境寝物語」と書かれた国境の碑が立っている。国境は細い溝だ。今須宿は国境をまたぐ宿場。国境をはさんで両国の旅籠があり、旅籠の壁越しに「寝ながら他国の人間と話をすることができる」ということで、「寝物語の里」といわれるようになったという。
国境を通過し、美濃から近江に入った。近江は一国一県で、近江の全域が今の滋賀県になっている。
近江路最初の柏原宿は大きな宿場。目を引くのは「伊吹堂亀屋」の建物。伊吹艾を商う老舗だ。お灸に使う艾は柏原宿の特産品で、最盛期には10軒以上もの店があったという。ここでは昔ながらの民家を改装した「柏原宿歴史館」を見学した。
柏原宿を過ぎたところで国道21号に合流し、醒井宿へ。
醒井宿は「名水の里」。西行水や十王水、居醒の清水などの湧水を集めた地蔵川が中山道の旧道に沿って流れている。澄みきった川の流れだ。そのうちの「居醒の清水」は伊吹山の大蛇の毒にやられた日本武尊が、この湧水で体を冷やしたところ高熱が下がり、体が元に戻ったという伝説の清水。ここには日本武尊像が建っている。醒井の地名も日本武尊伝説に由来している。
醒井宿から醒井渓谷にある醒井養鱒場(入場料450円)に行き、隣接する食事処「きたがわ」で「鱒定食」(2500円)を食べた。塩焼き、洗い、フライ、甘露煮と、醒井ならではの鱒三昧の「鱒定食」だ。