カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

東北四端紀行[14]

投稿日:2017年2月17日

東端編 3 深山幽谷の地を行く

2009年9月10日~10月9日

県道9号から見る大船渡湾

県道9号から見る大船渡湾

活気のある綾里漁港

活気のある綾里漁港

ロングダートの垂水林道を行く

ロングダートの垂水林道を行く

井戸洞林道

井戸洞林道

国道45号の大峠

国道45号の大峠

越喜来湾の泊漁港

越喜来湾の泊漁港

国道45号の鍬台峠。峠の手前から大六林道に入る

国道45号の鍬台峠。峠の手前から大六林道に入る

大六林道

大六林道

ロングダートの烏頭林道

ロングダートの烏頭林道

小壁崎突端の岩場

小壁崎突端の岩場

吉浜湾の小壁漁港

吉浜湾の小壁漁港

唐丹湾の唐丹漁港

唐丹湾の唐丹漁港

釜石湾の釜石港

釜石湾の釜石港

釜石の「生ウニ丼」

釜石の「生ウニ丼」

 広田半島(陸前高田)の広田崎と黒崎、末崎半島(大船渡)の碁石岬と、岬をめぐり、県道275号→県道38号で大船渡の町に入っていった。大船渡からはさらに東北東端の三陸海岸を北上する。東北の最東端は重茂半島のとどヶ崎だ。

 岩手県南部の「陸前高田→宮古」間の三陸海岸の大きな特徴は「岬と峠」だ。この間の地形は「沈降海岸」で、リアス式の入り組んだ海岸線になっている。そのため数多くのの岬があり、小半島があり、半島と半島の間の湾がいくつもある。三陸海岸の幹線の国道45号は海に落ち込む山並みの峠を次々に越えていく。

 それに対して岩手県北部の「宮古→久慈」間の三陸海岸の大きな特徴は、鵜ノ巣断崖のような「断崖」だ。この間の地形は「隆起海岸」で、海岸段丘が発達している。海岸線は直線的で、段丘はストンと断崖となって太平洋に落ちている。

 大船渡を出発。大船渡湾沿いの県道9号で綾里へ。活気に満ちた綾里漁港を見たあと、垂水林道に入っていく。スズキDR−Z400Sの林道走破性は抜群で、ラフダートを一気に駆け抜ける。小半島東端の岬は綾里岬で展望台からは太平洋を一望。垂水林道はダート14・0キロというロングダート。海のすぐそばを走っているとは思えないほどの山深い風景がつづく。綾里岬を過ぎると、海は大船渡湾から綾里湾に変わる。小半島を一周して綾里に戻ってきた。

 垂水林道での小半島一周を終え、三陸鉄道の綾里駅近くで県道9号に出ると、狭路の峠道を登っていく。展望ポイントからは綾里湾を一望する。峠を越えると、海は綾里湾から越喜来湾に変わる。井戸洞林道経由で国道45号の大峠(三陸トンネル)を越え、越喜来の町に下っていった。

 越喜来からは次の小半島に入っていく。ここでは大六山(513m)の中腹を縫う大六林道を走った。林道入口は国道45号の鍬台峠のトンネルの手前。ここではひんぱんにシカと出会った。路肩で見かけた小鹿はかわいらしかった。ダート5・8キロの大六林道を走り切ると崎浜漁港に出た。そこからはさらに東に延びるくびれた形の小半島に入っていく。烏頭林道でこの小半島を一周。烏頭林道はダート13・6キロでうれしいロングダートだ。『ツーリングマップル東北』を見ると、この小半島には大塩岬、半島東端の首崎、小壁崎といった岬があるが、そのうち行けたのは小壁崎だけ。ここでも海が越喜来湾から吉浜湾に変わった。

 吉浜湾の一番奥の吉浜からは県道250号で次の小半島に入っていく。ここでも海のすぐ近くを走っているとは思えないような山深い風景がつづく。険しい山並みがストンと落ちる三陸のリアス式海岸を実感できるルートだ。小半島の東端は死骨崎だが、岬までの道はない。死骨崎へとつづく稜線の峠を越えると海は吉浜湾から唐丹湾に変わり、唐丹湾の一番奥の唐丹まで行く。

 唐丹からは県道249号で次の小半島に入っていく。『ツーリングマップル東北』のコメントには「海岸線とは思えないような深山幽谷の地を行く」とあるが、まさにその通りで、早坂峠、佐須峠、黒崎峠と次々に峠を越えていく。小半島最東端の尾崎までははるかに遠く、岬への道はない。ここでも唐丹湾から釜石湾へと海が変わる。

 県道259号から国道45号に出ると釜石へ。釜石港の岸壁にDR−Z400Sを停め、次に釜石駅へ。そして釜石駅近くのビジネスホテル「マルエ」に泊まった。ホテル近くの食堂で夕食にする。「生ウニ丼」を食べたが、カソリ、三陸の海の味覚に大満足だ。

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