カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[32日目]

投稿日:2017年7月28日

冬の信州。夜の寒さは強烈だ

甲信編 8日目(2006年12月8日)

 下諏訪温泉「山王閣」の朝湯に入り、ワカサギの甘露煮、塩ジャケ、半熟卵、カマボコ、煮豆、ラッキョウ、オムレツ、ベーコン、ソーセージ、豆腐、ご飯、味噌汁の朝食を食べ、9時出発。諏訪大社下社の秋宮を参拝し、神社に隣り合った中山道と甲州街道の合流点を見る。ここが下諏訪宿の中心。「甲州道中中山道合流之地」碑が建っている。下諏訪宿の図絵もある。甲州街道はここが終点で、中山道は直角に曲がる。角の「桔梗屋」は江戸時代からの老舗の温泉旅館だ。

「さー、行くぞ!」
 と相棒のスズキST250に声をかけ、下諏訪から国道142号で和田峠に向かっていく。まずはその間の諏訪の温泉をめぐった。

 第1湯目は毒沢温泉。ここには「宮乃湯」、「神乃湯」、「沢乃湯」の3湯があるが、それらを総称して毒沢温泉といっている。そのうち「宮乃湯」に入った。源泉は15度と低く、女将さんは「燃料代がかかって大変よ」と嘆いていた。女将さんはまた「ここは正真正銘の信玄の隠し湯ですよ」と胸を張っていう。赤茶色をした有色湯。源泉は飲泉可だが、湯には何とも表現のしようもないほどの渋味がある。これぞまさに「渋湯」だ。

 第2湯目は六峰温泉。源泉そのまんまの湯で熱くて入れない。塩尻から来た人と、「さー、どうしましょう」と思案している最中に、地元の人がやってきた。「かまわないから水をどんどんいれたらいい」ということで、やっと湯に入れた。

 六峰温泉の湯から上がると、和田峠まで行く。有料の新和田峠の入口で折り返す。気温は1度。氷点下になっていないので助かる。1度と0度以下ではずいぶんと違う。

 和田峠から岡谷に下り、第3湯目の岡谷温泉「ロマネット」の湯に入る。円形の大きな湯船のローマ風呂。浴槽の底には小石が敷き詰められている。薄茶色の有色湯。湯から上がると昼食。おろし餅4個とあんこ餅2個を食べた。

 岡谷温泉を出発し、午後の温泉めぐりを開始する。

 天竜川沿いに走り、伊那に入っていく。伊那の温泉を1湯また1湯とめぐっていく。

 第4湯目の大芝高原温泉の日帰り湯「大芝の湯」は設備の整った温泉施設。第5湯目の南沢温泉はそれとは対照的だ。山中の一軒宿「南澤鉱泉旅館」は「廃業湯」寸前(失礼!)というたたずまい。入浴させてもらえたのが不思議なくらい。ここはなつかしの温泉だ。伊那谷と木曽谷を分ける権兵衛峠越えのときに泊まったことがあるが、「ここは伊那第一の秘湯だ!」と思ったほど。それから十数年、南沢温泉は当時のままの木造の温泉宿だった。

 国道361号の権兵衛峠へ。新道の全長4470メートルのトンネルが完成し、伊那と木曽は劇的に近くなった。トンネル入口で折り返し、第6湯目の羽広温泉へ。権兵衛峠の旧道沿いに日帰り湯「みはらしの湯」がある。ここも「大芝の湯」と同じような設備の整った温泉。売りは「みはらしの湯」の名前通りの大展望。だが、すでに日は暮れ、残念ながら大展望を楽しむことはできなかった。大浴場のあと露天風呂に入り、そこから伊那谷の町々の夜景を見下ろした。

 羽広温泉から伊那の中心街へ。三州街道の国道153号を横切り、国道361号で天竜川を渡り、第7湯目の高遠温泉「さくらの湯」に入る。入浴料金が夜間の割引料金になっているのがうれしい。湯にはぬめりがあり、肌がつるつるする。以前にはなかった屋根つきの露天風呂ができている。湯から上がると、大広間で夕食。ボリューム満点の「ソースカツ丼」を食べた。

 高遠温泉から伊那の中心街に戻ると、国道153号を南下し、第8湯目の春近温泉「テルメリゾートINA」の湯に入る。大浴場と露天風呂。湯から上がると、身を切られるような夜風を切り裂いて走り、今晩の宿、早太郎温泉「駒ヶ根温泉ホテル」へ。駒ケ根で県道75号に入り、中央アルプスの最高峰、木曽駒ケ岳(2966m)に向かったところにある。到着は21時。宿に入るとすぐに宿湯につかった。
「生き返った!」。

 冬の信州。夜の寒さは強烈だ。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 下諏訪温泉「山王閣」
朝食 下諏訪温泉「山王閣」 ワカサギの甘露煮、塩ジャケ、半熟卵、カマボコ、煮豆、ラッキョウ、オムレツ、ベーコン、ソーセージ、豆腐、ご飯、味噌汁
9時 下諏訪温泉「山王閣」を出発
和田峠(峠返し)
269湯目 毒沢温泉「宮乃湯」(750円)
270湯目 六峰温泉「食亭六峰」(300円)
271湯目 岡谷温泉「ロマネット」(500円)
昼食 「ロマネット」 「おろし餅」(4個480円)、「あんこ餅」(2個250円)
272湯目 大芝高原温泉「大芝の湯」(500円)
273湯目 南沢温泉「南沢鉱泉旅館」(800円)
権兵衛峠(峠返し)
274湯目 羽広温泉「みはらしの湯」(500円)
275湯目 高遠温泉「さくらの湯」(350円)夜間割引
夕食 「さくらの湯」 「ソースカツ丼」(750円)
276湯目 春近温泉「テルメリゾートINA」(800円)
21時 早太郎温泉「駒ヶ根温泉ホテル」(1泊朝食5300円)
277湯目 早太郎温泉「駒ヶ根温泉ホテル」
本日の走行距離数 143キロ
本日の温泉入浴数 9湯

下諏訪温泉「山王閣」を出発諏訪大社下社の秋宮を参拝ここが中山道と甲州街道の合流地点

下諏訪温泉「山王閣」を出発 諏訪大社下社の秋宮を参拝 ここが中山道と甲州街道の合流地点

下諏訪宿の図絵。上湯、下湯が描かれている中山道と甲州街道の合流点から中山道を見る毒沢温泉「宮乃湯」

下諏訪宿の図絵。上湯、下湯が描かれている 中山道と甲州街道の合流点から中山道を見る 毒沢温泉「宮乃湯」

毒沢温泉「宮乃湯」に入る六峰温泉和田峠の新和田トンネル入口

毒沢温泉「宮乃湯」に入る 六峰温泉 和田峠の新和田トンネル入口

諏訪湖畔を移動するカルガモの群れ岡谷温泉「ロマネット」岡谷温泉「ロマネット」で昼食

諏訪湖畔を移動するカルガモの群れ 岡谷温泉「ロマネット」 岡谷温泉「ロマネット」で昼食

諏訪湖の釜口水門。天竜川、ここより始まる!大芝高原温泉「大芝の湯」南沢温泉「南沢鉱泉旅館」

諏訪湖の釜口水門。天竜川、ここより始まる! 大芝高原温泉「大芝の湯」 南沢温泉「南沢鉱泉旅館」

南沢温泉「南沢鉱泉旅館」の湯権兵衛峠の権兵衛トンネル入口羽広温泉「みはらしの湯」からの鳥瞰図

南沢温泉「南沢鉱泉旅館」の湯 権兵衛峠の権兵衛トンネル入口 羽広温泉「みはらしの湯」からの鳥瞰図

高遠温泉「さくらの湯」高遠温泉「さくらの湯」で夕食。「ソースカツ丼」を食べる春近温泉「テルメリゾートINA」

高遠温泉「さくらの湯」 高遠温泉「さくらの湯」で夕食。「ソースカツ丼」を食べる 春近温泉「テルメリゾートINA」

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