V-Strom1000で行く台湾[29]
投稿日:2015年10月11日
旅のゴール
埔里から台湾有数の観光地の日月潭へ。周囲35キロの日月潭はダム湖だが、台湾最大の湖になっている。広い駐車場にV−ストロームを止めると、大勢の観光客が押し寄せるビジターセンターへ。湖の対岸の高層ホテルは、中国人観光客専用に造られたものだという。台鈴の李さんにいわせると、日月潭は中国人観光客には大人気なのだという。日月潭は湖に浮かぶ「拉魯(ラル)島」を境に東側が「日」、西側が「月」の形に似ているのでその名がある。「ラル」は先住民サオ族の言葉で、「祖先の霊が眠る場所」の意味だという。日月潭とその周辺の山々はサオ族の生活の舞台で、梟(フクロウ)がサオ族にとって吉祥のシンボルになっている。このあたりは日本のアイヌ文化とすごく似ている。「銀の滴降る降るまわりに 金の滴降る降るまわりに」で始まる『アイヌ神謡集』(知里幸恵編訳)の「梟の神の自ら歌った謡」を連想させるが、アイヌにとって梟は神なのだ。
日月潭が今回のみなさんとの旅のゴール。ビジターセンター内のレストランでアイスコーヒーを飲み、ミートパイを食べたところで、参加者のみなさん一人一人に「生涯旅人!」のカソリのサイン入りの参加証明書を手渡した。台鈴の李さんももらった。そのあと駐車場で全員の集合写真を撮った。
「これでみなさんとお別れか…」
と思うと、寂しさが胸にこみ上げてくるのだった。