カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

奥の細道紀行[1]

投稿日:2016年7月6日

みちのくへ旅立つ

東京都江東区/2009年

 我が「60代編・日本一周」は2008年10月1日から2008年12月27日までの間で、「西日本編」と「東日本編」の2分割でまわった。「西日本編」が10月1日から11月11日までの42日間、「東日本編」が11月20日から12月27日までの38日間で、合計すると80日間の「日本一周」。スズキの125ccスクーター、アドレスV125Gで19961キロを走った。

 翌2009年は「60代編・日本一周」の第2部になる。

 第2部の第1弾目は4月1日から6月20日までの「巡礼日本一周」。それにひきつづいての第2弾目は「奥の細道紀行」。「巡礼日本一周」の後の「チベット横断」(7月1日〜8月4日)を走り終え、8月17日に出発した。

「奥の細道」は日本人の書いた紀行文の中では最高傑作といっていいもので、いままでに何度も読んでいるが、その文庫本を片手にスズキの250ccバイク、ST250を走らせた。「奥の細道」にまつわるポイントはいままでに何度も訪れているが、通してまわるのは今回が初めてのことになる。それだけに気持ちがわくわくしてくる。この旅立ちの高揚感はたまらない。

 出発点は東京・日本橋。日本橋を走り出すと、まずは隅田川を渡り、森下へ。森下の昭文社制作本部前の交差点でST250を停める。そこは芭蕉旧跡の地。小名木川にかかる万年橋たもとに芭蕉の旧居(芭蕉庵)跡がある。今では「芭蕉稲荷神社」がまつられている。すぐ近くの隅田川河畔の「芭蕉庵史跡庭園」には、芭蕉像が建っている。そこは墨田川と小名木川の合流地点ですばらしい眺め。隅田川の上流側には新大橋、下流側には清洲橋がかかっている。隅田川の対岸には東京都心のビル群。とくに夕日がビル群に当たる頃の眺めといったら目の底に残るようなもので、ぼくの好きな東京の一シーンなのだ。

 昭文社の制作本部前の交差点から清澄通りに出ると門前仲町の方向に走り、仙台堀川にかかる海辺橋を渡った「採茶庵跡」でST250を停めた。そこには芭蕉旅立ちの像が建っている。芭蕉の旅立ちの像を見て、みちのくへと旅立つカソリだった。

日本橋を出発

▲日本橋を出発

森下の芭蕉旧居(芭蕉庵)跡

▲森下の芭蕉旧居(芭蕉庵)跡

隅田川と小名木川の合流地点

▲隅田川と小名木川の合流地点

隅田川河畔の「芭蕉庵史跡庭園」の芭蕉像

▲隅田川河畔の「芭蕉庵史跡庭園」の芭蕉像

仙台堀川のたもとに建つ芭蕉旅立ちの像

▲仙台堀川のたもとに建つ芭蕉旅立ちの像

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