函館山と砲台跡
投稿日:2009年11月14日
津軽要塞、函館山
函館のシンボル、函館山の山頂には、山麓駅からロープウェーで登った。
そこからの展望はまさに絶景。函館の街並みが一望できる。足元には元町を中心とする西部地区の街並みを見下ろす。駅前の繁華街大門にはビルが建ち並んでいる。函館港がよく見える。目をすこし遠くにやると、緑に包まれた五稜郭公園が見える。電停の五稜郭公園前周辺は新興の繁華街で、やはりビルが建ち並んでいる。
函館の街並みは横津岳の方に向かって拡大している。横津岳の右肩越しには、駒ケ岳が見える。
函館山の標高は334メートルでしかないが、海からそそりたっているので、数字以上の高さに感じられる。
函館山は牛が寝そべったような形をしているところから臥牛山とも呼ばれているが、ロープウェーの山頂駅のある御殿山をはじめ、薬師山、つつじ山など全部で13の山々の総称。その最高峰が標高334メートルの御殿山になる。
北海道遺産になっているのは「函館山と砲台跡」。函館山には津軽海峡警備の「津軽要塞」があった。
山を見るんでない!
函館山の要塞は日露戦争前の明治38年(1898年)に始まり、日露戦争最中の明治38年(1905年)までに司令室や砲台、発電所、観測所など17の施設が建設されたという。函館山は山全体が軍事機密となり、地形図から消え、一般人の入山や写真撮影は厳しく制限された。
「カブタンとノンタンの北海道遺産」ブログには、
「当時の子供たちは函館山を眺めていると、『山を見るんでない! そこに山はないんだよ』って、大人に怒られたことがあるって、聞いたことがあります」
と書かれているが、地図から消された要塞地帯をじつにうまく表現している。
函館山の要塞は太平洋戦争終結の昭和20年(1945年)までつづくことになる。
半世紀近くにわたって一般人の立ち入りが禁止されたおかげで、函館山には豊かな自然が残り、「自然の宝庫」になっている。
以前、1時間ほど歩いて山頂まで登ったことがるが、深山を思わせるような密生した森には驚かされた。
「えー、函館の中心街のこんな近くに!」
あまりにも有名になったが、函館山からの夜景はすばらしい。
函館港と大森浜、両方を海にはさまれているので、キラキラ光り輝く町明かりが、いっそうきわだって見える。函館の夜景は香港、ナポリと並ぶ「世界三大夜景」だと称されている。