静内二十間道路の桜並木
投稿日:2009年12月5日
春に桜、秋にコスモス
国道235号で日高の海岸線を行く。
新ひだか町に入ったところで、JR日高本線の静内駅前でスズキDR?Z400Sを停め、自販機でカンコーヒーを飲み小休止。ひと息入れたところで、北海道遺産になっている「静内二十間道路の桜並木」へ。
広々とした馬牧場を見ながら道道71号を走り、左折し、桜並木の二十間道路に入っていく。エゾヤマザクラなどの桜が3000本、植えられている。桜並木の幅が20間なので、「二十間道路」と呼ばれるようになった。1間は1.818メートルなので、20間というと36.36メートル。約36メートル幅の桜並木だ。
そんな幅広の道が約8キロ、つづく。
そのうち7キロが直線路。
かつてこの地にあった宮内省の御料牧場を視察する皇族たちのためにつくられた道だという。あまりの広さに地元の人たちもきっとびっくりしたことだろう。
大正5年(1916年)から3年をかけて道の両側には約3000本の桜が植えられた。この日本一の桜並木の桜を見ようと、毎年、日本全国から20万人もの花見客がやってくる。ちなみに今年は5月4日に開花し、5月6日には満開宣言が出された。
5月上旬の花の季節には「しずない桜まつり」が開催され、期間中には明治42年に建てられた皇族らの貴賓館「龍雲閣」が公開される。
この二十間道路の桜並木は秋には秋桜の「コスモスロード」に変身。2万3000本の秋桜を見ようとやはり大勢の人たちが訪れる。
ぼくが静内に到着したのは、桜の季節にはほど遠い10月15日。桜はもちろん見られなかったが、秋桜の方も、ほとんど終っていた。
ところでスズキDR?Z400Sを走らせての「北海道遺産めぐり」は我が「60代編日本一周」の一環だ。
この「60代編日本一周」は昨年(2008年)10月1日にスタートさせた。まずは3ヵ月をかけ、125ccスクーターのスズキ・アドレスV125Gを走らせ、約2万キロの「日本一周」を成しとげた。それが第1部になる。
今年の4月1日には第2部を開始。そのパート1では「四国八十八ヵ所めぐり」をした。パート2では「西国三十三ヵ所」、「坂東三十三ヵ所」、「秩父三十四所」の「日本百観音霊場めぐり」をした。パート3では「東京→大垣」の「奥の細道めぐり」をした。そしてパート4が「北海道遺産めぐり」ということになる。
ところで「四国八十八ヵ所めぐり」では東京・日本橋を出発し、京都・三条大橋まで東海道を走った。京都からは大阪、高野山をめぐり、和歌山から徳島にフェリーで渡り、「四国八十八ヵ所」をめぐった。
このときの「東京→京都」の東海道がよかった。
北上する桜前線に向かって走っていったのだが、関東では2、3分から5分咲ぐらいだった桜が箱根峠を越えて静岡に入ると7分咲から8分咲になり、愛知に入ると満開になった。途中、伊勢神宮にも寄ったが、岡崎から京都までは満開の桜を見ることができた。
東海道の「桜前線」の写真を見てもらおう。
桜前線とともに走る
「桜前線」は3月中旬ごろ九州南部をスタート。四国、関西、中部、関東、東北と北上し、4月下旬ごろには北海道に上陸する。函館公園や五稜郭公園、松前公園を皮切りに、5月上旬の札幌・円山公園、登別桜並木、静内二十間道路の桜並木、5月中旬の旭川・旭山公園、帯広・緑ヶ丘公園、5月下旬の塩狩峠一目千本桜、釧路・別保公園、厚岸・子野日公園。そして6月上旬の根室・北隆寺の桜へと北上していく。北隆寺の桜は「日本一遅い桜」で知られている。
この「桜前線」を追って日本列島を北上するのは、きわめて面白い旅の仕方だ。